今日は一歩も外に出ず。
洗濯して掃除して、買い物に行かなくちゃ…と言いながら本を読み、寝た。

朝ご飯、うどん。
12時間後にお茶漬。
動かないからお腹もすかない。

眠い眠いとは言っていたけど、本当に眠かったんだなあ、私。

なんだかすっごく省エネ生活。
ってことで、ブログに書くことも特になし。
じゃあ、解散っ。(`・ω・´)ゞ


本日の読書:僕たちの戦争 荻原浩

カバー裏より
『“根拠なしポジティブ”の現代のフリーターと、昭和19年の「海の若鷲」にあこがれる軍国青年が時空を超えて入れかわった!それぞれの境遇に順応しつつも、ふたりはなんとか元の時代に戻ろうとするが……。
おもしろくてやがて切ない、愛と青春の戦争小説。』

偶然ですが、また「回天」の話。

こちらは現代の若者と戦時中の若者が、タイムスリップして入れかわるというもの。
戦争小説でありながら所々で笑える部分があり、戦争小説なんて読みたくないという人も、面白く読めるんじゃないだろうか。

50年先の未来に来てしまった飛行術練習生の石庭吾一。
50年後の過去へ行ってしまったフリーターの尾島健太。

なぜか二人が入れ替わっていることを、周囲の人たちは気が付かない。
同じ年齢、同じ容姿であるふたり。
少しずつ周囲の様子に順応しながらも、自分の世界に戻りたいふたり。

特に健太にはミナミという彼女がいる。
元の時代に戻ってもう一度彼女に会うことが、軍隊の辛い生活で生き延びるための支えになっている。

吾一は、国のために死ぬことを目的に生きてきた。
“いったいこの時代は、どういう時代なのだろうか。
知れば知るほど情けなく、嘆かわしく、腹立たしい。すでに多くの兵が御国のために散り、軍神となられた。その尊い犠牲は、こんな世の中をつくるためであったのか。”

しかしミナミと知り合い、ミナミと共に生きたいという気持ちもわいてくる。
けれどもミナミが好きなのは健太だ。
入れかわった健太のことや、残してきた軍隊の仲間たちのことを考えると、このままこの世界で生きることを自分に許せない吾一は、ミナミに心を惹かれながらも、元の時代に戻る手立てを考える。

なんとかして軍隊から抜け出したい。
そして終戦まで生きぬいて、その後、元の時代に帰る手立てを考えようと思う健太。
しかし、戦局はいよいよ思わしくなく、希望もしない特攻隊に希望させられ、自分の祖父やミナミの祖父がいる部隊に配属させられる健太。
無事に元の時代に戻ったら、絶対ミナミに話してやろうと思う健太だが。

“正しい戦争なんて、どこにもない。戦死に尊いも賤しいもない。責任者、出てこい!”
“本当は戦争で死にたいやつなんか誰もいない。死の危険がない安全な場所にいるやつらが戦争を考えて、命令しているんだろう。”

50年前の時代、50年後の時代にタイムスリップした二人が、カルチャーショックや精神的なギャップを感じながら、時代に順応しようと努力しては微妙に間違うあたりが笑いどころ。
笑って読んでいる間に、徐々にふたりの気持ちにシンクロしてしまい、最後には切なくて胸が苦しくなってしまう。

こんなに人生を、国の未来を考えている二人は、まだたったの19歳なのよ。
ものを大事にした昔の人たち。
でも、この国は、そんな19歳の若者たちの命を、消耗品のように使い捨ててきた国なんだよねえ。

喜怒哀楽。
どの感情も揺さぶられる、稀有な小説。