「あいたたたた💦何すんや!母さん!!いきなり襖開けるなー!!」

「それはこっちの台詞や!ったく二人とも隠れてないでさっさとこっちにこんかい!!」

"母さん"と言ったまだ若い青年?とも言うべき人は、敦賀さんに本当にソックリだ。少しコチラの方が若い感じがする。

「うえ?ええええ!?蓮とクー・ヒズリさんにソックリ!!」

「うっそ~何々?この二人!?」

社さんとミューズ様が驚きふためくが、私達は呆気にとりてしまっていた。
するとクー先生にソックリな男性が私の事を見つめてきてジリジリと這いつくばりながら近寄り何かを期待するかのように聞いてきたのだ。ついでにもう一人も。


「う、うちの事は覚えとるか?鞠子にはママ言うてたやろ?どないや?」

「そうや!俺の事も分かるかキョーコ!?」


二人とも固唾を飲み込み私に顔を寄せて来たのでビックリしてしまったが……どっちにしても二人とも旗から見れば、敦賀蓮とクー・ヒズリさんにしか見えないし💦
すると敦賀さんが直ぐに分かったらしく二人の名前を呼んだ。

「父さんの兄である、ソー伯父さんと息子の悠人君ですよね?久しぶりです。ビックリしましたよ、イトコの悠人君がこんなに俺にそっくりに成長していたなんて…。
お祖父さんの話では、それもあってこの辺りで俺と親戚だって言う噂が立ってるってお聞きしました。」


「流石に久遠君は、冷静やな。なのにこの二人は…我慢できへんのかい!」

ポカンと二人の頭を続けて叩きため息をつく鞠子伯母様。


「えっと……ごめんなさい。覚えてなくて、最初に思い出した親戚の人って小学生の時に会ったことがある滋賀に住む遠縁のカズマお兄さんだったんです。なんと無く敦賀さんに似てるかなぁって…。」

その事を話したら、今度は悠人さんが驚いて捕捉してきた。

「ああ!そんとき俺もおったで!忘れてるやろ!!カズ兄ちゃんは、滋賀県の近江町に住んでる親戚の兄ちゃんや!確か…俺達とはハトコの次……って何て言うんやっけ?」

「近江町って、ああ!今の米原市の事か。確かに滋賀にもヒズリ家の分家があるな。うちのハトコの息子さんやから皆とは、三従兄弟(みいとこ)になるんよ。」

ソー伯父様が教えてくれた、カズマお兄さん。聞くと今でも滋賀県に住んでいて実家の美容室を継いで働いているらしい。しかも私は、年齢差も勘違いしていた。
敦賀さんと同じ4才違いだと思っていたら実際には、6歳違い。現在、24歳で結婚もしていて子供までいるとか。


「その人と俺を勘違いしてたんだ。もしかしたらそのひとも顔立ち似てるのかもね。俺も一度会ってみたいな。」

「あ!会えるかもしれないよ二人とも。BOX"R"のロケ撮影が琵琶湖辺りでも行われる予定だし。確か場所は、米原市だったはず!何とか時間作って会えるように調整してみるよ!」

「え?本当ですか!?やったあ!カズ兄ちゃんにも会えるなんて!!」

私は、思いもよらない親戚との再会が可能かもしれないと喜んでいると、隣であぐらを組んで座ってるソー伯父様が頭を優しく撫でてきてくれた。
その時、ふっと既視感を感じ…伯父様の顔を見ると、優しい笑顔をしていた。その顔に覚えが…


「あ……この感じ、あの時と一緒だ。」


そうこの時感じたのは、去年日本に映画のPRで来日してきたクー先生に課せられた、息子の久遠さんを演じた時に頭をナデナデされた時と同じ。それと妙な懐かしさも感じたのよね。
デコピンされた後の顔にもなんと無く覚えがあったのも。

そっか……あの時、感じた既視感ってこれだったのかもしれない。
無意識の内に二人には、父性を感じていたのね。

私は、その事をソー伯父様に伝えると。いきなり泣き出し私を抱き締めてきた。

「キョーコ~~~~😂!!ようやく娘が戻ってきた~~!!」

「結局、俺の事だけ覚えてないんかい😒💢💢!俺はキョーコの事を実の妹のように思ってたんに!っつーか本当に妹だと思ってたんやぞ!!」

悠人お兄さんが不貞腐れて後ろ向きで寝転んでしまった💦

「ごめんなさい……何で覚えてないのか不思議です😞💦」

ソー伯父様に抱き締めながらも、悠人お兄さんに謝ったけれど……何で悠人さんに関してはなんと無くでも覚えがないのか不思議で仕方がなかった。
その事に関しては、数週間後あることがキッカケで判明することになる。
まさか、ショータローがその件に関していることになっていたなんてね。

24へ。

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両親代わりの伯母夫婦(イトコ伯母夫婦)と感動の再会を果たしたキョーコ。
しかし何故か、ハトコの悠人君の事は全く覚えておりません。原因は、ショータローにあり!!
一体昔何があったのかな??

2018.12.5  一部修正