あらすじ

詐欺師アーヴィン(クリスチャン・ベイル)と、その相棒で愛人のシドニー(エイミー・アダムス)。彼らはFBI捜査官リッチー(ブラッドリー・クーパー)に逮捕されるが、無罪放免を条件におとり捜査への協力を持ち掛けられる。それは、架空のアラブ人富豪をダシに、カジノ利権に群がる政治家やマフィアを一網打尽にするというもの。アーヴィンとシドニーは、標的のカーマイン市長(ジェレミー・レナー)に近づくが、二人の仲を嫉妬(しっと)するアーヴィンの妻ロザリン(ジェニファー・ローレンス)がおとり捜査の邪魔をする。

シネマトゥデイ


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お互いにデューク・エリントンの音楽が好きなところから惹かれあい、コンビを組んで詐欺をはたらくことになったアーヴィンとシドニー。
頭の回転が速く知識も豊富、人を見る目も物を見る目もあり、人脈を増やしながら次々と詐欺を成功させていく。
もちろんふたりは恋愛のパートナーでもある。

ところが、普通こういう場合は美男美女かと思うんだけど、この二人…。
シドニーはまあ、特別美人というわけではないけれど、そこそこ綺麗といえる。
でもアーヴィンは、完璧にそれとわかる九一分けの髪、全く引き締まっていない体。
あれ?アメリカ人が嫌いなタイプじゃない?

好事魔多し。
カモとしてひっかけてやろうとした相手がFBIの捜査官で、無罪にしてやるからおとり捜査に協力しろと言われた二人は、しぶしぶFBIに協力することに。

慎重に計画を立てたい彼らと違って、FBIの捜査官の方がイケイケどんどんで、大物狙いに勢いがついて、どんどん大がかりな罠をはることになる。

派手に演出すればいくらでも派手になりそうな題材を、アーヴィンやシドニーのモノローグで進めることで彼らの心情が伝わり、思い合っているのにボタンを掛け違ってしまう切なさにハラハラ。

主役二人の他にも、FBIの人たち、市長、アーヴィンの妻などのキャラがはっきりして、ひとりひとりに言い分があり、ひとりひとりに悩みがある。
それらに説得力があるからこそ、詐欺の成功や失敗だけではない、ドラマの重みが感じられてよかった。


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