今年の夏までは、休みの日は一歩も外に出ようとしなかった娘。
食欲がなくなったころから、それに比例して外出が増えて、なかなか一緒に外食することもなくなりました。

今日は外出予定がないというので、ランチしてきました。
前から娘を連れてこようと思っていたパンケーキのお店。

娘が頼んだ「チーズハンバーグとパンケーキのセット」




私が頼んだ「ベーコンエッグベネディクトとコブサラダのセット」
おねいさんの扱いが雑で、卵が1個パンケーキから落ちました。残念。




目のまえにおかれた皿を見た瞬間、「晩ご飯は無理だ」と思った午後1時。
いつもなら晩ご飯を食べ終わっている時間ですが、未だにパンケーキがお腹に詰まっています。

一度食べてみたかったエッグベネディクト。
美味しかったけど、すごく美味しかったけど、1個でいい。
パンケーキは甘すぎず、サラダもおいしくって、本当に問題は量だけなの。

腹ごなしにふたりで一駅歩いて帰ってきました。



本日の読書:天平の女帝 孝謙称徳 玉岡かおる

Amazonより
『女性初の皇太子となり、「女に天皇は務まらない」と言われながら、民のため、国のため、平和の世のために生きた孝謙称徳帝。聖武天皇の娘として奈良に仏教王土を築き、遣唐使を派遣し、仲麻呂ら逆臣の内乱を鎮め、道鏡を引き立て、隼人を傍に置いた。一人の人間として、女性としての人生をも求めた女帝の真の姿とは。突然の死と秘められた愛の謎を、和気広虫ら女官たちが解き明かす、著者初の歴史大作。』

「玉岡かおる読んだことある?面白いよ」
年上のママ友さんに勧められたのは去年のこと。
何読もうかなーなんて思っていたら新刊が新聞で紹介され、それが奈良時代を舞台にしたものときたら、これはもう読むでしょう。
即刻図書館に予約して…ようやく読みました。

初めて読んだ作家なので、どう評価したらいいのか…。
突っ込みどころはたくさんありました。
でも、すごく面白かった。
昨日、仕事があまり忙しくなかったら午後から休暇を取って、一気に読み上げたい!と思うほど。
結局休暇は取れずに今朝読んだんですが。

数少ない女性天皇の中で、二度皇位についたのは彼女だけです。
孝謙天皇。称徳天皇。同じ人。

仏教に帰依し、日本の各地に国分寺を作り、仏教王国をめざした聖武天皇の娘は、藤原氏の血を引く母(光明皇后)の意向で、藤原氏の血を引く男性天皇が出てくるまでの繋ぎとして天皇になります。
そして一度母の看病に専念するために、藤原氏とつながりの深い男性に皇位を譲って上皇となります。
が、母の死後病に倒れた上皇は、看病にあたった僧・道鏡を寵愛し、彼を天皇にしようと画策しますが事はならず…と、教科書には書いてあります。
しかし真実は一体どうだったのか。

てっきり女帝の生涯が書かれた作品だと思いました。
が、女帝が崩御され、彼女に追放された和気広虫(っていう名前の女官)が都に戻ってくるところから話が始まります。

一年ぶりに戻った都の様子、特に藤原氏の政治的な立ち回りに、折々思い出される女帝との日々を差し挟むことによって、女帝がどのような思いで天皇としての日々を送っていたのかが浮かび上がってきます。

繋ぎの天皇ですから、結婚して子どもを作るなんてことはできません。
しかし人の気持ちはそうそう割り切れるものではないのです。
あくまでも恋する乙女であった孝謙天皇時代。
挫折を知り、天皇として国や民を安んじることの大切さと責任の重さを痛感した称徳天皇時代。

それを、女帝のいちばんそばに仕えていた広虫の視点で語られます。
腹心の部下であったはずの広虫は、なぜ都を追放されてしまったのか。
教科書に書いている一文には納まりきらない、互いの思いのすれ違いがそこにはありました。

女帝は毒殺された。
誰に、なぜ?
これが一本の筋になっているのは確かですが、これはミステリではないので、割と早いうちにトリックはわかります。トリックがわかると犯人が、そして動機もわかります。
しかし、このトリックで毒殺するくらいなら、この時代ですから呪い殺すでよかった気もします。

「宇佐八幡宮神託事件」と「道鏡事件」についての真相(あくまで作品中の)に至るまでの流れが、実在の人物たちを使って、全く別物に見せていく手腕に、目からウロコがぽろぽろ落ちました。

けれど、道鏡が弱い。
人物造形がゆれている。
徳の高い僧なのか、俗物なのか。
女帝に対しても、一族のものたちの振る舞いに対しても、首尾一貫していないような気がします。

で、藤原氏。
「国」や「民」に責任を持つ天皇と違って、彼らは「藤原氏」の栄光しか考えません。
称徳天皇が崩御されたときに権力を持っていたのは北家の藤原永手(ながて)。
この人のことは知りませんでした。
しかし彼が急死した後に勢力を伸ばしたのが式家の藤原良嗣(よしつぐ)。
そして弟の雄田麻呂(おだまろ)。
聞いたことがない名前だったのでてっきり架空の人物かと思ったら、のちの藤原百川(ももかわ)でした。
他の勢力に対して一致して藤原家を守りますが、藤原家の一人勝ちになるとその中での勢力争いが始まる。
実に生々しい一族です。

藤原氏のために存在した孝謙天皇は、称徳天皇となって藤原氏のためだけではない国を作りはじめます。
そのためには、男女ともに働きやすい朝廷であること。女性天皇への道を作ること。
うーん、この辺も弱い。
が、いま書かねば、という思いで書かれたことだとは分かります。

“一度書かれて皆の目に触れたものを、後世の者の都合でそう簡単に書き換えることなど、できませんよ”

書き換えられてしまった女帝の生涯。
今までの歴史とは全く違った物語でしたが、これもありかと思わせられました。
こういうのが歴史小説の醍醐味だよねえ。


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