少し前からよく耳にする「匂う」という言葉。
学校で習う標準語で言うところの「匂いをかぐ」という意味でつかわれている。
多分関西の方の方言だったんだと思うけど、若い人は関西の人でなくても使っているような気がする。

「3日前に作った煮物なんだけど、まだ大丈夫だよね。ちょっと匂ってみて」
というように使われると、私としては非常に気持ちが悪い。

本来匂うという言葉は自動詞だ。
匂ってみるということは、自ら匂いを発することを意味するはず。
何かのにおいをかぐのならば、他動詞を使わなければならない。
『○○を××する』のように、目的語を必要とするのが他動詞。と習った。
「これを匂ってみて」なんて言い方には違和感が伴う。

ところがこの、他動詞の「匂う」に丁寧語「香る」があるらしいのである。
「これを香ってみて」

香るも自動詞なの!
香ってみるってことは、とりあえず自分から芳香を発してみるってことだよ!
ああ、言葉の意味どころか、文法が違うぞ、関西。
つくづく北海道は標準語文化圏なんだと思うわ。ねえ、奥さん。
そだねー。


本日の読書:のはらうた Ⅰ くどうなおこと のはらみんな

のはらうた (1)のはらうた (1)
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Amazonより
『わらべうた、かぞえうた、というのはありますが、「のはらうた」というのは、どういううたでしょう。 作者は、のはらみんなの代理人を名のる、詩人のくどうなおこさんです。 くどうさんが、のはらを散歩していると、かまきりやみのむしや風が、うたをうたっています。 そのうたを書きとめて一冊にまとめたのが「のはらうた」。 のはらみんなは、のはらむらに住んでいて、くどうさんから自分の姓と名をもらいます。 かまきりりゅうじ、とか、かぜみつる、とか、うさぎふたご、といった具合です。 シリーズの最初にあたるのが、詩集の第1巻の本書です。』

詩が苦手で、どう読めばいいのかが分からない。
詩の良しあしが分からない。
だけどこれは、音読が楽しい。
リズミカルな言葉が、読んでいて心地いい。
野原にはたくさんの生き物がいて、それは子どものように私には喜ばしいものに思えるのだ。

“ひだまり    とかげりょういち

しろく
やわらかい おなかを
いしに
ぴったりと くっつけ
いきを
すったり はいたりすると
・・・・・・
しっぽのさきまで
ねむくなる”

“いのち    けやきだいさく

わしの しんぞうは
たくさんの
ことりたちである
ふところに だいて
とても あたたかいのである
だから わしは
いつまでも
いきていくのである
だから わしは
いつまでも
いきていて よいのである”


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BGMはTHE ALFEE『メリーアン』でした。