編み物、できる?
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東京の部屋の寒さってば、精神的ダメージが大きすぎる。
こんなことなら11月くらいからセーターを編んでいればよかった、と思ったのは1月も半ばを過ぎたころ。
しかし、1月も半ば過ぎにセーターを編み始めたら、出来上がった時には春になっているのではないかと思い、今に至るまで毛糸を手にしてはいません。
3月には暖かくなっているよね?
2月中旬はまだ寒いみたいだけど、3月には暖かくなっているよね?(涙目)
では今年の11月にはセーターを編み始めるかと言えば、多分編まない。
だって札幌の家は暖かいので、セーターを着る必要がないから。
来年の春は、札幌に戻れているかもしれないじゃない?
戻れていたいじゃない?
だから編まない。
そして、冬の寒さに後悔する私。
ああ、容易に想像できる。←だったら編んどけ
本日の読書:不倫と南米 吉本ばなな
![]() | 不倫と南米―世界の旅〈3〉 (幻冬舎文庫) Amazon |
カバー裏より
『1998年4月27日。それは、亡き祖母にその日に死ぬと予言された日だった。訪れたアルゼンチンで、夫への想いと生を見つめ、残された時を過ごす「最後の日」。生々しく壮絶な南米の自然に、突き動かされる恋を描く「窓の外」など、南米を旅しダイナミックに進化した、ばななワールドの鮮烈小説集。第10回ドゥマゴ文学賞受賞作品。』
目次
・電話
・最後の日
・小さな闇
・プラタナス
・ハチハニー
・日時計
・窓の外
旅先での、地にしっかりとは足がついていない感じと、不倫という、気持ちのありかが何とも不確かな感じが融合した小説集。
結婚していたところで、配偶者ではない人を恋う心をどうこうなんてできやしない。
心をしばりつけておくことなんてできないもの。
不倫はいけないことと言ったって、倫理自体が人間社会の都合でつくられたものであって、人為的なものなのだから。
不倫というのは、その大切な約束事をすら踏みにじっても眼前に迫ってくる、どうしようもない気持ちなんだろうと、漠然と考える。
『不倫と南米』であって『浮気と南米』ではない。
倫理に悖ると自覚しながらの恋愛は、多分通常の恋愛よりもやるせなくてしんどいのだろうなあ。
自分のことと置き換えて考えてみても、ピンとこない。
吉本ばななが上手いなあと思うのは、そういう恋愛偏差値の低い私にも、その所在なさが感じられる、理解できるような気にさせるところ。
彼女らしいスピリチュアル的な展開もあるけれど、南米の明るく、乾いた景色の中で、ひとり自分の過去や現在、そして未来について思いを馳せる主人公たちは、どろどろの不倫に倦み疲れた人というよりも、不確かなものの中で途方に暮れている人のように見える。
主人公の祖母が、偉大な外国人芸術家の現地妻としての愛情を喪ったとき、それを幼い目で見つめていた母がその後一生抱えることになった小さな闇。
喪失の圧倒的な存在が、母を狭い箱の中へと閉じ込めていく。
喚起されたイメージがあまりにも鮮明で衝撃的だった「小さな闇」が、一番心に残った。

BGMはBlankey Jet City『Cat Was Dead』でした。

