ワープロ使ったことある?

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あるさぁ。
文書を作るためだけに特化した機械ですから、大変重宝しました。
だって、それまでは和文タイプライターですからね。
タイプミスしたら、一からやり直しなわけですよ。
ハンコのように裏返った活字が1000字も上下逆に並んでいるのを、間違えないように素早くタイプするのは、大変難しい。

それに比べたらワープロってさぁ、ポツリポツリ打ったって和文タイプより早いし、覚えるキーボードなんてちょっとだし、いやあ楽になった。
ところがそんな蜜月も長くはつづかず、あっという間に世の中はパソコン時代。

IDだ?
パスワードだ?
なんだそれ。

あんなことしたりこんなことしたりしないと文章が打てないって、どういうこと?

今となってはもう、パソコンからワープロには戻れません。
ネットが無いと生きていけない…ことはないけど、依存度はかなり高い。
このブログだって、パソコンがあるからさくさく書ける。(いつも長文なので、スマホでは大変なのである)
ありがたや~、ありがたや~。
♪(*^ ・^)ノ⌒☆


本日の読書:汝ふたたび故郷へ帰れず 飯嶋和一

Amazonより
『ボクシング小説の金字塔! 傑作中の傑作が、熱い熱い要望に応えて復刊します! 日本ミドル級ニ位のボクサー・新田駿一は、強すぎるパンチと弱小なジムが災いし、一度もタイトルに挑戦できずに二十代半ばを迎えていた。底辺の生活に倦み、将来に絶望した新田は腐りきってリングから降りる。やがて当てもなく帰った故郷の島で、新田はジムの会長の急死を知る。そしてボクサー・新田駿一が故郷の人々の誇りであったこと、死んだ会長の人生の誇りとなるべき存在であることを思い知り、負け犬のままリングを去ったおのれを恥じ、再起を決心する。二十代後半の年齢で上位ランカーに再び返り咲くのは困難をきわめた。が、新田は二度と迷うことはなかった……。文藝賞受賞の表題作ほか、小説現代新人賞受賞のデビュー作など、著者の現代小説すべてを収録。』

目次
・汝ふたたび故郷へ帰れず
・スピリチュアル・ペイン
・プロミスト・ランド

飯嶋和一にしては珍しい現代小説。初期の作品だからね。

しかも表題作はボクシングが題材で、苦戦しました。
ボクシングマンガは好きだが、ボクシング小説が苦手。

才能があって、身体的に恵まれているのに、弱小ジムであるばっかりに対戦相手に恵まれない。
毎日苦しいトレーニングをしているのにと、腐っていく駿。
ついにボクシングを投げ出して、故郷である鹿児島の離島に帰ることにする。

一年アルバイトをして旅費を貯め、ようやく帰ってきた故郷は、懐かしくもあったがやはり変わってもいた。
そんななか知った、ジムの会長の死。
封印していたボクシングへの思いが、再び溢れてくる。

以前は気づくことができなかった会長の、故郷の人たちの、東京の下町にあったジムの近所の人たちの、駿に対する温かな想いと誇り。
それらを背負って駿はリングに立つ。

あとがきで作者は
“゛故郷"とは、地理上に位置付けられたある地点をさすのではなく、心の中にあって、焼きつけられた様々な時間の集合のことである。どこに行ったとしても再び回復されることはないし、探せば探すほど感光したフィルムのように像は消え失せてしまうはずのものだ。”
と書いている。
消え失せてしまうからこそ、心に故郷を抱え込むのかもしれない。

少年の頃、共に遊んで育った自分の家の農耕馬を、軍用馬として送り出してしまったことで、今でも自分を許せないでいる父。
多くを語ることのない父と息子だが、父の悔いを知って…。(スピリチュアル・ペイン)

昔から熊を撃つことを生業にしていた集落に生まれ育ったのに、国の政策で熊を撃つことができなくなった。
アイデンティティをかけ熊を撃った幼なじみの礼二郎は…。(プロミスト・ランド)

舞台が現代になったからといって、飯嶋節は変わらない。
権力の横暴。
泣く庶民。
反発する人。

短編だからいつもほど重苦しくはなかったけれど、そうなるともう少しみっちり書いてほしいと思うのはわがままですね。


ペタしてね
BGMは吉田拓郎『旅の宿』でした。
今の時期、結構合う曲ですね。