芸術の森美術館に「エッシャーの世界」を見に行って来ました。
ここに来るときはいつも雨なんだよなあ。なんでだろう。
野外美術館の方は大丈夫なのに。





水辺に立ち寄る習性がある私。





駐車場からの方が近いのか…。
JR~地下鉄~バスで来た私。
入り口が遠いざます。





最初のコーナーはエッシャーの先生である、メスキータの木版画。
彫刻刀の彫り跡がいかにも手作業って感じで味がある。
白と黒のコントラストがはっきりしていて、日本の切り絵みたいだと思いました。

エッシャーはこの先生をとても尊敬していたそうですが、エッシャーの版画はメスキータとは全然違います。
同じ木版画でもすごく奥行きが感じられます。

エッシャーは元々建築の勉強をしていたそうなのですが、メスキータが彼の才能を見抜いて版画のいろんなテクニックを教えた、と。
風景の細かな描写と奥行きは、素人目で見るとメスキートより全然レベルが違うように感じました。

海外の風景を精力的に版画にしていたエッシャーですが、オランダに戻ってくるとあまり絵心を刺激する風景がないことから、平面を正則分割することにのめり込んでいきます。
正則分割とは、ある1つの図形を反転、回転させ、隙間なく並べる手法で、実はだまし絵で有名なエッシャーですが、正則分割の作品の方がずっと多いようです。
魚や鳥、トカゲなどを平面一杯にみっちり並べるところから始まり、色の濃淡を駆使して昼と夜、空と海などを表現していきます。

隅々まで計算されつくして精密な絵を見るために、相当顔を近づけて絵をのぞきこんでしまいました。
設計図のような習作も展示されていて、ここでも建築の知識が役立っているのかと思ったり。

メビウスの輪や正多面体を駆使した絵。
数学者が計算して出した世界を、エッシャーは簡単に(ではないかもしれませんが)絵で表現することができたのだそうです。

最後のほうにあった「二重の小惑星」という作品。
星の王子さまに出てきそうな世界だな~と思って見ていたら、あとから来た小学生もおんなじことを言っていたので、「同志よ!」と思ってしまいました。





ちょっとずれているけれど、正しい位置に立って撮れば三角形に見える形。
本当はもっと上部は広がっているのです。
この、視点の位置によって見え方が違ってくる錯視を利用して書いたのが「滝」や「物見の塔」などの騙し絵。





「三つの世界」
どの面も、天井と壁と床の三つの側面を持っている世界。
近づいたり離れたり、首を大きく傾げながら絵を見ている人がたくさんいました。
頭を使った絵画鑑賞でした。


本日の読書:ライオンのへんないちにち あべ弘士

Amazonより
『ライオンは今日も暇だった。たっぷり食べて、腹も一杯だ。子どもらは母ちゃんと寝ている。久しぶりに一人で出かけたライオンが途中で会ったシマウマの子どももハイエナもどこかヘンで…。「ライオンのよいいちにち」の続編。』

たっぷり食べて満腹になったら寝て過ごす。
これが野生の動物の生き方だ。
だとすると、そもそもライオンの父さんが変なんだな。

家族が満腹で寝ているすきに1人で出かける父さん。
湿っぽい風が吹く中、出会う動物たちはどこか変。
卵を飲みこんだ蛇が木から落ちてきたときの、ライオンの父さんのビビり様がかわいい。

でも、何があっても悠然としている父さん。
2ヶ月も家に帰らなかったのだろうかという疑問はさておいて。


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