2~3日前にメールが来ていたのですが、「ふ~ん」と流していました。
そしたら先ほど電話が来ました。
契約しているWi-Fiの新機種が出たので、今新機種に契約しなおすとお得ですというご案内。
使えるものは使い倒すが信条の私は、ちょっとくらいのお得では乗り換えないのです。

「数日前にメールさせていただきました件でお電話しました。今、新機種に契約していただきますと、一年間は今まで通りの月額使用料となります。」
ん?つまり、新機種に移行したら月額使用料は上がるんですね。

「いえ。ですから、本来は月額使用料が変更になるところを、今、お電話で契約変更のお手続きをしていただくと、一年間は今まで通りの金額、そのあとも多少お安くご利用いただけます。」
でも、最終的には値上げのようなものですよね。

「いえ。新機種に変更していただくと接続のスピードもぐんと早くなりますが、逆にその分今までの機種の接続スピードが今までの1/3になります。」
ん?頭が悪いので、ちょっとよくわかりません。
新機種だと今までより早くなって、今まで通りだとスピードが遅くなるんですね。

「はい。今までの1/3のスピードになってしまいます。」
3倍のスピードは何となくわかるような気がしますが、1/3のスピードってよくわからないです。大体何年くらい前のスピードなんですか?

「はい?」
普通徐々にスピードアップされていきますよね?

「はい。」
で、ここにきて1/3のスピードっていうのは、大体何年前のスピードに戻ったんでしょうか?

「こちらは契約の窓口なので、速さをお知りになりたいのであればカスタマーセンターに電話して下さい。」
数字としての速さを知りたいわけではないんです。契約するにしてもしないにしても、どの程度のスピードかわからないと判断できないですよね。

「…。
 …。
 …。こちらで調べて、折り返しでお電話差し上げます。」
あ、お願いします。

心の中で「ち…。」と言ったのが聞こえたような気がしました。
軽~く態度が変わったので、これはむっとしているなあとは思ったのです。
思ったのですが、折り返しの電話が来ないまますでに2時間。
これは契約しなくていいということで、よござんすね。



本日の読書:光車よ、まわれ! 天沢退二郎

Amazonより
『ある雨の朝、登校した一郎は、クラスの様子が、周囲がいつもと違うことに気づく。迫り来る闇の力に、一郎は神秘的な美少女、龍子たちと共に立ち向かう。「光車」とは何か?一郎たちは闇の力を無事に打ち倒すことができるのか?傑作ファンタジー復刊。』

読み始めて割とすぐに「むむむ…。この雰囲気は…!」と思いました。
昔NHKで夕方にやっていた「なぞの転校生」とか「未来からの挑戦」とかなんとか、その辺りの匂いがプンプンするのです。
それもそのはず、この作品は1973年に発表されたもので、ちょうどそれらのドラマが放送されていた頃でもあるのでした。

ほんの些細な異変がじわじわと自分を追い詰める。理由はわからない。
ちょっとクラスメイトの様子が変だっただけなのに。
追われる理由はよくわからないが、とにかく捕まってはいけないことはわかる。
助けてくれる味方はできたけれども。

悪夢のように理不尽。
だって、追っ手の正体も目的も全然わからない。
助けてくれたクラスメートの龍子たちと力を合わせて追っ手に対抗するのだが、一連の不可解な出来事の意味も、龍子に言われて探している光車がなにをするものなのかもわからない。

いつもと同じように見えている6年2組だが、もう教室は安全な場所ではない。
一郎や龍子たちの仲間。
水を住処にしている黒子を遣う宮本、武田、斎藤達。
緑衣隊を遣う吉川。
何も異変に気づかない多くの児童たち。

本当にページを繰る手が止まらない。
次はどうする?敵はどうくる?そしてどうなる?
そもそも敵はこの世界をどうしたいというのか?
町をも巻き込んだ大きな事件になっても、まだ、何が起こっているのかわからない。
龍子は何かを知っていそうだが、彼女は何も語らない。
どうも龍子のおじいちゃんが事態のカギを握っているようなのだが。

最後まで読んでも何が起こっていたのか、実はよくわからない。
一郎たちの闘いは、善と悪の闘いではなかったようだ。
そしてそれは、時間となんらかの関係があるようである。

簡単に子どもたちが犠牲になって殺される。
突き放したような作者の筆が、結局一郎たちを勝利に導かないのではないかとドキドキしながら読み進む。
結果はどうであったか。それはもちろん書けないけれど、ハッピーエンドともバッドエンドとも言えない、何とも言えない感じ。
何よりも謎は解けていない。

事件のあとの子どもたちは、真っ当に大人になれるのだろうか。
何か心に傷を負ってはいないのか。
読み終わってもドキドキは続く。