映画「この世界の片隅に」を再び観てきました。

前回観たときは流れるストーリーと一緒に、登場人物たちに感情移入しながらのものでした。
それでも十分満足したんですよ。本当に。

でも、その後原作のマンガを読んで、映画で描かれなかった部分を知り、全体像を知ったうえでもう一度映画を観たいと思ったのです。
それで、10さんを案内しがてらもう一度観てきましたの。

映画では白木リンに関するエピソードの大半をカットされていましたが、逆に漫画を読んでもピンとこなかった部分を映画で上手に表現してあり、これは両方見て正解だなと思いました。
白木リンについては、エンディングロールの後、クラウドファンディングに出資した人たちの名前がスクロールしている下に、赤鉛筆で描いたかのような線画のアニメでその一生を追っていました。

元々3時間くらいの映画になるはずだったのが、さすがに長すぎるということで泣く泣くカットしたのがリンの部分だったんでしょうけれど、ここに生かしてくれたのか、と、ここでも涙が。

で、なんで夫婦喧嘩かというと、10さんの感想に私が怒ったから。
この映画に沖縄戦だったり、原発問題だったりと、余計な付加価値をつけて語ってほしくなかったの。
でも10さんとしては、感想を述べて怒られるというのは面白くないわけで。
ふたりとも感動したはずなのに、なぜか険悪な雰囲気で家に帰ってきました。

結論。
感動は分かちあわない方がいい。こともある。

それにしても原作のマンガ、最初に映画を観た日に駅前の三省堂書店に買いに行ったのですが1冊も在庫なし。
本当、この本屋は私と趣味が合わない!
後日紀伊国屋書店で購入しましたけども。
札幌は、丸善が撤退し、大丸の三省堂書店が閉店し、劇団四季劇場も2020年に撤退し、と、文化的な退行が最近甚だしいなあと思います。
とても残念。


本日の読書:水滸伝 二 替天の章 北方謙三

カバー裏より
『梁山湖に浮かぶ天然の寨(さい)には、世直しを志す者たちが集まっていた。しかし頭領である王倫(おうりん)の堕落により、今は盗賊同然の集団となっている。宋江(そうこう)の命を受けた林冲(りんちゅう)は、安道全(あんどうぜん)とともに寨に入りこんだが、そこには幾多の罠が待ち受けていた。一方、晁蓋(ちょうがい)は、巨額の税が賄賂として宰相に贈られることを知る。民の苦しみの結晶であるその荷を奪うための秘策とは。熱く血がたぎる「北方水滸伝」、第二巻。』

梁山泊を手に入れるまで。

宋江たちの仲間は全国で徐々にその数を増やしてきているが、敵も青蓮寺に集結し組織力を駆使して反乱軍の正体に迫ってくる。

宋江たちの根幹にあるものは志。
その中で、元盗人の白勝だけは、志を持たない。
彼は、自分の命を救ってくれた林冲と安道全の恩に報いるだけ。
そんな生き方もある、と。

そして武松。
切ないね。
女心が分からないことこの上ないけど、切なすぎる。
修業して出直してくれることを期待します。


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