シェンロン様にお暇を告げ、家路をたどるマッピー家。
あれ?
旅は続くんじゃないの?

道々何か面白そうなものがあれば、なおかつ人混みでなければ寄り道して、のんびり行きましょう、ということになったらしい。
車内はのんびりとは程遠いのですがね。

とにかく長男以外は喋る喋る。
世間的には『無口でおとなしい』で通っている私たち(多分次男は除く)ですが、家族だけの時はよくしゃべってよく笑います。
無敵の内弁慶集団と言えましょう。←それって強いのか?

札幌から当別経由で旭川をめざした行きとは道を変えて、帰りは美瑛・富良野経由になりました。
夏だったら混雑して大変な道なのですが、今は全く渋滞なしで進みます。
そもそも例年だったら雪が残っているかもしれない時期で、事前にゴールデンウィークの計画を綿密に立てている人ならば、絶対に取らないルートです。

「嵐の木」を見に行こうよ、せっかくだから。

数年前に嵐がCM撮影に使用した5本の落葉松の木が「嵐の木」として有名になりましたが、それが美瑛町にあるのです。
と言っても民家の私有地に生えている5本の木ですから、観光名所というわけではありません。
そっと道路から写真を撮らせていただきました。




落葉松(からまつ)は、針葉樹ですが冬は葉が落ちてしまいます。
夏にはもっと葉が茂って、力強い5本になっていると思います。


本日の読書:シカゴ育ち スチュアート・ダイベック

Amazonより
『7つの短篇と7つの掌篇が織りなす美しく力強い小説世界。シカゴに生まれ育ったダイベックは、ユーモアと愛惜を込めてこの古い湖岸の人間模様を描き出す。92年刊の再刊。』

14編の作品のうち、既読は「冬のショパン」のみ。

シカゴと言えば、シカゴピザとかシカゴマフィアとか、色々イメージはあろうと思いますが、私のイメージは、冬の寒さと雪。
映画やアメリカのドラマなどを見ていると、とにかく冬。
もこもこに着ぶくれた人たちが、身を縮めて歩くシーン。
歩くだけで遭難しそうなほどの雪。
野外のスケートリンクでデートする若者。

調べてみたら、北海道の函館と同じくらいの緯度なんですよね。
函館はそんなに寒くないし、雪も降らないし。
月別の平均気温は札幌と同じくらい。
でも、見た感じもっと寒くて雪が多そう。
勝手に岩見沢よりやや内陸寄りの地域をイメージしながら読みました。

あとはフレドリック・ブラウンのエド・ハンターシリーズ(「シカゴ・ブルース」など、シカゴを舞台にしたハードボイルド系ミステリ)を思い出し、そこそこの都会のはずなのにどうしてもうらぶれた感の拭えないシカゴの町を読みました。

“永遠とは、何かがあることではなく、ないことなのだ。”

生きているはずなのに、どこか存在感の希薄な、いや、存在感はあるのだが、現実感が希薄な、いや、それとも違うな。
何か違う次元に生きるような人々。
永遠の喪失を抱えながら。

現実はどうであれ、頑なに自分を守り生きていく姿。
どうしてそれが儚く感じられるのか。
哀しくも美しい詩のような文章。

寒くて縮こまった体の中にある、温かな気持ち。
繊細と同居する強か。
それは生まれ育った町が作り出したものなのか。

夏の暑さ、冬のとてつもない寒さ、風の強さ。
シカゴという街。
そこに生きる人々への思いが詰まった短篇集。

一番気に入ったのは、やはり「冬のショパン」