これはなんでしょう?
ひとつだけ、他の雲とは違う佇まい。

竜のしっぽみたいだな。
エルマーとお友だちの竜のだったらいいな。


先週の土曜日、少し平べったい虹を見ました。
そういう時に限ってスマホ不携帯なんだよね。
環天頂アークより少し丸みのある平たい虹。
空も色々隠し玉持ってるね。
怖いけれど美しい自然。

早くいつもの日常に戻れますように。


本日の読書:マララ 教育のために立ち上がり、世界を変えた少女 マララ・ユスフザイ パトリシア・マコーミック

Amazonより
『女の子が学校に通う権利を訴え、タリバンに襲撃され重症を負ったマララ・ユスフザイさん。
いまイギリスで暮らす彼女が若い読者に語りかけます。
幼いころの思い出、家族のこと、タリバンの侵攻、命をかけて訴えてきた「女の子が学校に通う権利」、襲撃を受けた「あの日」のこと、そして故郷から遠く離れて暮らす現在。
信念を持ち続けるマララさんにだれもが心を揺さぶられます。』

読書感想文全国コンクール高校の部課題図書。
ページを開いてびっくり。
字が大きい。ふり仮名つき。
これ小学生でも読めるじゃん。

読んで納得。
小学生でも読めますが、高校生にも読んでほしいと思います。

マララが生まれたパキスタンでは、男の子が生まれると盛大にお祝いしますが、女の子が生まれても誰も祝福してくれないのだそうです。
そんな中、マララのお父さんは心からマララの誕生を悦び、過去300年にわたって女性の名前が記されたことのない家系図に、マララの名前を書き入れました。

マララの、信念に基づいた行動力の元は、父に愛されている自信なのだと思いました。

けれど彼女の周りの女性たちは、男性の家族の付き添いがなければ外に出ることができなかったり、小学校を終えると結婚させられたりと、男性とは全然違う人生を送ることを強いられます。
優しくて賢いマララのお母さんも、字を読むことは出来ません。

“クシャル学校の塀のなかでは、知識の翼に乗って飛べた。女の人がひとりで外を歩いてはいけないといわれる国で、わたしたちは、本のページの中で広く世界じゅうを旅していた。多くの女の人が市場で値札を読むのにも苦労している土地で、わたしたちはかけ算もできた。女の子がティーンエイジャーになったとたんに顔をかくし、遊び仲間だった男の子たちの前から姿を消さなくてはいけない国で、わたしたちは風のように自由だった。”

敬虔なイスラム教徒であったとしても、それでも女性だって勉強がしたい。
そのマララ達の声を踏みにじったのがタリバンです。

それはアフガニスタンに跋扈する一部のイスラム原理主義者たちであったはずなのに、いつのまにか自分たちの周辺が、タリバン達のテロによって息苦しいものになってきます。

大地震でパキスタンが甚大な被害を受けた時、真っ先に駆けつけ支援したのがタリバンたちだったのです。
アメリカ軍や国連の人たちがやってくれなかったきめ細やかな支援に、パキスタンの人たちは救われた想いだったのでした。

だから、マララ達の主張の方を悪であると思う人たちも大勢いました。
それでも勉強したいという彼女たちの心からの思いは少しずつ広がっていきます。
だから彼女は狙われました。

“どうしてタリバンは、学校をそんなにおそれるの?”

人々を従わせるためには、余計な知識を持たせないに限ると思っている人は確かにいます。
けれどマララは、学ぶことは楽しいというだけではなく、教育を受けられない人は結局貧困から脱出するすべをもてないと言います。

タリバンに殺される人が多数出る中、マララは自らの声を世界に発信することを決めます。
父は「タリバンといえども子どもを殺すことはないだろう」と信じていました。
母は「嘘はほろびなくてはならない」「真理をかくしてはならない」と娘を応援します。

しかし、学校帰りにマララは襲撃されます。
瀕死の重傷を負ったマララ。

“タリバンは、私をだまらせようとして襲撃した。ところが、どうだろう?今、全世界がわたしの声に耳をかたむけている。”

気持ちの強い子です。
アメリカでオバマ大統領に会ったとき
“大統領への敬意は忘れなかったと思うけれど、パキスタンでの無人爆撃機を使った軍事作戦には反対だと伝えた。悪い人をひとり殺すために、罪のない人が何人もまきぞえになり、かえってテロリズムを広げてしまうから。もし、アメリカが兵器や戦争に使うお金を減らして、教育にもっとお金をつぎこめば、世界はもっとよくなる、とも話した。”

でも弟と喧嘩をしたりもして
“わたしは、世界の言論の自由と人権のために活動しているけれど、弟といっしょにいるときには、正直いって、独裁者も悪くないと思う!”
ごくごく普通の女の子なのです。

この本を読んで、当たり前の生活ができることに感謝しろとは言いません。
でも、こういう生活、こういう生き方があるってことも、知ってもらいたいと思いました。