まさかの番外編まで書いちゃいました。レイモンド監督目線から書いたお話になります。

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「なんやと!?それは間違いないんかエーコ!」


ワシは、娘のエーコから孫の冴菜の娘であるキョーコがハリウッドに来ていることを知らされてビックリしていた。


「ええ間違いないわ。日本にいる冴ちゃんに電話して聞いたんよ。まさか芸能活動しとったとわなぁ。」


あのあのあの~~~泣く泣く離れる事になった、曾孫のキョーコにまた会えるんか。そう思ったらワシは、つい涙ぐんでしもうたわ。


冴菜が何処の誰かも分からん男の子供を妊娠したって聞いたときは、最初は腸煮え繰り返るほど怒ってしまったこともあったが、産まれてくる子供には罪はあらへん。


そう割り切ったワシは、精神的にも衰弱していく孫の冴菜を見て心配になってもうて説得してハワイの別荘に暫く置いて、連れてきて産まれてくる子供を育ててやろうと決心した過去を思い出した。


ワシの次女である娘のヨーコとその夫は、冴菜と兄の京介の2人の子供を遺して若くして同じ事故で亡くなってしもうてる。

その後は、祖父であるワシが日本とアメリカを往復しながら、日本にいるヨーコの婿さんの親戚達の協力も得て育ててたからなぁ。向こうの親戚にも、あんまり会えてへんし…。


一家族だけロスに住んどるけど。あやつに会うと、食事代が馬鹿にならんからな。娘婿の兄の息子夫婦になるんやけど…夫婦揃って、大食いやし。どないなっとんやあやつらの腹は😓


そーいやアイツにも息子おるんやなかったっけ?年もキョーコとそんなに離れてなかったような?

娘婿の兄さんの孫も同い年やなかったかいな?

従兄弟同士で顔似ててもおかしゅうないな。


キョーコから見ると祖父方の方に、又従兄弟にあたる青年が何人かおる。

日本で育ったんやから、会っとるんちゃうんか?とワシは思っていた。


そして遂に、キョーコとの再会を果たしたんや。


「ホンマにホンマに、キョーコに会いたかったんや。でも冴菜がお前が中学を卒業するまで会わせたくないと言ってきてな。せめて義務教育が終わるまで待ってほしいと頼まれたんよ。それで中学校卒業する頃に1度日本に帰国したんやけど…そしたら世話になっとった、松乃園の女将さんから倅の松太郎君がキョーコと東京に駆け落ちしたって聞いてショック受けてアメリカに帰って来てもうたんや。」


そうしたらキョーコは、般若のような顔をしてドスの効いた声で話してきた。


「ちょっと待てや…誰が、ショータローと駆け落ちしたって?んなわけあるかい!たしかに最初は、アイツがウチの事を便りにしてるからって一緒に上京して欲しいって言われて、付いてったけど!アイツはウチを家政婦扱いした上に生活費稼がせて貢がせてやんやぞ!挙げ句の果てにはウチの事捨てたし!どれだけアイツに金つぎ込んだか!金返せや~~~~👹」


ソファーから立ち上がり、これでもかと言うほど怨キョ?とか言う怨霊達を大量発生させた姿にワシは驚いてもうた!

実は、ワシ霊感あるんよ~😓


因みに現在、キョーコはロス市内にあるワシの自宅にいる。


ワシが監督を務める映画『STAR SEED』の日本人キャスト達は、ちゃんと指定したホテルを定宿にしている。


なのに『Route』の方では、トレーラーハウスを控え室&ホテル代わりにしとるって聞いて腹立ったわ!


『何を考えてるんだ。キョーコとカナエの2人はまだ未成年なんだぞ!トレーラーハウスじゃセキュリティが甘すぎるし危ない!2人はワシの自宅に連れていく。そこから撮影所に通いなさい!いいな二人とも?』


映画『Route』のキャストプロデューサーを説得して、キョーコがPAをしている同世代の女優で仲が良いと言う、琴南奏江ちゃんもワシの自宅に連れてきた。


「本当にいいんですか?私までキョーコの曾お祖父さんの家に厄介になって。」

と言ってきたが、ワシは別に構わなかった。


「ええんよ、奏江ちゃんはキョーコと仲良くしてくれてるんやろ?ありがとうな。これからも宜しゅう頼むわ。」


それからは、毎朝ワシが運転する車で撮影所に通うようになった。

アメリカは、日本と違って撮影所での撮影する時間が決められている。日本みたいにテッペン越え(夜中12時過ぎること)なんてやったら労基法に引っ掛かってしまうからな😅


そんな日やった、いつも通り撮影を終えてキョーコと奏江ちゃん待っとうたら…


また別の日本人の集団が現れた。その中にメガネをかけたグラマラスな女性がいてキョーコが気付いて思わず声をかけたんや。


「あれ?麻生さん?祥子さんも。」

「え?あら、もしかして…京子ちゃん?」

「え?京子ちゃんなの?またイメチェンしたの?」


もう1人の日本人女性もキョーコとは、知り合いらしい。


「何で2人が映画撮影所にいるんですか?」


「実は、明日から尚の新曲のPV撮影があるのよ。ここの撮影所を使わせて貰うことになってね打合せに来ていたの。」


「んな…アイツまで来てるんかい👹」


「コラコラ、キョーコ怨キョを発動させるんやない!」


そんな話をしていたら、奏江ちゃんがやってきた。


「あんた何してんのよ。皆、避けてるわよ😓」

「すまんなぁ、キョーコの天敵がやって来たみたいでな。」


「キョーコちゃん此方の方は?」


「此方は私の曽祖父です。見た目は欧米人ですけど、れっきとした日本人ですよ。仕事の関係でアメリカに住んでます。実は映画監督をしていて、この度曽祖父が監督する映画に出演することが決定しまして今撮影中なんです。」


キョーコが簡単に説明していると、後ろから歩いてきた金髪の日本人青年?がギギギっと首をこっちに回してきた。


「はい……?オメー、キョーコか?今なんつった?このじいさんが曽祖父?映画監督?アメリカの映画に出演中?マジで?素うどんなオメーが?嘘言ってんじゃねーよ、あり得んだろ。」


そのセリフにワシはカチーンと来てしまった。


「おいそこのクソボーズ…ワシの可愛い曾孫に何を言っとるんじゃい!!」


ドスの効いた大きな声でワシは、鋭い目付きで放った。


「へ?はい~😱💦何を言って…しかも京都弁?何なんだこのじいさんは!?」


「ん?その顔つきは…ああ!幸太郎にそっくりやないか!昔キョーコの祖母でもある、ワシの娘のヨーコに良く言い寄ってた実家近くにある旅館の道楽息子に!お前さん、キョーコが出とったPVの幼馴染みのミュージシャンの松太郎君かい!」


「………何で、死んだジーちゃんの名前知ってんだよ!しかも俺の本名まで!さらにキョーコのバーちゃんに言い寄ってた?何だそりゃあ!?」


ワシは思わず周りの事などなりふり構わず話を続けた。


「どやかましい!その通りじゃい。お前のジーさんはなヨーコと幼馴染みっちゅー立場を利用してしょっちゅう幼い頃からちょっかいかけたり、嫌がらせしたり、そうと思ったら中学校に上がって今度は、付き合えなんて言ってきたり今で言うストーカー紛いな事までしとったんやで!しかも、後に結婚する秋人(あきと)に対してもヨーコが惚れてることを知って一方的に決闘を申し込んだり、2人が出演しとった映画の太秦の撮影所までにも押し掛けて喧嘩ふっかけて、撮影が中断したりと!周りにもどんだけ迷惑かけたか!最終的にワシがそんときの映画監督に頼み込んで、幸太郎を市中引き回しの刑の罪人役にしてもろうて嫌がる幸太郎を皆で縛り上げて無理やり出演させたんや!」


ワシは、昔を思い出して更に続けた。


「ジジイがジジイなら孫も孫やな!似たようなことしようて!あん時の幸太郎は、笑えたで。因みに、市中引き回しの馬に乗ってたんは後の娘婿の秋人や!ここにいるキョーコの祖父じゃい!俳優兼殺陣師やっとったからな。ヨーコも幼い頃から女優やっとった!更に言うとくが歌も出しとるで!ハッキリ言ってお前さんより上手いわ!」


と言ったところでワシは、ハッとしてキョーコの方を振り向いた…😓し、しもたつい興奮して言うてもうたわ。


「へ………?ウチのお祖父ちゃんお祖母ちゃんも芸能人やったん😓?お祖母ちゃんって歌も出してる?歌手でもあったん?」


キョーコが呆気とした顔で聞いてきたわ。周りには沢山の日本人も多くいて、その話にビックリしていた。

ルートの撮影も終わってそちらの日本人キャスト達もいる中で、敦賀蓮君も驚いており何かを察した顔つきもしていたんやけど…ん?まさかなと。もしかしたら、彼は秋人の親族かもしれんとワシは確信するようになっていた。


実は、娘婿の秋人の姿は彼に瓜二つ。3才歳上の良く似たお兄さんもおって、そっちの奥さんはアメリカ出身やった。

その息子の次男坊が、ハリウッドを拠点として俳優活動もしている。年齢的にも、長男と次男坊の息子が確か同い年くらいだったはずや。

もしかしたら、顔立ち的に長男の息子の可能性が出てきた。

名前は、悠人(ゆうと)だったかいな?長男は、父親似で秋人とも似ておる。その息子やったら、顔がそっくりなのが合点いくわい!

次男坊は、アメリカ人の母親似やからな。まぁ、兄弟揃うと何となく似てないこともないけどな。

その息子もキョーコから見ると、ハトコになるけど…母親に似て金髪に緑の瞳してたような?


「曾お祖父ちゃん!何隠してるん?何で教えてくれへんの?」


そこでハッと気付いた。


「ああ、すまんなぁキョーコ。今夜、日本の朝方になるけど冴菜に電話するわ。そこでちゃんと許可取るから。それまで待っててくれるか?それと明日の夜に、同じロス市内に住んでる秋人の親族呼び寄せるわ。そこで一緒に説明させるから。」


ワシは、決心してキョーコに全て話すことにした。


→本編5へと進みます。

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まぁ、皆さんもうお気付きですよね(笑)

完全にヒズリ家と親戚関係なっております。


キョーコと蓮(久遠)は、ハトコ同士です。君ハピや、2人のヒミツと同様の設定です。

但し今回は、お祖父さん同士が兄弟の設定に変更させて頂きました。お祖母さんは、最上家の人間で名前も変更しました。


ってかキョーコの方が外国人の血が濃くね?と思った方も多いはず。なのに髪の毛や見た目は日本人寄り。

金髪碧眼になると、欧米人に見えると言う不思議な面持ちにしてみました。蓮とある意味、似た者同士です。