続けてもキョーコsideから見たお話です。

さてどんな姿に変身するのかな?

⚠️「」は、日本語。『』は、英語。〈〉は、ロシア語です。

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リムジンに乗せられてやってきたのは、ハリウッドでもかなりのセレブ御用達だと言う会員制の高級美容室(ビューティーサロン)だった。


全面大理石の床にシャンデリア、いい匂いが漂う正にセレブリティな装いに私は呆けてしまっていた。


完全に、こんなピンクつなぎを着てる私が場違いな事に気付き今更ながら恥ずかしがってると……


『さあこっちよ最高の美容師が待ってるわ。予約したジュリエナ・デュリス・ヒズリだけど案内して貰えるかしら?』


受付の女性に英語で丁寧に受付すると、奥からまた洗練されたお洒落なスーツを着た女性がやって来て案内してくれた。

受付の際、芸名で尚且つ旧姓のデュリスだけではなく、ヒズリも名乗っていたのは、そちらがフルネーム(本名)だからだ。

クーお父さんと結婚した時、旧姓はミドルネームへと移行したらしい。普段は、ジュリエナ・D・ヒズリと簡略化してるとのこと。


「あのう…私、会員じゃないのにいいんですか?」


「いいのよ、ここは会員の家族や身内も利用出来るのよ。それに紹介状があっても使えるし、キョーコ貴女は親戚でもあるのよ。私が連れてきたんだからOKよ😉✨」


歩きながら日本語でコソコソ話していると、案内人(エスコーター)が大きな扉を開けてとある部屋へと招いてくれた。

するとそこにいたのは、ミューズ様ことミス・ジュリーウッズだった。


「はーいキョーコちゃん。久しぶり👋😆今日はヨロシクね!ミセス・ジュリエナの注文通りに欧米人美少女に変身させてあげるわよ!」


「ええ!?ミューズ様がやってくれるんですか?魔法のヘアメイクを?」


「勿論😉!誰もがヒズリ夫妻の娘だと言っても相応しい姿にね。」


私は、歓喜のあまりその場でプリマドンナ如く舞い踊ってしまい、社長とクーお父さんを呆れさせてしまっていた…でも……


〈あら素敵、キョーコ踊れるのね~私もバレエ経験あるのよ~~🎶〉


ローザ様(すっかり定着しております😅)が別の外国語(ロシア語)で、喋りだして一緒に踊り出した。


「おいおい2人とも踊ってないで、さっさと始めろよ😓」


「キョーコちゃーん、踊ってないでこっちいらっしゃい。早く始めないとブリーチしなきゃいけないんだし。それと殿方達は、出ていてくれると助かるんだけど?変身後の姿を楽しみに待っててくれるかしら?」


ミューズ様が社長とクーお父さんをホラホラと、扉の方へと押し出して扉を閉めた。


「ええ?俺だって変身途中見てみたいのに~😵💦」

「諦めろクー、数時間後を楽しみにしてようじゃないか。」


「さて始めましょうか、この椅子に座ってくれるキョーコちゃん?」


私は、内心ドキドキしながら椅子に座った。そしてクロスが首にかけられて目の前にある大きな鏡を見てから眼を瞑んだ。

完成するまで成るべく見ないようにしたんだ。楽しみにしてようって。


「さて私は、どんな風に仕上がってくか見させて貰うわね。仕上がり次第でどんなファッションにしようか決めたいのよ。一流モデルの審美眼センスが問われる所だし。」


そんな話を聞きながら、ミューズ様が私の髪を洗ってブリーチを着けて染め始めた。

途中で、人が何人か増えておそらくエクステンションを着けてるのだろう作業が急ピッチになった。

眉毛迄にも、染め薬がそんなに強くない物が使われてるらしい塗られていく。

まぁ、眉毛だけ黒いと変だものね😅


そんなこんなで約2時間かけて、私の髪の毛のチェンジが終わり次はメイクが始まった。

その時は、目を開けていたがローザ様が私の気持ちを汲み取ってくれたのか前の鏡には布が掛けられていたのである。


そして次に、同じ部屋内にある着替え室に案内されて、ローザ様が用意してくれた服に着替えた。

その服は、肩紐がレース錠になってる肩出しの薄いパステルブルーのノースリーブワンピースだった。

腰元は、後ろでリボンで纏められてる。

靴も、同じ色の可愛らしいレースが施されてるミュールサンダル。


両手と両足の爪を整えてこちらもまた水色のネイルが塗られて最後にローズヒップの香水が軽く吹き掛けられた。

アクセサリーは、華美にいか過ぎず元々着けていたプリンセスローザのネックレスを掛けている。


耳には、似た色の宝石が付いた小さなイヤリング。

左手首には、金のブレスレットが填められていた。白い花の形をしたチャームが付いていた。


髪の毛もかなり長くなってる事に気付いた。腰元まであるロングストレートで肩から下は、少しウェーブかかっている金髪だ。


「うん……イメージピッタリね。髪も似合うわ、瞳にはカラコンはいらないわね。そのままでも構わないわ。」


ローザ様は、私の姿に何故か涙を浮かべて嬉しそうな顔をしていた。

すると優しく私を抱きしめて来たのだ。


〈やっと会えたわ……花音😂〉


またロシア語(?)で何か言っている。私、ロシア語は分からないのよね。何て言ってるんだろ?


「あらごめんなさいね。ついちょっと感慨深くなっちゃって。私ずっと娘が欲しかったのよ……でももう子供は産めないし。実は昔ね、久遠が3歳の時に2度目の妊娠してたんだけどね、お腹の中で上手く育つことが出来なくて死産しちゃったのよ。産まれてたら女の子だったの。

名前も決めていたのよ。花音(カノン)か、花蓮(カレン)の二候補あったんだけど、知り合いのご夫婦に産まれた女の子がカレンて名付けられたから、花音にしようって。」


ロー……いやジュリエナさんが少し悲しい顔をして、昔の話をしてくれた。


「そうだったんですね…だからあんなに私の変身姿を楽しみにしてたんですね。」


「最近出たばかりの、スマホの写真アプリに面白いのがあってね、私とクーの顔を合わせてAIが判断してどんな子供が産まれてくるかって言うシミュレーションのを一度やってみたことがあったの。

男の子に設定してみたら、久遠にそっくりだったから、次は女の子でやってみたのよね。

後日、貴女の事をクーに教えられて知って、日本人ミュージシャンのPVに出てるって言うから公式動画があって見てみたのよ。

そしたらビックリ!若干の違いはあったけどよく似てたのよ。不思議ね、貴女とクーには血縁関係はないのに。」


すっかり笑顔に戻って私の手を取って、今度は大きな姿見の前に私を連れてきた。そこにも布が掛けられている。

私は、おずおずと待っていた。


「じゃあ…行くわよ!キョーコちゃん、お待たせ!これが花音になった貴女の姿よ!!」


ミューズ様が布をガバッと外すと、そこには完全に欧米人にしか見えない美少女が立っていた。


「え……?コレが私!?嘘……ショータローのPVの時の天使と似てるけど、でも雰囲気ちょっと違う?」


「どうかしら?気に入ってくれた?」


「どう?私の渾身のヘアメイクは?」


私は、本当に嬉しくて涙が出てしまっていた。


「嬉しいです~こんなに変身出きるなんて、やっぱりミューズ様は魔法使いですよ😂!」


「魔法使いって、大袈裟よ。ハッキリ言ってそんなに厚化粧してないのよ、やっぱりキョーコちゃんって髪型やメイクだけでもかなりイメージ変わるのね。

ダーリンから聞いたんだけど、曾お祖母さんが英国人らしいわね。その遺伝じゃないかしら?」


「え?そうなの?キョーコったらブリティッシュの血を引いてたのね……あら?確かクーのお母様も英国系アメリカ人のはず…………似てるのってもしかして……いや流石にないわね。でもそれなら、クーの親戚筋って設定活かせるわ。」


ジュリエナさんが何かブツブツ言ってたけどよく聞こえなかった。


「さぁ行きましょう。殿方達にもお披露目しましょうか。花音。」


「はい……ま、ママ😳💦」

そう言うとキョトンとされてしまった。


「ごめんなさい💦娘に成りきるならママの方がいいかな?って欧米人の方だとこの呼び方の方が無難ですよね?それともお母様の方がいいですか?」


「いえ、ママの方がいいかしらね。急に言われたからちょっとビックリしちゃったのよ。」


クスクスと笑いながら、嬉しそうに話し掛けてくれるジュリエナさん。暫くは、この人が私の母となる。

親子を見事に演じて見せようと、改めて決意した。


そして扉を開いて高級ビューティーサロンのロビーに2人して並び歩いていくと、立ち行く人達と数人出会ったが皆が私達を振り返って見ていた。


ロビーに着くと、隣に備えられているティールームに社長とクーお父さんが座ってアフタヌーンティーを舌つつんでいたのである。


他にも数人、いかにもセレブな人達がコーヒータイムや同じく談話しながらアフタヌーンティーを楽しんでいた。


『貴方お待たせ💓どう?花音の出来映えは?』


そう言って私は、2人の前に寄ってまるで貴族のお嬢様の様にスカートを少し積まんで軽く無言で挨拶をした。


するとその場にいた人達全てがシーンとなり、私に注目してきたのである。


『えっと……きょ、いや花音だよな?いやビックリしたよ。うん…綺麗だ俺の娘に相応しいな。俺達の娘になってくれてありがとう。これからは俺達が両親だからな、遠慮なくパパママって呼んでくれな。』


席を立って私の側にきて英語で、早速即興演技を始めたクーお父さん。私もそれに答えた。


『はい、ありがとうクーパパ。家族を相次いで病気で亡くした私を引き取ってくれて。感謝しきれません。』



私は、クイーンズイングリッシュを意識して話し始めた。


2人が考えた設定は、クーさんのお母様の英国に住む遠戚のご夫婦の元に産まれた女の子で、花音の母親もまた日本人とのハーフで父親は、英国人。


相次いで、重い病気にかかり亡くしてしまい母方の祖母が住んでる日本にやって来たけど、その祖母も、高齢で亡くなってしまい困っているところに、クーさんのお母様が葬式に来てくれて一時期にヒズリ家でお世話になることに。

その事をアメリカにいる息子のクーさんに相談したら、養女にしても構わない。と言う話になったと言う架空のストーリーをでっち上げたのである。


ちょっと無理があるんじゃないかな?とも思ったけど、最初は交通事故を想定したらしいけど、それだと事故の証拠が残ってないからってんでやめたらしい。

アメリカのパパラッチの情報網はかなりの捜査力を持ってる人もいるらしいので病死にしたと言う。



『ほう…かなりの美少女じゃないか?』

『あれはハリウッド俳優のクー・ヒズリだよな。』

『妻のジュリエナ・デュリスも一緒だけど、あのド派手な東洋人は何者だ😅?』


『俺メチャクチャ好みなんだけど。』

『ライアン、お前また悪い癖出てるぞ。』


『あら…綺麗で洗練された姿勢ね。かなりのレディ教育受けてるわよ彼女。間違いないわね。』


あちこちから、色んな話が聞こえてくる😳💦。

するとレディ教育がどうのと言っていた、女性が歩み寄ってきた。

背は高く、ジュリママと同じくらいありプラチナブロンドの髪の毛を綺麗にまとめてアップスタイルにしている、かなりの美女だった。

着てる服も明らかにハイブランドだ。


『はーいジュリエナ。久しぶりね。』

『あらアマンダじゃない、フランスに行ってたんじゃないの?』


どうやら2人とも顔見知りみたいだ。


『先日帰ってきたばかりよ。沢山のファッションショーで色んな新人モデル見定めてきたわ。疲れたわよ、久しぶりにリフレッシュしてくてここに来たの。クーも久しぶり。』


『ああ久しぶりだな、元気してたか?』


『まあね…で?こちらのお嬢さんは?お二人の娘さんになるって聞こえてきたけれど?もしかして養女に迎えるの?』


『おら抜け目ないわね。でもお察しの通りよ、この子の名前は花音(カノン)私達の娘よ。』


『へぇ……近くで見るとなんと無くだけどジュリにも似てるわね。もしかして親戚とか?初めましてカノン、私はモデル専門のエージェントを経営してるアマンダ・フェリスよ。因みに既婚者よ😉』


親切に既婚者だと言って握手を求めてきた。


『こちらこそ初めまして、Mrs.アマンダ。カノンと申します。』


『へぇ綺麗な英語ね。クイーンズイングリッシュに近いけどアメリカ人じゃないの?』


『この子は、日本で産まれて英国で育ったの。残念ながら私じゃなくてクーの親戚筋に当たるのよね。

少し前までは、日本にも住んでたわ。実のお母様が、日英ハーフでもあるのよ。だから日本語も喋れるわ、ちょっと癖あるけどねクーと同じく京都弁なのよ。』


ちょっと苦笑いしながら話していると、他にも数人寄ってきた。


『ミス・カノン、初めまして。』


私のすぐ側に、かなり背の高い体格の良い青年が寄って握手を求めてきた。

思わずギョッとしてしまい、ジュリママの腕にしがみついてしまった。

その様子を見て、クーパパが直ぐに動いた。


『おい!ライアン、俺の娘に近寄るんじゃねーよ。ロリコンかテメーは。カノンは、17歳だぞ!』


メンチ切ってるんですけど……その人は、クーパパと何度か共演したことのある人気俳優さんで、ライアン・バードさんと言って歳は30歳らしい。

確かに30歳では、17歳の私から見ればおじさんよね😅


『なら後1年経てば大丈夫だろ?18歳になれば合法だ。なーに芸能界なんて10~20歳違いのカップルなんてざらにいるじゃねーか。』


『そう言う問題か!!』


『ったく、男ってのはどうしてこうなのかしらね?それはそうとジュリ、カノンを私のエージェントに入れてみない?モデルに興味あるかしら?カノン。』


まさかの予想だにしなかったスカウトだった。


に続く。


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あらあら?あまりの美少女っぷりに本気モードのスカウトが来ちゃいましたね。

さてさて、どうするのかな?


それとジュリママがロシア語を話してるのは、コミックスを読み返してたら久遠(コーン)がグアムで日本人観光客相手にロシア語を話してたから、もしかしたらお母さんから習ったのかな?と思いましてロシア語が話せるんだろうと推測。


なので時たまロシア語が出てしまうと言う設定にしてみました。

日本語がペラペラなのって、どういう理由なんでしょうね?

元々、日本での暮らしも経験してるのかな?


⚠️2024.7.5 一部修正・加筆