右と左がなかなかわからないんです。

「お箸を持つ方が右手ですよ」と小学校に入学して習いましたけれど、頭の中で考えるとどちらでもいけそうな気がしてしまうのです。
ほかの子たちはみんな悩まずに理解できているようなのに、どうしてもどっちが右でどっちが左かわからない。

その年の冬、左手にやけどをしましてね。
それで右左問題は解決しました。
右左を考えなきゃならなくなるたびに左手の甲を見る。
治りかけると無理にかさぶたをはがして、新たにかさぶたをつくる。
そんな私の地道な努力が実を結び、かさぶたを見なくても左手の親指がイメージできるようになり、現在に至る。

のですが、最近新たな右左問題が。

歩き音楽はしないと以前書きましたが、iPodを買ったらやっぱりしてみたくなるでしょう?

じつは私、カセットテープのウォークマンもCDのウォークマンもMDのウォークマンも持っていますが、歩きながら聞かなかったんですね。
ポケットに入れるには大きすぎる。
そして、往々にして音飛びがある。
…長男のお古をいつももらっていたからかな?
まあその音飛びが嫌だったので、徐々に使わなくなり。

で、iPodです。とてもいいです。
最近は歩き読書あらため歩き音楽です。
付属のイヤフォンが、とても耳にしっくりくる形でお気に入りです。
でも、とっさに右と左がわからないところが若干不便。

「だって書いてあるでしょ?RとかLとか」と娘。
書いてあるけど小さいじゃん。
パッと見てわかりたいんだよ。
老眼だからじゃないよ。

右が赤で左が青と色分けしてくれてたらいいのに。
もしくは片方だけ色を付けるとか。
または右がミッキーで左がミニーとか、右がドナルドで左がデイジーとか。
「右がチップで左がデールとか」
それは却下じゃ、娘よ。

そんなわけで今私のイヤフォンには右にだけ四つ葉のクローバーのシールが貼ってあります。
「ダサ~い」って目で娘に見られますが、いいの。

明日は7時の電車で出張です。
明後日、帰りの電車の中でiPodを聞きながら本を読むのが今から楽しみ。
行きは…そんな余裕ないかもだから…。


本日の読書:中二階 ニコルソン・ベイカー

Amazonより
『中二階のオフィスに戻る途中のサラリーマンがめぐらす超ミクロ的考察―靴紐はなぜ左右同時期に切れるのか、牛乳容器が瓶からカートンに変わったときの感激、ミシン目の発明者への熱狂的賛辞等々。これまで誰も書かなかったとても愉快ですごーく細かい注付き小説。』

もう、絶対好き!ニコルソン・ベイカー。
これがデビュー作だなんてすご過ぎる。

ストーリーとしては、昼休みに外出から帰ってきてオフィスに戻るサラリーマンがエスカレーターに乗ろうとするところから、中二階で降りようとするところまでの間に考えたいろいろなことを後日思い出していた主人公の頭の中に浮かんだ事柄について。
その事柄についての注釈がまた細かくて、ストーリーと同じくらいの分量が費やされていて、うっかりすると、今何のことについて読んでいたんだっけ?ってわからなくなるくらい。
それが、でも絶妙で、とにかく愉快。

周囲のすべてに関して洞察を怠らず、関係性について、成り立ちについて、いちいち検証する姿勢がたまらなくステキ。

入院している同僚への寄せ書き。
同僚との距離感を考えて、あまり目立ちすぎる場所ではなく、だからと言って空いてるスペースに適当にということでもなく…って悩むところ、わかるわかる。

トイレの中での、音問題。
文房具への偏愛。
靴下をはくときの“あらかじめじゃばら寄せ方式”など、自分のこだわりにつけるネーミング。
どうでもいいようなことへのこだわり。

どれをとっても笑えて、共感できて、とにかく好き。
好きだ~、好きだ~、大好きだ~!
ここ最近知った作家の中で、一番好き!