10さんの家のそばの道。
公共の交通機関を利用する時に必ず通る道。
こんなに空が青くても、いつも異世界に続いているように暗くて、ちょっと怖いのです。

今日、10さんの家から帰ってきました。
「送って行かなくても、ひとりで帰れるよね」
はい。

ってなことを昨日言っていたのに、私が家を出ようとしたら「あ、俺も行く」とついてきました。
そればかりか「俺は自転車で行くから」って。
え…。

「え…。って何よ。嫌なの?」
だって、10さんが自転車で走っている横で、私が荷物を抱えて走るんですか?
なんの地獄の特訓ですか?
「バカじゃないの?自転車は押して歩くよ。帰りに乗って帰るんだよ」
あ…そなんだ。

最後までかみ合わないふたりであった。
そして10さんの勧めるバスに乗って空港に着いたのが11時。
飛行機の出発時間は3時。
態のいい厄介払いか!?


本日の読書:ジャイロスコープ 伊坂幸太郎

カバー裏より
『助言あり〼。スーパーの駐車場にて“相談屋”を営む稲垣さんの下で働くことになった浜田青年。人々のささいな相談事が、驚愕の結末に繋がる「浜田青年ホントスカ」。バスジャック事件の“もし、あの時……。を描く「if」。謎の生物が暴れる野心作「ギア」。洒脱な会話、軽快な文体、そして独特のユーモアが詰まった七つの伊坂ワールド。書下ろし短編「後ろの声がうるさい」収録。』

・浜田青年ホントスカ
・ギア
・二月下旬から三月上旬
・if
・一人では無理がある
・彗星さんたち
・後ろの声がうるさい

別々に発表された短編を、最後の「後ろの声がうるさい」がつなぐ。

もう一度読み返した見たら、「一人では無理がある」とか「彗星さんたち」などはいつもの伊坂節なんだけど、「ギア」や「二月下旬から三月上旬」の異質っぷりに最初ちょっと驚いた。

そして、「後ろの声がうるさい」で上手いことつながっているけれど、「浜田青年ホントスカ」は蝦蟇倉市シリーズの中の一編だったりする。

これだけばらばらの作風なのに、最後の一編のおかげで芯が通った気がする。

安定の伊坂節の他に、「二月下旬から三月上旬」が結構好き。
そして、浜田青年の一生に涙。