内容:仕事をバリバリこなすサラリーマンの夫、通称ツレ(堺雅人)が、ある日突然、心因性うつ病だと診断される。結婚5年目でありながら、ツレの変化にまったく気付かなかった妻・晴子(宮崎あおい)は、妻としての自分を反省する一方、うつ病の原因が会社にあったことからツレに退職を迫る。会社を辞めたツレは徐々に体調を回復させていくが……。

原作の漫画を読んでいたので、ずーっと気になっていた作品。

宮崎あおいがイメージ通りで、ほっこりと温かくツレさんの様子を見守っているところと、自分が仕事に追われているとき無意識にツレさんを邪険に扱ってしまうところとのギャップとか、とてもよかったです。
堺雅人も、時々「うーんちょっとイメージと違う」というところもありましたが、ふっとした表情やぼそぼそしゃべる感じがやっぱりうまいなあと思いました。

私がうつになったときはあまり自己否定感はなくて、とにかく職場に行けなかったの。
頑張って頑張って職場の前に行っても、涙が止まらなくてそのまま家に帰ったりして。
ということは、自分が行ったってしょうがないと自分を否定していたのかもしれないけど。

会社にうつの原因があるから退職した、といっても、それでうつが治るわけではないので。
几帳面だったツレさんが、何にもできなくなり、寝てばっかりいて、見ている晴子のほうもつらいのだけど笑顔で対応して。
治るのに時間がかかるけど、いつかは治る。必ず治るから。

とにかく心の神経が過敏で、ちょっとしたしぐさや表情や言葉に簡単に傷ついてしまうから、実は笑顔で対応すること自体がとても大変だと思うのだけど、スケッチブックに心配事を描く眉間にしわを寄せた表情とツレさんへの優しい顔。
宮崎あおいは、いい意味での良い妻の役をやらせると本当にうまい。
ツンデレ、甘え、慈しみ。そんな表情が。

内容の重さに反して、のほほんとしたシーンが多かったのもよかったと思います。
だからこそ、「ツレがうつになりまして。仕事ください!」が効いてくるのだと思います。
そしてその後の自殺未遂のシーンまで。
「晴さんまで気張っちゃだめだ」と、どきどきしましたもの。

ツレさんの、うつを抱えて暮らしていくためのモットー「あ・と・で」
あ 焦らない 焦らせない
と 特別扱いはしない
で できることとできないことを見分ける

全くそうですね。

誰もがかかるかもしれない病気。
だけどこじらせると大変なことになる病気。
だから心の風邪といわれるのです。
再発率も高いし。

そういうことを、もし周りの人がうつになったらわかってあげて。
どう接していいのかわからないときは、この映画を観てみて。
梅沢富美男がまた、いいんだ。