先月から続いている出張キャラバンも、私に関してはこれで終了。
稚内から無事に札幌に帰ってきて、やれやれです。
そしてさっそく、大通公園のビアガーデンに行きませんかの誘いが…。

「今日は大荷物なので、ごめんなさい。」
荷物職場において帰って、明日持って帰ればいいじゃないですか。
「いやいや、洗濯ものが腐るので、今日持って帰りますよ。」
今日は、師匠も飲みに来ますよ。師匠が来るならマッピーさんも来るでしょ?
「あ…。すごく行きたいかも。でも今日は帰ります。師匠によろしく~。」
お、もちろん行くべ?
「たまには家に帰してくれ!」

週末はハイキング登山に有志で行くのだそうです。
突然アクティブだな、うちの職場。
お、もちろん行く…。
「ことわる!」

家に帰ると宅急便が届いていました。
長男から。誕生日プレゼントです。
ありがとう。

首枕は旅行の時までお楽しみにとっておきますが、パズルは休みの日にコツコツやってみようと思っています。
でも、なんか難しそうなんですよね。
ねじ締めすぎると壊れるから気をつけろって書いてあるし。

それにしても25歳の息子から母への誕生日プレゼントがシャアザク。^m^
なんて好い選択なんだ。
息子よ、グッジョブ。(o^-')b
嬉しいぞ。


本日の読書:天地明察 下 冲方丁

カバー裏より
『「この国の老いた暦を斬ってくれぬか」会津藩藩主にして将軍家綱の後見人、保科正之から春海に告げられた重き言葉。武家と公家、士と農、そして天と地を強靭な絆で結ぶこの改暦事業は、文治国家として日本が変革を遂げる象徴でもあった。改暦の「総大将」に任じられた春海だが、ここから想像を絶する苦闘の道が始まることになる―。碁打ちにして暦法家・渋川春海の20年に亘る奮闘・挫折・喜び、そして恋!!』

最後の山場が映画と小説では少し違っていた。
映画はやはり観て派手な場面を持ってきていたのだけど、小説は、もともと碁打ちであった春海の勝負の仕方が非常に面白く、納得のいくものであり、とても爽快。

本因坊道策や関孝和のような、たった一人でその道を切り開いていく天才とは違う渋川春海という男。
でも、民生に尽力した改革派の保科正之からも武士の矜持を大切にした保守派の大老酒井忠清からも人物を認められ、幕府に忠誠を誓う保科正之からも朝廷大事の水戸光圀からも才能を期待される渋川春海は、やはり只者ではないと思う。

改暦事業というのは、庶民の生活に深いかかわりを持つ暦の販売がどれだけの富を作るのかということを考えると、ものすごい金のなる木なのである。

なのに春海自身も、幕府の重鎮も、独占しようとは考えないんだよね。
まず富が集中しないことを考える。
だって富が集中しちゃうと、持たないものが追いつめられて、謀叛や反乱や…とにかく平和じゃない世の中に逆戻りしちゃうから。
朝廷の権威を貶めないように気を使う。幕府がひとり勝ちしないように。
もちろん実際には、幕府が儲けるんですが。
でも、朝廷に花をもたせるんです。権威は朝廷にあるんですよって。
今の政治家のように儲けも花も独り占めなんて品のないことはしないのです

その政治のバランスゲームのために、春海は表面的には孤立無援になるんですよ。
幕府のひも付きだと思われたら、朝廷との関係がまずくなるので。
しかし、ただ一人の碁打ちとしての春海には、なんの権威も権限もないわけで。
それで、春海はあちこちに布石を打つのです。
いつか、自分の有利になるように動いてもらうための布石。
長い目で世の中を見なければわからないその布石が、終盤次々に生きてくるそのさまが、実によいのです。

私は碁はわからないので、どうもイメージがオセロになってしまって、自分で可笑しかったですが。
碁石はひっくり返してもいろ変わらないのにね。
オセロのように状況が自分有利に変わっていく、その手際の良さを堪能しました。

ちなみに保科正之は、私的には上司にしたい人ベスト3に大抵入れているくらい、尊敬できる人物であります。
2代将軍秀忠の隠し子ですが、とにかく幕府のために生きて働いてきた人です。
幕府のため=庶民の暮らしをよくすること
初代会津藩藩主で、会津藩が幕末までずっと佐幕だったのは、保科正之の遺命のためなのです。

歴史ってすごい。