娘の仕事が休みの夜、ふたりでテレビを見ながら晩ご飯を食べていた時のこと。

「私は、母親としてではなく、女として生きたいの!」
ふーん。もぐもぐ。
特に何の感動もなく、ドラマのセリフを聞き流していたら、真顔で娘に質問されました。

「お母さんも、母親としてではなく、女として生きたい?」

ええ…え…と…。
大変申し上げにくいのですが、女として生きる以前に、私の中身はほぼおっさんです。
すまぬ。ごもごも。

「あ、じゃあ私と同じだね」

まさかのおっさん母子。
なんか嫌だわ。
とりあえずビールもう1本飲んどくか。


本日の読書:民王 池井戸潤

カバー裏より
『「お前ら、そんな仕事して恥ずかしいと思わないのか。目をさましやがれ!」漢字の読めない政治家、酔っぱらい大臣、揚げ足取りのマスコミ、バカ大学生が入り乱れ、巨大な陰謀をめぐる痛快劇の幕が切って落とされた。総理の父とドラ息子が見つけた真実のカケラとは!?一気読み間違いなしの政治エンタメ!』

ドラマが面白いので、初の池井戸潤読み。
「半沢直樹」を見た時、これこそまさに痛快娯楽現代劇だと思いましたが、娯楽度はこちらが上。

総理大臣の父と就活中の大学生である息子が入れ替わることによって、政治家として、大学生としてのやり取りがずれる。
アンジャッシュのコントのような可笑しみが、時に切なく、時にほのぼのと、そして概ね笑いとして押し寄せてくる。

キャラがしっかり立っているからなんだな。

そして何よりも、正論を堂々と言い放つことの痛快さ。

本音を言えば引かれる。
正論を言えば煙たがられる。

そんな昨今だからこそ、正論に寄って立つことの清々しさが貴重。
もちろん、正論で全てが片付くわけではないことは百も承知だ。
だけど、正論すら語れなくなったら、世の中おしまいではないの。

“「君みたいにさ、理想論ばっかり言ってる若者っていうのは質が悪いんだ」(中略)「だが、理想論すら語らない若者はもっと質が悪い”

若者だけではないよ。
大人だってだよ。
理想万歳。まことに痛快。
オトナになろうぜ、これ読んで。


さて、ドラマの話をしますと、これが小説より面白い。
テレビ映えするように設定を変えてありますし、俳優陣ひとりひとりの演技も素晴らしい。
そしてキレのある演出。遊び心。

もしスピンオフドラマを作るのなら、貝原秘書を主役で、ぜひ。
政治家の一人娘と結婚して、義父の地盤を継いで出馬を狙うも、妻がまさかの出馬宣言。
「私が立ちます。あなたは演説の原稿書いて」
赤ん坊おぶって妻の秘書官。
待機児童ゼロ政策を旗印に、いざ!

ああ、絶対見ますぅ。(T_T)