研修中、辛い事ばかりのように書きましたが、ちょっとはいいこともありました。
数年ぶりにあった後輩とゆっくりとはいかなかったけれど、そこそこふんだんにおしゃべりできたこと。
そして、おいしいお酒をごちそうになったこと。

飲み会もそれなりに開かれていたようですが、なにせ勉強についていけない私はそれどころではなく、ほとんど部屋にひきこもっていましたが、一度だけ「おいしい日本酒がありますよ」と誘われてホイホイ顔出しちゃった。

神戸の日本酒とワイン。

木箱に入っている日本酒を見て、「おお~!」と群がり写真を撮る中年男女。(多少の若者もあり)
常温で飲んでもすっきりと旨い。
「これ冷やしたらいくらでも飲めるね」と、がぶがぶ飲んできました。
おつまみがスナック菓子なのが本当に悲しかったわ。

ワインも口当たりが軽くて、とても飲みやすい。
「神戸でワインが作られているなんて知りませんでした」と言ったら神戸の人がびっくりしてました。
常識でしたか。orz


本日の読書:リトル・トリー フォレスト・カーター

Amazonより
『美しい自然のなか、両親を亡くした5歳の少年は、祖父母の愛情に包まれてインディアンのライフ・スタイルと精神性を学んでゆく。』

チェロキー・インディアンの血を引く少年リトル・トリーは、5歳で孤児となり、祖父母とともに山の家で暮らす。
自然の一員として生き、死ぬことを、所有することにこだわらず、権力とは無縁に、自分の判断力を信じて生きていくことを、祖父母の姿から覚えていくリトル・トリー。
できないことを数えるのではなく、できることを心から認めてほめてくれる祖父母。

彼らの日々の暮らしぶりを読んでいるだけなのに、付箋がものすごいことに。

狐狩りでの犬と狐の騙し合いを見て、祖父が
“人間だって感情ばっかりが先走りすると、しまいには手痛い目に会うもんなんじゃ”

「チャタヌーガ(地名)へ行く道を教えて」と言われて、チャタヌーガの方角を教える祖父
“「あんた、まじめなの?方角なんか当てにならないわ。まっすぐチャタヌーガへ行く道がどれかって聞いてるのよ」
「西へ行く道ならどれでも―ただし、ほんのちょっぴり北寄りにということを忘れんようにな」”
最後までかみ合わない会話が、なぜか悲しい。

“祖母が言うには、人は理解できないものを愛することはできないし、ましてや理解できない人や神に愛を抱くことはできない”
だからと言って、自分の意見を押し付けるわけではない。
そういう人(神)がいる、というだけの話。

“昔を知らなければ、未来は開けてこない。祖先の人たちがどこから来たのか知らなければ、これから人々がどこへ行こうとしているのかもわからない。”

“なにかいいものを見つけたとき、まずしなくちゃならないのはね、それをだれでもいいから、出会った人に分けてあげて、いっしょに喜ぶことなの。そうすれば、いいものはどこまでも広がっていく。それが正しい行ないってものなんだ。”

“森を切りきざんだりせずに、いっしょに生きること。そうすりゃ、森はいつだって食べ物を与えてくれる。”

“教育というのは二つの幹を持った一本の木のようなものだ。ひとつの幹は技術を養うもので、自分の商売を切りひらいてゆくのに応用できる知識を育てる。そういう目的にかなうなら、教育が最新の技術を取り込んでゆくのに賛成だ、とワインさんは言う。しかし技術だけでは駄目で、もうひとつの幹も大事にしなくてはいけない。それは、物事を尊重する心を育てることだ。”
ワインさんは倹約ということをリトル・トリーに教える。
倹約はケチとは違う。
使うべき時はきちんと使う。そして大切に扱うこと。

リトル・トリーがガラガラヘビに襲われそうになったとき、自分の腕を差し出してリトル・トリーを守った祖父。
生死の淵をさまよう祖父を、身の回りにあるものと手持ちの知識で看病し、無事生還させる祖母。

シャークスピアの本を祖母に読んでもらって、自分なりに理解しようとする祖父とリトル・トリー。
風の声を、樹の声を、星のまたたきを、草花の息吹を感じ、理解する彼ら一家の日常は、どんなにも心豊かであるものか。

そして生き方ばかりではなく、死んでゆく姿も立派な教えとなる。
“「今生も悪くはなかったよ、リトル・トリー。次に生まれてくるときは、もっといいじゃろ。また会おうな」”

“リトル・トリー、私は行かなくてはならないの。風の音を聞いたら、木々を感じるように、わたしたちを感じてちょうだい。おまえが来る日をわたしたちは待っています。次に生まれるときには、もっとよくなるでしょう。なにも心配はないわ。おばあちゃんより。”

9歳で天涯孤独となったリトル・トリーだけど、彼は一人の男として、自分の足で立ち生きていく。
その姿に迷いはない。

さんざん引用しておいてなんだけど、言葉なんていらないんだな。
静かに感じていればそれでよし。



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