1945年7月。太平洋戦争での戦況が悪化する日本に対して、連合軍はポツダム宣言の受託を迫る。連日にわたって、降伏するか本土決戦に突き進むかを議論する閣議が開かれるが結論を一本化できずにいた。やがて広島、長崎に原爆が投下され、日本を取り巻く状況はさらに悪くなっていく。全国民一斉玉砕という案も取り沙汰される中、阿南惟幾陸軍大臣(役所広司)は決断に悩み、天皇陛下(本木雅弘)は国民を案じていた。そのころ、畑中健二少佐(松坂桃李)ら若手将校たちは終戦に反対するクーデターを画策していた。


゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆



8月中に見ようと思っていましたが、いろいろあって今日、10さんと観てきました。
感想は…難しいです。

高校の時、必修の日本史の他に選択の日本史を取っていました。
選択日本史は、昭和の大恐慌から終戦までを習いましたので、割とこの辺りは詳しい方だと思っています。

でも、難しいです。
テンポよく画面が切り替わっていくと、誰が誰だか一瞬わからなくなります。
けれど丁寧に描きすぎると間延びしてしまいます。

抗戦派と降伏派の堂々巡り。
陸軍と海軍の反目。
若手将校たちのクーデター。
そして天皇と鈴木貫太郎や阿南惟幾との間にある深い信頼。

当時の古いフィルムが出てきたかのように、セピアに暗い映像が説得力を持たせます。
挙措動作も非常に丁寧に当時を再現しています。
けれどもう少し、当時を知らない若い人(私を含む)にわかりやすいように整理できなかったかなあと思いました。
今日の観客の平均年齢は多分60歳以上。
若い人はいませんでした。

いい映画だと思えばこそ、もったいない気がします。

松坂桃李の演技に特に目をひかれました。
狂信的に光る眼といい、怒りのあまり額に太く浮き出た血管といい、演技を超えた何かを感じました。

鈴木貫太郎は2.26事件の時の侍従長で、その事件で5発の銃弾を受けています。
5発の銃弾を受けても死ななかったのだから…という台詞が何度か出てきます。

陸軍には皇道派と統制派という派閥があり、2.26事件で蜂起した皇道派はほぼ壊滅状態となり、その後は東条英機を中心とした統制派が主流となっていきます。
その統制派の若手将校たちが、今回のクーデターを起こしたわけですから、結局軍隊ってのはさ…と思ってしまいます。

若手将校というのは、戦局がここまで追いつめられていても前線に行くこともなくすんでいる、要するにいいところのお坊ちゃん育ちが多いわけです。
自分の理念を推し進めるためなら、2000人が特攻で死んだところでなんとも思わないのです。
そういう人たちが、武器を持ってそこにいるのです。

天皇のお言葉には狭義の意味と広義の意味がある。
言葉通りではなく、もう一つ大きな意味を捉えなければならないと、天皇の言葉すら自分たちの都合のいいように曲解して青年たちを鼓舞する東条英機の姿は、本当に怖いと思いました。

しかし、難しい映画ではありました。