2024.04.24(水) 雨
一日中ずっと雨でしかも寒かった。
体調もあまり良くないし無理をしないで過ごした。
お手紙を送るために便箋を作った。
贈りたい相手のイメージに合わせて便箋をコラージュして作る。
直接感想を聞いたことはないけど好評というか手応えみたいのは感じてる。
自画自賛と自意識過剰を過分に含むけど、きっと喜んでもらえてるはずだ。
そう信じたい。
無理をしないで過ごしたので録り溜まってるものを観たりした。
ミステリチャンネルでやってた海外ドラマ二つ。
それから『イップス』を見始めた。
『イップス』はバカリズムなのでバカリズム脚本かと思ったらオークラだった。
Netflixでバナナマンのコントを見るつもりで忘れてたことを思い出したので
週末に時間があれば見ようと思う。
週末から早いところはGWなので
私もGhost Writerに任せたい。
略せば同じでしょ。
あなたもわたしも人類みたいなこと。
朝食:ヨーグルト、コーヒー。
昼食:焼うどん。
夕食:豚の味噌漬けみたいなのを焼いた、ごはん、お味噌汁(お豆腐とわかめ)、茹でもやし。
私は何を書くにも基本的に下書きというものを一切しないし推敲もほぼしませんが珍しく下書きっぽいものをしたちょい長めの『ハサミ男』(映画版)の感想を載せときます。
閉店する近所の中古屋で異常な安さで購入。
『ハサミ男』
見えないものが常に見えているという虚構を受け入れて全てが二つに引き裂かれ内側も外側も空っぽになった画面はイカサマの新素材をいくつも並べて出来た安っぽい陳腐なビザール感覚に覆われていて震えるほど奇妙に見窄らしいのに余りに異様なテンションで美しく素晴らしかった。
原作も殊能も大好きなのだけれど原作至上主義ではないので、これはこれで物凄く楽しめるし、映画制作陣がおそらく役者も含め誰もハサミ男に興味がなく殊能にすら敬意を一切払ってない冷徹な距離感で作られていて、それが返ってこの気味の悪い悪趣味な画面を成立させている。(そもそも原作のトリックは小説という表記上のトリックでもあるので、そこをバッサリ切って蔑ろにし画面上の処理として思い切ったのは正解だと思う。)
本多俊之のサックスを生かした音楽がめちゃくちゃカッコイイんだけど、その劇伴としてはあるまじき音量と音圧で映画を食いに来てる演出も変だし、雑に荒く薄曇りにどんより冴えない質感の映像の貧しく痩せた画面構成も変だし、変なリズムの反復やズーム、ジャンプカットの多用も気持ち悪いし、殺人の殺害渦中を全く映さない方法論も気味悪いし、とにかく映画が常に不安定に揺らいでいて、ビザールな奇妙さだけが際立って冴え渡ってる。
それほどファンではなかったのだけれど、この映画に関しては麻生久美子の虜になります。自殺道具をいそいそと作る甲斐甲斐しい姿の可愛さ、そして嫌悪しか感じない繰り返される嘔吐シーン、ビニール袋を被って窒息自殺を試みてる麻生さんマジ可愛い! 自殺に失敗し続ける姿に漂うそこはかとないエロス。
落下シーンでの合成の恐ろしいほどチープな陳腐さにギョッとしてゾッとして爆笑したり、遺影の笑顔に爆笑したり、もう! と!に!か!く!変!!!
撮り方の気味悪さが不意撃ちにやって来る悪辣な不穏さやアート空間的ビザール感の迸りとかに陶酔するのは事実で、部屋が一瞬で変わるカットの全てが割けるような戦慄には息を飲むし、高松次郎《影》みたいな影の使い方とかハサミが持つフェティッシュな美しさとか、床の血糊や壁に飛ぶ血飛沫のデザイン性の甘美さとか素晴らしいのですよ!
特に、街を彷徨うスローモーションと早回しの切り替えの乖離的夢遊病感からの現実を侵食する女子高生の顔を夜景の黒さの中に点滅で浮かび上がらせる不穏とか屋上までのシーンとシークエンスが本当に凄い。
厳密には幽霊ではないのだけれど、それでも幽霊的な存在が自殺するって余り前例のない前代未聞な衝撃もあるし、個人的には5那由他あげちゃうくらいの大傑作中の大傑作。
ハサミを十字架に見立てる演出の反復により愛と生を享受するための殉教者にまで殺人鬼が研ぎ澄まされてるのとか笑うしかない。