連絡は来ていませんが、娘が今日引っ越したはず。
明日不動産屋さんに引き渡して、夕方の飛行機で札幌へ。
明日から我が家も二人暮らしになります。
ということで、ブログジャンル「ひとり暮らし」を変更することにしました。
本当は「ウダウダブログ」にしたいところですが、統廃合の末消えてしまったジャンルです。
何にしようかな?
どれもこれもピンときません。
それもそのはず、確たるテーマといえば読書くらいしかないのですから。
映画でジャンルを確立できるほど観てはいないし、グルメじゃないし、癒し系じゃないし、働くママだけどなんか大分違う気がするし…。
とりあえずテキトーに決めてみました。
やっぱり違うなあと思ったら、「北海道・東北」にするかも。
それにしても各ジャンルの上位ランキングの方たちってすごい。
ほとんどジャンルと合ってないような人も含めてどうやって読者のハートを鷲掴みするんでしょう。
縁なのか、相性なのか。
不思議ですね。
明日から、気持ちを切り替えて二人暮らしの日々を楽しみますよ。
ケンカも仲良くね。
本日の読書:オールクリア 2 コニー・ウィリス
『第二次大戦下のイギリスで現地調査をするため、過去へとタイムトラベルしたオックスフォード大学の史学生三人―マイク、ポリー、メロピーは、未来に帰還するための降下点が使えないことを知り、べつの降下点を探そうとしていた。だが、新たな問題も発覚した。ポリーがすでに過去に来ていたため、その時点までに未来に帰還できないとたいへんなことになる。史学生が危機に陥ったときには救出しにくるはずのダンワージー教授、万一のときは助けにいくとポリーに約束したコリンは、はたしてやってくるのか…前作とともにヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞を受賞した二部作、ついに完結。』
空襲警報は解除され(オールクリア)、全ての謎が明らかになる。
第二次世界大戦下のロンドンで、それぞれの学問的課題を研究するために2060年のオックスフォードからやってきた3人の史学生。ポリー、アイリーン(メロピー)、マイク。
過去へのタイムトラベル。それは絶対に安全なはずであり、もしも危険なことが起こりそうになったら、または歴史を改ざんしてしまいそうになったら、すぐに2060年の世界へ戻されるはずだった。
だがしかし、何度も命を失いかねない危険な目に遭い、本当なら死んでいたのかもしれない人々の命を多数救ってしまう彼ら。
だからなのか?
2060年へ繋がるはずの降下点はどこもここも使用不可能であり、不具合があったときに現れる回収チームもやってこない。
誰かが歴史を変えてしまったのか?
20世紀の時代人としての生活を送りながら、なんとしても2060年の世界に戻るべく必死で手掛かりを求める3人。
ところが…!!!
というところで前作の「オールクリア1」は終わる。
そして、えええ~!!!
というところから「オールクリア2」は始まる。
1941年と1944年と1995年。
時間を変え、場所を変え、人を変えて入り乱れる数々の出来事の意味が、徐々にわかってくる。
そうするともう、読むことを止められない。
長い長い物語の中に張り巡らされていた伏線が次々に回収され、あるべき形に向かって収斂していく。
9.11をきっかけに、この物語を書くことにした作者。
どんなに絶望的な状況でも希望を失わないこと。
自分にできることの精一杯を尽くすこと。
本当に大切なもののためには自己犠牲を惜しまないこと。
別な長編作品「航路」の中で、何度も繰り返されるタイタニックの沈没を描くことにより、この覚悟のほどを書いた作者。
今回は、どうやっても脱出できない戦時下のロンドンという舞台を与えることで、登場人物たちの、極限状態の中でも失われることのない善き人間性というものを書いた。
イギリスの最終兵器といわれる、極悪なホドビン姉弟ですら、善き人間性を発揮するのだから。
何かひとつの出来事で、戦争に勝ったわけではない。
誰か一人の英雄の力で、戦争に勝ったわけではない。
歴史に名前の出てこない、一人一人の人たちの、毎日の精一杯の積み重ねが、歴史を作っていくのである。
ただ、そういった意味では、歴史の意味(?)、歴史の意志(?)、そこら辺の書き方に、ちょっと納得はいかなかったのだけど。
歴史が作られるのは時代と同時進行でも、歴史に意味を持たせるのはあとから人間がやっていることだと思うのね。
歴史自体はあくまで中立なんじゃないかと。私はそう思っているんです、ダンワージー先生。
イシカワ教授がタイムトラベルについて、どんな問題点を見つけ、どう解釈していたのか。それをもう少し書いてほしいと思った。
あまりに話が長くなりすぎて削った部分なのかもしれないけれど、今ひとつ、ずれの解釈がよくわからなかったので。
要所要所に出てくる、シェイクスピア劇の中の台詞。お芝居の台詞でありながら、生きた言葉として登場人物たちを支え、励まし、慰める。
そして何度も繰り返し出てくるアガサ・クリスティのミステリ。
彼女の作品の謎を解くのは容易なことではない。答えは最初から提示してあるのに、逆に解釈するように仕向けられる。答えはわかっているはずなのに、決して最後まで気づくことができない。
ポリーにとって、コリンは希望だった。コリンが希望だった。最初から。
う~わ~!!!
なんてスケールの大きな物語!
たくさんの、数え切れないほどたくさんの人たちの、抱えきれない思いの上に、今、私は生きているんだと思うと、世の中に無駄な行いというものは、何ひとつないと思うわ。
「ブラックアウト」「オールクリア1」「オールクリア2」
この、3冊合わせて1745ページの一連の作品の中で、特に気に入っているのが「ブラックアウト」に出てくる、空襲でショーウィンドウが粉々になてしまったデパートの貼り紙。
『散らかっていますが、遠慮なくどうぞ』
大人の国だよねえ。
それから作品とは関係ないんだけど、びっくりしたので覚書。
ポリーってメアリーの愛称なんですって。
ちなみにペギーはマーガレットの愛称とか。
どうしてMがPになるの?英語ってわからない。orz
明日不動産屋さんに引き渡して、夕方の飛行機で札幌へ。
明日から我が家も二人暮らしになります。
ということで、ブログジャンル「ひとり暮らし」を変更することにしました。
本当は「ウダウダブログ」にしたいところですが、統廃合の末消えてしまったジャンルです。
何にしようかな?
どれもこれもピンときません。
それもそのはず、確たるテーマといえば読書くらいしかないのですから。
映画でジャンルを確立できるほど観てはいないし、グルメじゃないし、癒し系じゃないし、働くママだけどなんか大分違う気がするし…。
とりあえずテキトーに決めてみました。
やっぱり違うなあと思ったら、「北海道・東北」にするかも。
それにしても各ジャンルの上位ランキングの方たちってすごい。
ほとんどジャンルと合ってないような人も含めてどうやって読者のハートを鷲掴みするんでしょう。
縁なのか、相性なのか。
不思議ですね。
明日から、気持ちを切り替えて二人暮らしの日々を楽しみますよ。
ケンカも仲良くね。
本日の読書:オールクリア 2 コニー・ウィリス
『第二次大戦下のイギリスで現地調査をするため、過去へとタイムトラベルしたオックスフォード大学の史学生三人―マイク、ポリー、メロピーは、未来に帰還するための降下点が使えないことを知り、べつの降下点を探そうとしていた。だが、新たな問題も発覚した。ポリーがすでに過去に来ていたため、その時点までに未来に帰還できないとたいへんなことになる。史学生が危機に陥ったときには救出しにくるはずのダンワージー教授、万一のときは助けにいくとポリーに約束したコリンは、はたしてやってくるのか…前作とともにヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞を受賞した二部作、ついに完結。』
空襲警報は解除され(オールクリア)、全ての謎が明らかになる。
第二次世界大戦下のロンドンで、それぞれの学問的課題を研究するために2060年のオックスフォードからやってきた3人の史学生。ポリー、アイリーン(メロピー)、マイク。
過去へのタイムトラベル。それは絶対に安全なはずであり、もしも危険なことが起こりそうになったら、または歴史を改ざんしてしまいそうになったら、すぐに2060年の世界へ戻されるはずだった。
だがしかし、何度も命を失いかねない危険な目に遭い、本当なら死んでいたのかもしれない人々の命を多数救ってしまう彼ら。
だからなのか?
2060年へ繋がるはずの降下点はどこもここも使用不可能であり、不具合があったときに現れる回収チームもやってこない。
誰かが歴史を変えてしまったのか?
20世紀の時代人としての生活を送りながら、なんとしても2060年の世界に戻るべく必死で手掛かりを求める3人。
ところが…!!!
というところで前作の「オールクリア1」は終わる。
そして、えええ~!!!
というところから「オールクリア2」は始まる。
1941年と1944年と1995年。
時間を変え、場所を変え、人を変えて入り乱れる数々の出来事の意味が、徐々にわかってくる。
そうするともう、読むことを止められない。
長い長い物語の中に張り巡らされていた伏線が次々に回収され、あるべき形に向かって収斂していく。
9.11をきっかけに、この物語を書くことにした作者。
どんなに絶望的な状況でも希望を失わないこと。
自分にできることの精一杯を尽くすこと。
本当に大切なもののためには自己犠牲を惜しまないこと。
別な長編作品「航路」の中で、何度も繰り返されるタイタニックの沈没を描くことにより、この覚悟のほどを書いた作者。
今回は、どうやっても脱出できない戦時下のロンドンという舞台を与えることで、登場人物たちの、極限状態の中でも失われることのない善き人間性というものを書いた。
イギリスの最終兵器といわれる、極悪なホドビン姉弟ですら、善き人間性を発揮するのだから。
何かひとつの出来事で、戦争に勝ったわけではない。
誰か一人の英雄の力で、戦争に勝ったわけではない。
歴史に名前の出てこない、一人一人の人たちの、毎日の精一杯の積み重ねが、歴史を作っていくのである。
ただ、そういった意味では、歴史の意味(?)、歴史の意志(?)、そこら辺の書き方に、ちょっと納得はいかなかったのだけど。
歴史が作られるのは時代と同時進行でも、歴史に意味を持たせるのはあとから人間がやっていることだと思うのね。
歴史自体はあくまで中立なんじゃないかと。私はそう思っているんです、ダンワージー先生。
イシカワ教授がタイムトラベルについて、どんな問題点を見つけ、どう解釈していたのか。それをもう少し書いてほしいと思った。
あまりに話が長くなりすぎて削った部分なのかもしれないけれど、今ひとつ、ずれの解釈がよくわからなかったので。
要所要所に出てくる、シェイクスピア劇の中の台詞。お芝居の台詞でありながら、生きた言葉として登場人物たちを支え、励まし、慰める。
そして何度も繰り返し出てくるアガサ・クリスティのミステリ。
彼女の作品の謎を解くのは容易なことではない。答えは最初から提示してあるのに、逆に解釈するように仕向けられる。答えはわかっているはずなのに、決して最後まで気づくことができない。
ポリーにとって、コリンは希望だった。コリンが希望だった。最初から。
う~わ~!!!
なんてスケールの大きな物語!
たくさんの、数え切れないほどたくさんの人たちの、抱えきれない思いの上に、今、私は生きているんだと思うと、世の中に無駄な行いというものは、何ひとつないと思うわ。
「ブラックアウト」「オールクリア1」「オールクリア2」
この、3冊合わせて1745ページの一連の作品の中で、特に気に入っているのが「ブラックアウト」に出てくる、空襲でショーウィンドウが粉々になてしまったデパートの貼り紙。
『散らかっていますが、遠慮なくどうぞ』
大人の国だよねえ。
それから作品とは関係ないんだけど、びっくりしたので覚書。
ポリーってメアリーの愛称なんですって。
ちなみにペギーはマーガレットの愛称とか。
どうしてMがPになるの?英語ってわからない。orz