今年一番面白かったドラマ ブログネタ:今年一番面白かったドラマ 参加中
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まさかこのようなお題でブログを書くことになろうとは、去年の私が知ったらびっくりポンや。
何しろ去年はほとんどテレビを観ませんでしたからね。

対して今年のテレビっ子ぶりったら。
娘も私もあまりテレビを見るほうではなかったんですが、今は一日の終わりにテレビを見ながらうだうだ話をするのがお決まりになってしまいました。(たまに本を読みたくていらっとしますが)

ずいぶんたくさんドラマを見ました。(当社比)
ここのところ「民王」がダントツに面白くて、元旦の「民王スペシャル」を北海道でやらないのが悔しくてたまらない。

けれど一年を通して考えたら、やっぱり「デート」かなあ。
恋愛ドラマなんて全く興味なかったし、長谷川博己も知らなかったし、見るつもりのないドラマ筆頭と言ってもよかった。言わなくてももちろん良い。

たまたま何かの拍子で見ちゃったんだよね。
そうしたら、毎週毎週目が離せない。

魂を揺さぶられるというのとは違う。
新たな視点に蒙を啓かれたわけではない。
未知の世界を覗かせてもらったわけでもない。

主役のふたりこそ極端な性格ではあったけど、ごく普通の人たちの、ごく普通の(?)生活のなかでの、手探りの恋愛物語。
嫌い嫌いも好きのうちって言葉を教えてやれ!と、何度テレビに向かって叫んだことか。(心の中で)
不器用で、一途で、トンチンカンで、けなげ。

緻密に組み立てられた脚本から現れたふたりの、なんといじらしいこと。
前後する時間軸。
巧みに台詞の中に仕込まれた仕掛け。
それを丁寧に映像化すると、こんなに面白いドラマになるのかと。

脚本も素晴らしかったですが、それだけではなく、小道具やセットやカメラ割りや衣装や…とにかく総合的にみんな素晴らしかった。
しょせんドラマなんだからさあ、なんて言葉、この現場には絶対なかったと思う。

高等遊民という名のフリーター。
生活に困らないのであればこんなに楽な生き方はないと思うけど、最初にアンテナに引っかかったのはその設定ではあったけれど、キャッチーな設定だけのドラマじゃあないのよ。
ずーっと通奏低音のように「親子の愛」があったの。
家族であり、他者である親子。
理解はできなくても尊重し、理解ができないからこそ相手の幸せを望むふた組の親と子。

毎回毎回大笑いしながら見ているのに、毎回毎回切ないような愛しいような、別れの寂しさを感じていました。
本当に楽しませてもらった3ヶ月。

マピでミー賞 ドラマ部門大賞は 「デート」です。
おめでとう!←なにさま?



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本日の読書:薔薇盗人 浅田次郎

カバー裏より
『「親愛なるダディと、ぼくの大好きなメイ・プリンセス号へ」―豪華客船船長の父と少年をつなぐ寄港地への手紙。父の大切な薔薇を守る少年が告げた出来事とは―「薔薇盗人」。リストラされたカメラマンと場末のストリッパーのつかの間の、そして深い哀情「あじさい心中」。親友の死を前にして老経営者に起きた死生への惑い「死に賃」。人間の哀歓を巧みな筆致で描く、愛と涙の6短編。』

浅田次郎は長編が好きだなあ。

浅田次郎は短編とはいえ、その世界を描きだすのが上手いのだ。
だからすぐに情景が目に浮かんで、「で?」ってなってしまう。
もう一段の上を期待してしまう。

本来なら短い文章でその世界を描き切ること、できれば余韻をもたせることが短編小説に求められる部分なのかもしれないけれど、「蒼穹の昴」や「壬生義士伝」などの、圧倒的な描写の巧。
畳み掛けるように押し寄せる感情のうねり。

または「地下鉄に乗って」のように、視点によって見えているものが違い、事実が必ずしも真実ではないことを突き付ける一瞬。

そのようなものを、短編で期待してはいけないのだけど、期待してしまうのだ。
上手いから。

そういった意味で面白かったのは「奈落」
まだ着いていないエレベーターのドアが開き、一歩踏み出したために命を落とした会社員・片桐。
その事故で露わにされる、彼の半生。
そして彼の死が会社の歯車をも狂わせる!…のか?
ドラマ化する際には、ぜひ片桐役を緋田康人さんで。

女手一つで自分を育ててくれる母の苦労がわかるから、いろんなことを我慢して我慢して我慢していた少女が、この先一生わがままを言わないからと母にねだったものとは。「ひなまつり」
やっぱりこういうの書かせると上手いよなあ。

長期不在の父に代わって薔薇と母を守り、父に手紙で近況を報告する少年。「薔薇盗人」
純粋な少年の目を通して描かれる近況から透けるように見える現実。
この透けっぷりが、大抵の大人にはガラス越しのように丸見えで、どこで話しをオトすのだろうと思って読んでいたら、ストレートに終わりました。

ジョン・ラッツの「腐れイモ」くらいのどんでん返しを期待したんだよね。
一方的な手紙だけで構成された小説だったので、つい…。
薄汚れちまった読者ですみません。