晩ご飯用のお米を研がずに出勤してしまったので、急いで家に帰ってお米を研ぎました。
その勢いでちゃちゃっとおかずも作り、さてブログを見ようと思ったら不具合が発生していたんですね。
ぽっかりと時間が空いてしまいました。
昨日は本屋で買い物をする予定だったので、後輩に貸していたマンガを返してもらったのに持ち帰れず。
今日は12冊のマンガを抱えて急いで帰ってきたんですよ。
で、暇と。
30分くらいの暇な時間って、皆さんどうやって過ごすのでしょう?
私はやっぱり読書でした。
だってほかに考えつかないもの。
本当に皆さん、どうやって過ごすものなのかしら?
なんとかマイページには行けるようになりましたが、まだちょっと復旧しきれていないようなので、保険をかけてメモ帳からのコピペで書いてみましたが、無事にアップできるかな?
職場も自宅も不具合が多発していて、なんか効率の悪い日々。
本日の読書:悪人 吉田修一
Amazonより
『保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。彼と出会ったもう一人の女。加害者と被害者、それぞれの家族たち。群像劇は、逃亡劇から純愛劇へ。なぜ、事件は起きたのか?なぜ、二人は逃げ続けるのか?そして、悪人とはいったい誰なのか。』
「悪いひとなんかいない。淋しい人がいるだけなんだ。」
この本を読み終わったときに思ったのは、どうしても出典が思い出せないこのセリフ。
福岡県と佐賀県の県境の峠で殺された、保険外交員の佳乃。
ここではないどこかへ連れていってくれる人を探して、現実が見えていない。
出会い系で佳乃と出会った祐一。
親に捨てられ祖父母に育てられ、車以外なんの夢も興味も持たなかった。
出会い系で祐一と出会った光代。
双子の妹と暮らす家と、職場を往復するだけの毎日。
佳乃をナンパしたきり忘れていた増尾。
マンションの最上階に住み、面白おかしく毎日を過ごす大学生。
「悪人」とはいったい誰のことなのか。
わかりやすい悪人は佳乃であり、増尾だろう。
自分より下の人間を平気で見下し、踏みつける。
人の痛みを知ろうとしない傲慢さ。
でも佳乃は、多分あと2~3年もしたら現実に戻ってきたのではないかと思う、
虚栄心は残るだろうけど、あんなに狂おしいほどの上昇志向は治まったのではないだろうか。
親元を離れて都会に出て、ちょっとちやほやされたくて、でも思うほど華やかな暮らしはできず、少し焦ったのだろう。
何かに負けたくなかったんだろう。
本当はごくごく普通の女の子だったはずだ。
増尾は苦労知らずのお坊ちゃんで、友だちグループのトップに君臨して何の問題もないように見える。
だけど逃亡生活に脅えていたとき、誰にも相談ができなかった。
親にも友だちにも、誰にも。
本当に誰かを必要としていたときに誰もいない孤独。
もちろん祐一も光代も悪い、ことをしている。
悪い、自分を自覚はしているが。
だけどきっと、後悔はしていない。
なら、彼らだって悪い、人になるのだろう。
だけどやっぱり圧倒的に、寂しいんだよ、彼らは。
“寂しさというのは、自分の話を誰かに聞いてもらいたいと切望する気持ちなのかもしれないと祐一は思う。これまでは誰かに伝えたい自分の話などなかったのだ。でも、今の自分にはそれがあった。伝える誰かに出会いたかった。”
祖父母は祖父母なりに祐一を愛していたと思うのだ。
けれど老いてきた二人は祐一に甘えた。
祐一は優し過ぎる。相手の気持ちを慮って行動する祐一の想いは、誰にも伝わらない。
“祐一って、本当に昔からそういうところがあるんですよ。起承転結の起と結しかないっていうか、承と転は自分勝手に考えるだけで、その考えたことを相手に告げもせん。自分の中では筋道が通っとるのかもしれんけど、相手には伝わらんですよ。”
佳乃も光代も親に大事に育てられて大人になったと思うのだけど、どうしてか心のどこかがうつろなんだよなあ。
自分のことも、周囲の人のこともきっと好きではなくて、好きではない部分がどんどん空洞化していくような。
佳乃の父は言う。
“今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎったい。大切な人がおらん人間は、何でもできると思い込む。自分には失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気になっとる。失うものもなければ、欲しいものもない。だけんやろ、自分を余裕のある人間っち思い込んで、失ったり、欲しがったり一喜一憂する人間を、馬鹿にした目で眺めとる。そうじゃなかとよ。本当はそれじゃ駄目とよ」”
いつどこで、家族の愛情が届かなくなってしまったのか。
最後の彼の行動は、彼の優しさなのか、本人の言う通り計算なのか。
私は優しさだと思ったけど。
“一人の人間がこの世からおらんようになるってことは、ピラミッドの頂点の石がなくなるんじゃなくて、底辺の石が一個無くなることなんやなぁって。”
そう思える彼が、計算で逃げたとは思えない。
いつか彼女に伝わるといいと思う。
彼らの父がとった行動、祖母の見せた勇気。
届いただろうか。遅すぎたのか。
命だけは、取り返しがつかない。
その勢いでちゃちゃっとおかずも作り、さてブログを見ようと思ったら不具合が発生していたんですね。
ぽっかりと時間が空いてしまいました。
昨日は本屋で買い物をする予定だったので、後輩に貸していたマンガを返してもらったのに持ち帰れず。
今日は12冊のマンガを抱えて急いで帰ってきたんですよ。
で、暇と。
30分くらいの暇な時間って、皆さんどうやって過ごすのでしょう?
私はやっぱり読書でした。
だってほかに考えつかないもの。
本当に皆さん、どうやって過ごすものなのかしら?
なんとかマイページには行けるようになりましたが、まだちょっと復旧しきれていないようなので、保険をかけてメモ帳からのコピペで書いてみましたが、無事にアップできるかな?
職場も自宅も不具合が多発していて、なんか効率の悪い日々。
本日の読書:悪人 吉田修一
Amazonより
『保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。彼と出会ったもう一人の女。加害者と被害者、それぞれの家族たち。群像劇は、逃亡劇から純愛劇へ。なぜ、事件は起きたのか?なぜ、二人は逃げ続けるのか?そして、悪人とはいったい誰なのか。』
「悪いひとなんかいない。淋しい人がいるだけなんだ。」
この本を読み終わったときに思ったのは、どうしても出典が思い出せないこのセリフ。
福岡県と佐賀県の県境の峠で殺された、保険外交員の佳乃。
ここではないどこかへ連れていってくれる人を探して、現実が見えていない。
出会い系で佳乃と出会った祐一。
親に捨てられ祖父母に育てられ、車以外なんの夢も興味も持たなかった。
出会い系で祐一と出会った光代。
双子の妹と暮らす家と、職場を往復するだけの毎日。
佳乃をナンパしたきり忘れていた増尾。
マンションの最上階に住み、面白おかしく毎日を過ごす大学生。
「悪人」とはいったい誰のことなのか。
わかりやすい悪人は佳乃であり、増尾だろう。
自分より下の人間を平気で見下し、踏みつける。
人の痛みを知ろうとしない傲慢さ。
でも佳乃は、多分あと2~3年もしたら現実に戻ってきたのではないかと思う、
虚栄心は残るだろうけど、あんなに狂おしいほどの上昇志向は治まったのではないだろうか。
親元を離れて都会に出て、ちょっとちやほやされたくて、でも思うほど華やかな暮らしはできず、少し焦ったのだろう。
何かに負けたくなかったんだろう。
本当はごくごく普通の女の子だったはずだ。
増尾は苦労知らずのお坊ちゃんで、友だちグループのトップに君臨して何の問題もないように見える。
だけど逃亡生活に脅えていたとき、誰にも相談ができなかった。
親にも友だちにも、誰にも。
本当に誰かを必要としていたときに誰もいない孤独。
もちろん祐一も光代も悪い、ことをしている。
悪い、自分を自覚はしているが。
だけどきっと、後悔はしていない。
なら、彼らだって悪い、人になるのだろう。
だけどやっぱり圧倒的に、寂しいんだよ、彼らは。
“寂しさというのは、自分の話を誰かに聞いてもらいたいと切望する気持ちなのかもしれないと祐一は思う。これまでは誰かに伝えたい自分の話などなかったのだ。でも、今の自分にはそれがあった。伝える誰かに出会いたかった。”
祖父母は祖父母なりに祐一を愛していたと思うのだ。
けれど老いてきた二人は祐一に甘えた。
祐一は優し過ぎる。相手の気持ちを慮って行動する祐一の想いは、誰にも伝わらない。
“祐一って、本当に昔からそういうところがあるんですよ。起承転結の起と結しかないっていうか、承と転は自分勝手に考えるだけで、その考えたことを相手に告げもせん。自分の中では筋道が通っとるのかもしれんけど、相手には伝わらんですよ。”
佳乃も光代も親に大事に育てられて大人になったと思うのだけど、どうしてか心のどこかがうつろなんだよなあ。
自分のことも、周囲の人のこともきっと好きではなくて、好きではない部分がどんどん空洞化していくような。
佳乃の父は言う。
“今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎったい。大切な人がおらん人間は、何でもできると思い込む。自分には失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気になっとる。失うものもなければ、欲しいものもない。だけんやろ、自分を余裕のある人間っち思い込んで、失ったり、欲しがったり一喜一憂する人間を、馬鹿にした目で眺めとる。そうじゃなかとよ。本当はそれじゃ駄目とよ」”
いつどこで、家族の愛情が届かなくなってしまったのか。
最後の彼の行動は、彼の優しさなのか、本人の言う通り計算なのか。
私は優しさだと思ったけど。
“一人の人間がこの世からおらんようになるってことは、ピラミッドの頂点の石がなくなるんじゃなくて、底辺の石が一個無くなることなんやなぁって。”
そう思える彼が、計算で逃げたとは思えない。
いつか彼女に伝わるといいと思う。
彼らの父がとった行動、祖母の見せた勇気。
届いただろうか。遅すぎたのか。
命だけは、取り返しがつかない。