昨夜、ふと気が付くと
寝室の網戸にマイマイガが張り付いていた

自分の身は自分で守るのが一人前の大人であると
世間はそう評価するのだと
そんな言葉を思い出し

自分の身を守るために
火をつけた蚊取り線香を入れたブタさんを
窓のそばに置いたのだ

そんな大した威力はないだろう
とりあえず相手が逃げてくれればいい
自分の身を守るために置いたのだ

朝、やはりマイマイガはそこにいた

明るくなって少し強気になった私は
網戸をどんと叩いてみた

マイマイガはぼとりと落ちた

殺すつもりはなかった
自分の身を守るためにやったことだ
殺すつもりはなかった
向こうが出てさえ来なければ
殺すつもりはなかった

蚊の屍は見えないだけで
毎日たくさんの命を奪っている私