帰ってきた船外機 | 太公望が魚を求めて海へ山へ

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- たぬき丸の釣行記 -

 

 

 

 

とうとう私の船外機が雅ファクトリーさんから帰ってきました。

 

 

 

雅ファクトリー・ブログ

(ブログ内のゲストブックに連絡先やメールアドレスがあります)

 

 

 

去年の春先に中古で買ったトーハツ2st9.8馬力が・・・・

 

約21年前に製造された くたびれた船外機が・・・・

 

オーバーホールを行い、エンジンブロックのWPC加工や雅ファクトリーさんの職人技によりパワーアップして帰って来ました!!

・・・・来週発送しますの連絡から更に1周間遅れて(笑)

 

ちなみにこの記事の内容は1週間前の3連休の土曜の午後に仕事から帰ってきてやったものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トーハツ 2st 9.8馬力 フルチューン

雅Factoryエディションです!!

 

 

私の船外機の場合は最終的に約13万5千円でオーバーホールとフルチューンが出来ました。

古い船外機だけあって意外と交換部品のお金がかかりました。

サーモや各部ベアリング等の交換がなければ1万円くらい安かったと思います。

去年の11月末に送ったので、正月休みを挟んで約2ヶ月で完成しました。

 

 

帰ってきた船外機は も~「素晴らしい」の一言です!!

 

何より凄いのは違法なパーツは一切使っていない事です。

全て純正部品なんです!

 

そりゃ~9.8馬力に15馬力のキャブを付けてペラのピッチを替えたら速度やパワーが上がったなんてのは当たり前ですが、完全にアウト!違法改造です。

しかし雅ファクトリーさんは元々付いている純正部品にWPC加工(金属表面を固くする)を施したり、独自の職人技でパーツを加工して船外機に付いている複数のピストンの重量を全く同じにしてバランスを取ったり、シリンダーホーニング加工など 書ききれない程の様々な加工をしています。

しかも、あくまでも純正部品の精度を上げる加工により効率を上げて、船外機が本来持っている力を最大限引き出しているだけなので、違法部品などの使用は一切ありません。

 

コレも違法かどうかと言われると正直なんとも言えません・・・

確かに元の状態よりは馬力が上がっていますが、かと言って部品を変えている訳でもありませんし、元々付いている純正部品を磨き上げて精度を上げただけですし・・・・

検査用の機械を使って馬力測定をすればハッキリするのでしょうが、そこまでの話になると世の中に出回っている船外機を検査した時に恐らく殆どの船外機が良くも悪くも引っかかってきます。

私の使っていたヤマハ2st8馬力も実際には7馬力程度しか出ていないそうなので、「機械で正確に測定した時に6.5~7馬力相当だったから、メーカーは8馬力で登録して販売していて、付いているのが8馬力の部品でも測定結果が6.5~7馬力しか出ていないから登録も7馬力になるのか?」と言うと現実には「実際に測定すると6.5馬力~7馬力程度の出力しか無いが8馬力は8馬力!」となります。

ならば逆に8馬力の部品をバラして研磨して精度を上げて、結果として燃焼効率が上がって9馬力相当の力が出たとしても、実際登録する際には8馬力は8馬力となってしまいます。

馬力が上がっているのならば違法は違法と言う方もいるとは思いますが、今回のフルチューンは あくまでも元々付いている純正部品の力を100%発揮しただけなんですよね・・・・

 

「8馬力に10馬力のキャブを付けた」は明らかな違法ですが、「ペラのピッチを替えたりオーバーホールして純正部品の精度を上げたら早くなった」は合法。

ま~正直言って立ち会った検査員の心次第でOKともNOともなる「その辺りの事情」を突いた「グレーゾーンな改造」ではあると思います。

実際問題 私がJCIに電話して「古い船外機のオーバーホールをして、ピストンやシリンダーを精密機械で綺麗に研磨してバランスを取って、エンジンブロックの金属表面にWPC加工(金属の表面を固くする)をしたらオーバーホール前よりエンジンの調子が良くなって、検査時よりもボートが早くなりました」と言っても追加で検査をしろとか言われないと思いますし・・・・

ま~藪蛇になってもアレなので余計な事は言いませんが・・・・

基本的に世の中のグレーな部分はお互いが分かっていながら余計な事を言わない事で成り立っていますから・・・・

でも もうじき中間検査なので、その時にJCIにそれとなく聞いてみますか・・・・結果はまた中間検査の記事にでも書くかもしれません。

 

 

前置きの違法か?合法か?の話が長くなりましたが、ここからは実際に帰ってきた船外機について書いていこうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは外観です!

このトップカバーのピカピカのブラックとレインボーラメが素晴らしい!!

流石に社長さんが自慢するだけの事はあります!!

写真でどこまで伝わるか分かりませんが3~4枚目の写真などは凄いと思いませんか?

まるで鏡の様に周りの景色が写り込んでいます。

 

多分 新車の車のボディーよりも綺麗ですよ!

これは塗装した際にブラックを吹いて目の細かいペーパーで磨き上げ

、クリアーを吹いてペーパーで磨き上げ、更にクリアーを吹いて磨き上げてを繰り返した結果です。

手間暇かけてシッカリと仕上げています。

レインボーラメも粒が細かく派手すぎず丁度良い感じの割合で入っています。

派手なのが好きな方はラメを多くするとキラキラになって目立つと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてエンジン始動!

冷却水の出方がハンパじゃ~無い!!

おしっ○ジャ~ジャ~ですよ!(笑)

 

今まで出が悪かったのは長年の使用で水路に塩分結晶が出来て詰まっていたからだと私の船外機の分解動画で知りました。

製造から21年経っている船外機で、私が中古をヤフオクで手に入れたのは去年の春なのでこの状態にも納得です。

 

 

 

YouTube/雅ファクトリー・チャンネル

(トーハツ9.8 海水使用歴のある船外機O/Hの動画が私の船外機です。)(動画内では社長さんがシープロと言っていますがトーハツ2st9.8馬力です)

 

 

 

聞いた話では海水使用の船外機は真水でフラッシングしても結局こうなるそうですね。

原因は帰港後に直ぐエンジンを止めて陸に上げるからだそうです。

ボートを陸に上げると船外機の中の水が排水されて、エンジンブロックの水路内に残った少量の海水がエンジンの予熱で蒸発して塩分結晶になるんだそうです。

それが何年も蓄積すると私のような状態になるそうです。

 

コレを防ぐには港に帰ってきたら船着き場にボートを着けてエンジンの温度が下がるまでアイドリングする。

エンジンの温度が下がったらエンジンを止めて そのまま放置してエンジンがある程度冷えるのを待つ。

エンジンがある程度冷えたら陸に上げてエンジン内の海水が排水される。

 

現実問題やっていられませんよね・・・・基本的には普通に帰ってきて陸上げしてしまって良いと思います。

ただ海水使用の船外機は6年~8年に一度は船外機をオーバーホールに出して水路の清掃にピストン、シリンダーやクランクシャフトのベアリングなどをチェックしてもらった方が良いと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにトーハツ2stはこの状態が正常な様です。

アイドリングしていると横の水路から勢いよく水が出ていて後ろの穴からは殆ど出ていません。

アクセルをフカして回転を上げると後ろの穴からも勢い良く出てきます。

この船外機は雅ファクトリーさんに出す前はアイドリング時に後ろと横から同じぐらいの水量の冷却水が出ていました。

コレって結局はエンジンブロク内の水路が塩分結晶で詰まって横の水路の水の出が悪くなっているから、インペラの汲み上げた水が行き場を無くして後ろの排水口にも回っているという事ですね。

 

今このブログを見ていて「自分の使っているトーハツ/マーキュリー2st 6~9.8馬力がアイドリングの時に横と後ろから同じくらい水が出ている!」と思った方は上記リンクの私の船外機同様エンジンブロック内が大変な事になっているかもしれませんよ?

 

 

 

アクセルも素晴らしい♪

 

 

「アクセルが素晴らしいって何?」って思うかもしれませんが、要するにレスポンスが良いって事ですね。

アクセルを開くとエンジンの回転が素直についてきます。

今までと比べて明らかに反応が良くなっています。

 

何しろエンジンの吹け上がりが全然違いますから!!

 

排気音も全然違う!

 

何と言うか「これぞ2st!」みたいな?

エンジンがブンブン回っているのが音を聞いているだけで分かります。

元々のカブったような重めの音から乾いた感じで高回転みたいな音です。

音量は殆ど変わっていないと思います。

 

雅ファクトリーさんで販売している「スズキDT-8・雅ファクトリー/リミテッド エディション」は更に良い音がしています。

も~レーシングバイクみたいな音ですね!2stの一番美味しい所を使えていると言うかキッチリとパワーバンドに入っている感じです。

気になる方はYouTubeの動画を見てください。

 

 

そしてこちらが私の船外機の動画です。

 

 

フルチューン/トーハツ9.8馬力

動画自体は先週末にUPしたのですが、記事を書くのが遅くなりました。

 

 

ここまでは順調に見えたのですが問題発生!

ま~私の場合は順調に見えてコケるのはいつもの事です(笑)

 

・アクセルを吹かしてからアクセルを閉じると出力10~15%から回転が落ちてこない

・アイドリングが安定しない

 

多分アクセルワイヤーと燃調の問題だろうな~と予測してイジっていきます。

ちなみにこの日は日中でも気温ー1℃で雪もバンバン舞っています(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

結局アクセルワイヤーの送り側が張り気味だったので緩めてアクセルOFF~アクセルONまでの間に遊びを作りました。

この原因はもしかしたら私がスロットルリンクロッドを自作して短くしているせいかも(汗)

 

そして燃調は最初の状態がかなり濃い目になっていました。

こちらの方は雅ファクトリーさんに「焼付き防止の為に燃調をかなり濃くしている」と事前に聞いていたので、その状態を基準にイジったのですが、フルチューンしてあるせいか調整が相当シビアです(汗)

(2stオイルを45対1と濃くしてあるのも原因かもしれません)

 

燃調を少し濃くするだけで即エンスト・・・・少し薄くするだけでグングン回転が上がる!

ノーマルの船外機なら2分の1回転くらい回しても全然平気なのですが・・・・・

 

すごく繊細な設定で苦労しましたが、結局 初期状態から32分の1回転分 燃調を薄くして、アイドリング調整ネジをイジってアイドリングをやや高めに調整したら復調しました。

 

コレで問題解決です♪

 

 

それにしても気温ー1℃で水回りをいじっていると手がかじかんできますね。

皆さん「かじかむ」って知ってますか? 寒い時に手や足が冷えて上手く動かなる事を言うのですが・・・・長野県の方言なんでしょうか?

基本的に標準語を使っている地方の場合その中に少し方言が混じっていても意外とそれが方言だと気づかないんですよね~

「ずく無し」「みぐさい」「しみる」「だだ」とか・・・・

私自身 同じ長野県でも特に南信方面のお年寄りとかは方言がキツくて何を言っているのか言葉が理解できない事が多々あります。

・・・・ま~どうでもいい話ですね・・・・・

 

 

 

ようやく調整も終わったわけですが・・・・・

 

ここまでやると早くボートを水に浮かべて走らせたい!!

 

という気持ちでイッパイですが、春になるまでは船が出せないので後2~3ヶ月は辛抱しないといけません。

 

とは言え最初の2回ぐらいは慣らし運転で終わりそうですが・・・・

家の水桶で低速で何時間か回してエンジンに「アタリをつけて」おけば、慣らし運転も最初の一回の釣行だけで済みそうですがどうしよう・・・・

 

 

 

ということで やってしまいました!

慣らし運転の初期段階!

 

一応エンジンの事に詳しくない方に説明させて頂きます。

皆さんも車に乗っていると「新車を買ったらまずは慣らし運転」なんてことを聞いた事があると思いますが、要するに船外機でも同じ事です。

シッカリと「ならし運転」をしないと後々のエンジン性能(調子)に差が出てきます。

今回私が行う「アタリをつける」とはエンジン内部のピストンとシリンダーの話です。

皆さんご存知の通りエンジンとは内部で燃料を爆発させてシリンダー内のピストンが行ったり来たりする事で動力を生み出しています。

そしてこのピストンとシリンダーは精度の高い部品なのですが、肉眼では見えないレベルで表面に凹凸があります。

そしてエンジンを動かすと この金属表面の凹凸が擦れる事が原因でシリンダーとピストンに傷が入ります。

そこで慣らし運転です。

エンジンを低回転・低負荷のアイドリング状態で数時間回す事で新品の金属に燃料の油をなじませて、表面の凹凸が擦れて少しずつ摩耗する事で金属表面をなだらかにします。

 

この慣らし運転を怠ってキチンと「アタリ」をつけないと最初の状態の大きな凹凸によってシリンダーとピストンに縦方向の深い傷(擦痕)が付いてしまいます。

新品の船外機を買ってから慣らし運転をせずに直ぐに船を出してアクセル全開で何時間も走ったりするとアウトですね・・・・・

 

とはいっても慣らし運転をしなかったらエンジンが壊れるという事は基本的にはありません。

ただ「慣らし運転をした船外機」と「していない船外機」ではその後エンジンの調子に差が出ます。

ほとんどフィーリングの差ではありますが「吹け上がりが違う」とか「よく回る」とか「慣らしをした方が数年後に最高速が僅かに早い」とかです。

そして最大の違いは寿命です。

上記のように慣らし運転をしていない船外機はシリンダーやピストンに深い傷(擦痕)が入るので早期摩耗により寿命が短くなります。

新しく買った船外機を長く大事に使いたいと思うのならば慣らし運転は必須です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桶に入れてアイドリングする事1時間・・・・・

 

その間に私が何をしていたかと言うと・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ガンガン雪の舞う中でハムスターのケージの掃除(笑)

隣では唸りを上げる船外機(笑)

全部洗剤を使って水洗いですよ!!

私は1~2週間に一度は外でネズミの家を洗って床材などを全部交換していますから・・・・当然!季節を問わずです!

今年はまだ良いですが雪が積もると外の水道が埋まるわホースが凍るわで大変です!

辺り一面 雪景色の状態で洗っていると完全に変態ですね(笑)

絶対に近所の人は「こいつイカれてる」と思っていますね(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

その後アクセルを固定して出力15%~20%で更に1時間回します。

こんな状態のエンジンを放置してはおけませんし、流石に外は寒いしで車の中から1時間様子を見ます。

そしてこの日はこれで終わりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌 日曜日には昨日の調整がシッカリ出来ていたか最終確認をして

 

ギアを入れた状態で負荷をかけて更に1時間のアイドリング!

 

20分おきに前進・後進を切り替えてシッカリとアイドリングでエンジンを回します。

 

これで「アタリがついた」ので後は最初の釣行時に6~8時間ほど慣らし運転をして終了です。

本当は2釣行で計10時間くらいは慣らし運転をしたい所ですが・・・・

取り敢えず二回目の釣行では出力50%~80%で控えめに走って慣らしは終わりという事で・・・・

 

とは言え実際にはエンジンのアタリが完全につく(完全に慣らしが終わる)のは一年後くらいでしょうが・・・・(雅ファクトリーさんには船外機の場合は約100時間ぐらいと聞いています)

何しろバイクや車でも慣らしが終わるのは走行距離1000km程度と言われていますし、私の感覚では本格的にエンジンの調子が良くなるのは10000km超えた辺りからのような気がします。

 

 

これだけの素晴らしい船外機に仕上げてくださった雅ファクトリーさんには感謝!感謝!です!

昨日も電話が来て社長さんと2時間半も話していました(汗)

毎度毎度 長電話になってしまって申し訳ないのですが、私には無い知識をお持ちの博識な方なので話し始めると止まらなくなってしまって・・・・・

とても気さくで話しやすい社長さんなのでついつい話し込んでしまって・・・・という感じです。

電話かけ放題が当たり前の現代なので気にもなりませんが、昔だったら1回の通話料だけで6千円~8千円位かかっていますね(笑)

(ちなみに基本的に社長さんの方からかかってきます)

 

このブログをご覧の皆さんも船外機の事でお悩みならば一度「雅ファクトリーさん」にご相談ください。

確かな技術と実績を持つ職人気質でありながらも気さくな社長さんが親切丁寧に相談に乗ってくれます。

自分の船外機のオーバーホールやパワーアップをお考えの方は一度電話・メール・ブログのコメント欄で連絡してみては如何でしょうか?

 

 

 

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ちなみに「雅ファクトリー」は社長さんがお一人で切り盛りしているようなので、依頼する時には時間に余裕を持って依頼された方が良いと思います。

特にシーズン・インすると とてつもなく忙しい様なので、仕上がりにどれぐらいの時間が掛かるかはシッカリと聞いた方が良いと思います。

(回答の来た納期よりも2~4週間ほどは余裕を持った方が良いと思います)

 

 

取り敢えず こんな感じでオーバーホール&パワーアップして帰ってきた船外機でした。

 

次の釣り関連の記事は船外機のトップカウルにステッカーを貼る記事になると思いますが興味のある方は御覧ください。

 

 

 

 

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