今年は映画を随分観ました。
その中で、面白かった映画や印象深かった映画を振り返ってみたいと思います。

舞台で「十二人の怒れる男」を観たのがきっかけで、映画も観ました。
最初にアメリカで作られたもの、アメリカでリメイクされたもの、ロシアで作られたもの、3作あります。
私は最初の作品が好きですが、ロシア版はまた別の面白さがありました。
これは事件そのものよりも、ロシアという国の面白さであり問題点でもある部分を、真正面か表現したうえで、陪審員制度の可能性を見せたものだと思います。

マンガ「DEATH NOTE」にハマってしまい、映画のシリーズも全部観ました。
マンガから派生した映画でしたが、最終的には別の地平に着地しましたね。
最初は違和感を感じながら見ていたのに、気がついたらすっかり夢中になっていました。
なんにしても、のめり込みやすいんですね。

大笑いしながら見たのは「超高速!参勤交代」と「西遊記 はじまりのはじまり」
DVDで見た、「テルマエ・ロマエ」です。
どれも、本人が一生懸命真面目にやっていることが、どんどん笑いのツボに入ってくるんです。
シチュエーション・コメディというか、そういうのが私は好きなんだなあ。しみじみ。

しみじみと言えば、特にドラマチックではないのにしみじみ好きだと感じる映画も多くありました。
映画館で観た「小野寺の弟・小野寺の姉」
DVDで観た「奇跡のシンフォニー」「小説家を見つけたら」「トイレット」「阪急電車」「最強のふたり」など。
人との触れ合いが苦手な人たちが、ぎこちなくも徐々に信頼し合う姿。
腹黒いことで有名なこの私が、なぜかこのような映画にやられてしまうのです。

今年は10作以上映画館で鑑賞しましたが、一番心に残っているのは、やはり「永遠の0」です。
内容よりも作者の言動の方が注目されてしまい、いろんな方たちからバッシングされた作品ですが、私は素直に感動しました。
生き延びて家族と暮らしたい。これは人として当たり前の感情です。
当時の人がそのようなことを口にしたかどうかはさておき、全く思わなかったということはないでしょう。
ただ、「死をもって国を(家族を)守る」という思想が声高に叫ばれ、それ以外の考え方は許されないこととされてしまった。

そういうことの是非、責任の所在を考える機会を与えてくれた映画という側面ももちろんありますが、単純に私は「生きて帰る」という強い心に、圧倒されました。
それを美談とする人もいるでしょう。
生きて帰るために、もっと強くならなければという人も。
私は、死なせない世の中を、と思いました。

観終ってしばらくするといろいろと思うことも出てきたのですが、鑑賞直後はとにかく「生きて帰る」ことを願い、そしてかなわなかった多くの人たちの無念を、あの映画から受け取りました。

さて、今年のベスト1は、DVDで観た「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」です。

これは9.11で父親を亡くした少年の物語です。
最後の瞬間に父が電話の先で少年を呼んでいたのに、足がすくんで電話に出ることができなかったことから、自分を責めて泣くこともできず、ひたすら父が自分に残したと思われるメッセージを探し続けます。

突然家族や大切な人を失うことになってしまった人たちの喪失感、とまどい、後悔や自責の念が痛いほど伝わってきて、9.11をこういう切り取り方をするのかと思いました。
それと同時に、自閉症である子どもが成長し自立していくために、両親や祖父母、周りの大人たちがヒントを与え、簡単に手を出すのではなく、しかし目を離さない、その距離を保ち続けることの困難を思い、胸がつぶれる思いがしました。

他の人には些細なことも、オスカーは怖くてできません。橋を渡ること、公共の乗り物に乗ること、ブランコに乗ることなど。
メッセージを探し続けることによって、オスカーは少しずつ強くなっていきます。

泣いて、父の死をようやく受け入れられるようになり、お世話になった人たちにお礼状を書き、そして…と、一歩ずつ成長していくオスカーの姿を観たくて、このDVD何回も借りました。
そのくらい好き。
これからもきっと、何度も観ると思います。

来年も、よい映画にたくさん巡り会えますように。
今日観ることができなかった「バンクーバーの朝日」にも、どこかで会えますように。