霧矢大夢から龍真咲へ | もやブロ

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一番腕が良くて、
一番真剣で、
一番人間的で、
最も認められていいはずの男なのに

組公演(きりまり退団公演)のエドワード8世・ミスティーステーションを観劇してきました。
千秋楽の三日前、最後の夜公演。チケット完売で全ての立ち見席も埋まり、たいへん熱気を感じる客席でした。



王位を捨てて、愛を選んだ英国皇太子エドワード8世(デイビッド)と妻ウォリスとの大人の恋愛劇。落ち着いた舞台に定評のあるきりやん向きの話でしょう。

自由な言動を制約される皇族の生きにくさ。それに耐え兼ねて、挑戦的とも言える突飛な行動をしでかす。キングジョージをはじめとする周囲の人々をあたふたさせます。
しかし、国民の人気を得ているという。

きりやんは、このデイビッドのような男役人生を歩んできたのかもしれません。
タカラジェンヌ、とくにスターには様々な制約が付いてきます。自由な発言や行動は、じぶん一人でなく、タカラジェンヌ全体にふりかかってしまいます。
きりやんほどの実力があれば、色々な方面に挑戦できたかもしれません。でも、制約があるなか、精一杯に自分を出してくれたように思います。ほんとうにスターのかがみですね。


そして、この芝居でソ連のスパイ(というのは、あまりストーリーに影響してないのですが)役「バージェス」を演じたのが、次期月組トップスター龍真咲。
歌、芝居、ダンスともに一流のきりやんとまさおを比較 なあんて、そんな無粋なことはいたしません。

まさおの演じたバージェスは、狂言回しも兼ねています。
そこで気づきました。
「スターの声」だなー、と。

きりやんの歌声やセリフの声は、「主役声」だと思います。
アニメ声優で言えば、正義の味方の声ですね。
まったくもって、きりやんはトップスターになるために生まれてきたようです。

で、バージェス・まさおの声ですが、舞台のなかで「紛れない声」だと感じました。
紛れないというのは、声質だけではないプラスアルファが大きいと思います。それがスターの特質のようなものかもしれません。美声でも舞台に紛れてしまう声では、主役を演じるスターとしてはマイナスでしょう。(姿の見えない袖からの登場などの場面では特に)

龍真咲。美形の男役です。
力強さにやや欠けますが、逆に役を選ばない・外さない、ように思います。

きりやんという類まれなトップスターを間近で見てきたまさおが、その経験を活かして、自身がトップになったことをきっかけに、一皮むけるのではないかと期待しています。

まさおの「紛れない声」は、トップスターにとってかけがえのないモノのはずです。
このところ、芝居のほうもだいぶよくなっていますから、プレッシャーにうちかって、雑音を打ち消して(まさおくん、つまらん雑音は気にするなよ)新たな月組を引っ張っていってくれるでしょう