さて前回に引き続き、本日はグループホームについてのお話です。
これまでは割と、有料老人ホームと比較してキツイ部類のお話をさせていただきましたねー。
今回は、まぁキツイ面もありますがどちらかといえばプラスのお話です。
プラスなのは、スタッフにとっても入居者様にとってもということですね。
何がよいか。
入居者の方も生活に参加できるという点です。
これは私の以前の職場ができていなかった恥ずかしいお話になるのかもしれません。
認知症の詳細は割愛しますが……。
刺激の少ない生活を送ると認知症は悪化する場合が多いです。
入院中が代表例として取り上げられますねー。
炊事洗濯、トイレまでベッドの上・もしくはその周辺3メートル程度で済ませていると、当然ですが刺激の少ない生活になります。
結果、認知症が悪化してしまう。
施設へ入所しても似たような状況となってしまうことがあります。
居室と食堂の往復で、食事しては寝て、寝てはおやつに起きて……。
入院時の例と比較すれば若干行動範囲が広がりますが、やはり行動範囲は狭まります。
行動範囲が狭まることで運動機能が落ちて体調を崩されたり、けがをされてしまう。
入院せずとも、けがの痛みで余計に居室に籠ってしまう。
結果、認知症が悪化していく。
グループホームでは、生活に参加できるのです。
考えてみれば当たり前のことですが、自分の洋服を畳んだりテーブルを拭いたり、洗い物をしたり。
生活をするということは身の回りのことは自分でこなす必要があります。
食事作りや、場合によっては買い物も入居者様とご一緒にいくこともありました。
行動範囲も広がりますし、なにより刺激のある1日になります。
洗濯ものを畳むことで手先を動かします。
テーブル拭きはちょうどよい運動になりますし、食事づくりも回想法を交えたよいレクリエーションになりますよね。
こうした少しずつの刺激は、認知症の進行をゆるやかなものにしていきます。
有料老人ホームでは、入居者様には施設をホテル(テーマパークを例える会社もありますねー)だと思って利用してもらうよう、
指導されることがあります。
職員はホテルマンでありコンシェルジュであり……。
間違ってはいないのでしょうけれど、やはり認知症の方に取ったら上げ膳据え膳の環境はよくはない。
洋服はたためないけれど、タオルはたためる方。
料理はできないけれどお米を研げる方。
どんな小さなことでも、できることはやっていただく。
「ああ、私役に立っているんだな」
と、自分自身がここにいてよいのだと感じてもらえる大きなきっかけにもなります。
これまで暮らしてきた場所を離れ、新しい住居に移られると不安も大きい。
なにもできなくなってしまった喪失感ではなく、自分も生活に参加している、役に立てているんだという存在価値を見出してもらえるような施設づくりが大切かなぁ、と。
とあるおばあさま。
夜な夜な起きだしてきて「ねぇ、おきていいの?」と不安そうな表情で職員に尋ねては歩き回ります。
この方は認知症の進行がかなり進んでいます。食事は作れません。
ですが、お米は研げるんですねー。
ちょっと手伝ってくんない?とお誘いして米を研いでいただくと見事な手際です。
すべて終わってお礼を伝えると、
「なにいってんだい、こんなこと」
と笑顔を見せてくださいます。
普段どんなに、まだ寝ていていいんだよと伝えても表情を変えない方が、こんなきっかけで笑顔を見せてくださるんだと、
感心してしまいました。
見当識障害があっても、自分の知識・技術が誰かの役にたつのはうれしいですよねー。
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