近所のコンビニで地味に展開されている地方銘菓フェア。
先月は愛媛県は松山の「一六タルト」でしたが(美味しかった)、今月は新潟県新発田市の「河川蒸気」でございます。

職場に新発田出身の人がいるので美味しい?って聞いたら、「知らない」って。
銘菓なのに?
「地元の銘菓って意外に食べる機会ないでしょう?」

確かにね~。
私も本州に住んで初めて「白い恋人」や「とうきびチョコ」食べたもんねえ。
「じゃがぽっくる」も本州の人に空港で買ってきてもらったという…。

そんなわけで、新潟出身でも絶対にこのお菓子のことは知らないだろうと、10さんの帰札に合わせて購入。
黒糖の薫り高いカステラはふわふわ。
小豆クリームは甘さ控えめで大変おいしい。
天気の悪い休日に、濃いめのお茶を飲みながら食すのは無上の幸せ。
(。-人-。)大変おいしゅうございました。



本日の読書:雨の四君子 塚本邦雄

帯文より
『ロマン・ピトレスクからロマン・ノワールまで
塚本邦雄書下し最新小説集
未知の砂漠探検家を愛しながら幻影の町に死んでゆく閨秀画家の半生を描くロマン・ピトレスク=「雨の四君子」
「七月七日午後五時三匹の蜂が飛んで来て中の一匹が私の頬を刺す」老女の他愛のない預言によって男の運命が一変する、明るいロマン・ノワール=「ぶたぶたこぶた」』

歌人で詩人で小説家の塚本邦雄の短篇集。

目次
・ぶたぶたこぶた
・洎夫藍もどき
・雨の四君子
・カラカラ
・相府蓮
・反葬
・葯
・靑龍
・高野切
・蠟梅天使
・昧爽柑橘円
・ななつさがり
・服喪二十四分間

目次だけで一つの作品のようです。
絶対計算してますよね。

旧字旧仮名遣いの文章は読むに易しくはないけれど、言葉の持つイメージの喚起力がすごい。
知らない景色、知らない世界が次々と眼の前に現われてくる。
日本の文化や植物にもっと詳しかったら、めくるめく世界が広がるんだろうなあ。

雅な世界を描いているけれども、漏れ出ずるエロス。
男女の間だけではない妖しい気配。
甘い毒のような世界。

表題作「雨の四君子」が一番長く、読みごたえもありました。
四君子とは、梅、竹、蘭、菊のこと。
これをモチーフにした日本画の個展。
準備の大変さとお金のかかることに驚きましたが、それと並行して書かれる主人公があったこともない男性に惹かれていく様の不穏な空気感が絶妙で、ページを繰る手が止まらなかったです。

あと、「カラカラ」が怖かった。
テルマエの話なんですけどね。
恐かったです。


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