孤児院で育ったエヴァン(フレディ・ハイモア)には豊かな音楽の才能が備わっていた。ある晩、エヴァンは不思議な音を追い、施設からマンハッタンへと導かれる。さまざまな出会いにより、エヴァンの音楽の才能は開花。同じころ、離ればなれとなっていた両親も、それぞれの思いを胸にニューヨークへと赴いていた。



゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆




よかったです。この映画。

ストーリーは単純なんです。
孤児院で育った少年が、両親に会いたいと願い、会うために歩き出す。それだけ。

ニューヨークでロックバンドをやっていた父と新進のチェリストだった母。
二人はひとめで恋に落ちそして引き裂かれてしまうのです。
たった一晩の恋。

失意の父はバンドをやめサンフランシスコへ。
母は交通事故に遭い、赤ちゃんはだめだったと言われる。
演奏家としてのキャリアを捨て、音楽教師としてシカゴで暮らす。

主人公のエヴァンは、両親に会うために孤児院を抜け出し、音楽が導くままにニューヨークへ。
エヴァンはちゃんとした音楽を習ったことはありません。
けれど、自分の周囲の音から音楽を聞き取ることができます。

ニューヨークに着いて、公園でギターを弾いてお金を稼いでいる少年に出会い、彼のような少年少女を抱えて金儲けをしている男ウィザードに音楽の才能を見出され、路上でギターを弾き始めます。
自分の音楽を大勢の人に聞いてもらうことによって、両親に自分を見つけてもらいたいのです。

しかし、この段階ではまだ両親は彼の存在を知りませんし、ニューヨークにもいません。
それが何かに導かれるように音楽を取り戻し、そして…。

ニアミスがあったり、そうと知らずにセッションしたりと観客をやきもきさせますが、なんといても素晴らしいのが音楽のシーンです。
音楽自体も素晴らしいのですが、音楽を心から楽しむ姿、音楽を奏でる歓びに満ちた表情がなんと言っても圧巻です。

そしてエヴァンは、身元不明の天才少年としてジュリアード音楽院主催のコンサートで、自分が作曲した曲を指揮します。
学生のためのコンサートとはいえ、野外で立ち見のクラシックコンサートに大勢の聴衆が集まるところに、ニューヨークという街の音楽への懐の深さがうかがえます。

公園でギターを弾いているときの軽やかな動き。
教会のパイプオルガンを弾いているときに溢れ出す光。
エヴァンは音からだけではなく、色や光、風や匂いなど、全てのものから音楽を感じていることがわかります。

両腕を拡げて全身で音楽を感じたいときに、お勧めの映画です。