ヤンマガ兄妹のとある夜の話①②③④⑤⑥…の続き。
はてさて、村雨くんの運命やいかに!どうなるんでしょうかね~?
今回は、キョーコサイドからみたお話です!
どうぞお楽しみ下さいませ(*^-^*)♥
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敦賀さんが私の左肩に手を寄せて歩き出した途端、後方から思いがけない声がして吃驚した。
「おい!そこいく変態兄妹!待たんかい!」
変態兄妹…そんな事いう人物は限られてる。
一応、私は振り返り確かめた。
やはりそこにいたのは村雨さんだ。
「ムラサメ…?あんた何で此処にいるのよ?」
よく見ると、村雨さんの足元に座り込んだ、何か凄い格好をした愛華さんもいたし。
「あんたも何て格好してんのよ。ハッキリ言って浮いてるわよ。似合わない事もないけどね。場所をわきまえなさいよ。原宿にでも行ったら?」
実際には、愛華さん可愛いんだけど…。流石にね、グアムのホテルでロリータファッションって…目立ちまくり😅
「んな?ひっどーい!雪花ちゃんだって派手なワンピースドレス着てるじゃない!私とそんなに、変わんないわよ!イーだ!!」ベロを出して泣きべそかきながら、キャンキャン言う愛華さん。
一応これでも、シンプルめのデザイン選んだつもりだったんだけどね。
お店で色んなワンピースやドレスを試着したんだけど、どれもこれも際どい派手なデザインばかりで着るのに勇気のいるものだった。
カイン兄さんも、試着する度にどれもこれも露出が激しいだの、文句言ってきたし。
その中でも、今着ているワンピースドレスは私も意外と可愛いなと思って1番無難なデザインでカイン兄さんも、これが1番似合うと言って買ってくれたものだ。
「はぁ?あんたのロリータファッションと一緒にしないでくれる?私はちゃんとTPOにわきまえて選んだつもりよ。」
腕を組み雪花が言いそうなセリフで貶して、兄さんに行こうと促したけど動かなかった。
『兄さん?どうしたの?早くディナーに行こきましょうよ。』
よく見ると、もの凄い眼光を放って村雨さんの方を睨み付けていた。
こ、これはヤバいかも(;゜0゜)!!
止めようと思ったけど、ゆっくりと二人の方へ歩き出したカイン兄さん。
少し歩いたところで足を止め…
「何でお前らが、此処にいるんだ?」
少し間をおいて
「そういえば、買い物してる時から目線を感じていたが、お前らか?尾行してたのは?」
凄味を効かせて日本語で言いはなった。その途端、周囲の空気もガラリと変わり騒ついていたその場は、一瞬でシーンと静まり返った。
ホテルのロビーにいた人々が私たちを取り囲み見ている。
村雨さんは、私たちを指差したまま。しどろもどろになって冷や汗たらたらにしながら言ってきた。
「そ、それは…。そ、そうそう、愛華ちゃんがこのホテルのナイトプールのディナーに行きたいっていうから。その前にショッピングデートに誘ったんだよ!そ、そしたらたまたま、お前らがいて、行く先々に偶然居合わせただけだ!ああ偶然だよ!!文句あっか!」
仁王立ちで、私たちを指差したまま話したけど、何かこじつけっポイ感じ。
多分だけど、私たちを尾行してたんだろうな。
村雨さん、カイン兄さんの性格は嫌いだけど、役者としては認めてるって言ってたし。
それでいて気になって尾行してたのかも?と思ってしまった。
ストーカー行為なんじゃないの?それって…。
「それと!お前な!何考えてんだ!?実の妹に指輪プレゼントして!し、しかも左手の薬指にはめてキスするか?普通!!それに兄妹でペアリングって、ああん!?何処まで超弩級シスコンなんだよ!妹も妹だよ!兄貴に指輪貰って頬赤らめてんじゃねーよ!このド変態兄妹どもが!!」
ドガシャアア❗❗
その言葉に、その場にいた全員(日本人観光客と日本語の分かる外国人達)が見事にズッコけた。
な、なんか新喜劇みたいなんですけど…。
「き、ききき兄妹…!?」
「カップルだと思ってたのに!兄妹かよ!」
「ほんまかい!?あの兄妹大丈夫か?信じられへんわ!」
「Oh!My God!」
「絶対にありゃあデキてんぞ!一線越えてんじゃねーの?親は何やってんだよ!」
「禁断の兄妹愛!?何か萌えるわ~!!」
アチラコチラで色んな話が飛び交い、その場に居たたまれなくなってしまったので、カイン兄さんが一時だけ、敦賀さんに戻って私に耳元で小声でボソボソ話しかけてきた。
「ヤバいな最上さん、あの二人をディナーに誘って、この場を早く去ろう。何とかセツから誘えないかな?」
「分かりました。何とかやってみます。」とひそひそ話をしながら。セツ魂を再び取り憑けた私。
ふうっと、一呼吸して。手招きしながら私は二人に声をかけた。
「貴方達こっち来なさいよ。兄さんがまだ話があるって。ディナーしながらでもいいからって言ってるわよ。」
「ええ!?本当?カインさんとディナー?やったあ!村雨さん、早く行こう!!」
愛華さんは物凄く嬉しそうだけど、村雨さんは青い顔をしてる。
愛華さんは村雨さんの腕を取って、私達の元へとやって来た。
気の変わりの早い娘さんね。愛華さんって…。
フラフラと歩く村雨さんを引きずって、一緒にナイトプールへと繰り出した私達。
「何よ!雪花ちゃん!私の格好全然浮いてないじゃない!あそこに私と似た格好してる娘達がいるわよ!」
と指差して愛華さんが言った先に、信じられないことにロリータファッション軍団の日本人観光客の女の子達がいた…。
グアムに来てまで何考えてんだか…。
他にもカジュアルな格好したカップルにラフな服装の子供連れの家族、私達の様にドレスアップしてる人達と様々な人間がナイトプールでディナーをとっていた。
しかも丁度夕暮れ時で、海に沈む太陽を見ながらの絶景のディナータイム。
皆が絶景に目を奪われると思いきや、私達がウェイターにプールサイドに近いテーブルへと案内されていると、チラチラと視線を感じていた。
やっぱりどんな格好してても、敦賀さんって目立つのよね…。
カイン・ヒールの姿をしてても目を奪われるのは分かる気がする。
別の意味でも目立ってたし…。愛華さんのゴスロリファッションと、村雨さんは黒のタンクトップにデニムパンツ、白い半袖シャツとサンダルと言うラフな服装。
しかも、一目で俳優『村雨泰来』と女優『愛華』と分かる容姿。
新人でペーパーな素顔が素うどんな私とは違い、二人ともそれなりに名前が知られてる芸能人だ。現に、周囲にいる日本人達が二人に気付いていたし。目立たない訳がない。
私は、素顔でいても『京子』とバレる事は殆どない。何か羨ましいな…。
何で気づかれないんだろ?まだまだ私も顔がそんなに売れてないからなんだろうか?何時かは、そう言われる日が来るんだろうか…?と色んな事を考えていたら、いつの間にか日もくれてお月様が夜空を飾っていた。
食事も終わり、食後のデザートのアイスクリームを食べていたら、愛華さんが私の事をジーっと見つめていて話しかけてきた。
「何見てるのよ?言いたい事があるならハッキリ言いなさいよ。」
「雪花ちゃんって背も高くてスタイル良いよね。羨ましいなぁ。肌も綺麗だし!ねぇ、どうやってスタイル保ってるの?コツあったら教えて!」
ほえ?スタイルがいいって…。そんな事言われたの初めてなんですけど。
だって、身長も外国人設定にしては低い方よね?日本人女性の平均身長からすれば少し高めらしいけど。
胸だってそんなに大きくないし。正直、意外と体重あるし…もうちょっと絞りたいぐらいだもの。
「だって普段着てる服も似合ってるし。ジャンヌダルクのロリータじゃない方のゴシックパンクファッションの服って着る人選ぶもの。雪花ちゃん、いつもカッコ良く着こなしてるから凄いなって思ってさ。もしかしてモデル経験ある?」
「あ、それ俺も思った。歩き方綺麗だなって。まるでスーパーモデルみたいな雰囲気だったもんな。二人がホテルのロビー歩いてた時、目立ってたぜ。」
二人が私の事を誉めてきたんで、ちょっとびっくりしたけど嬉しかった。
「当たり前だ。俺がセツにモデルウォークを教えたんだからな。」
グイッと酒を飲み終えたグラスを置き、カイン兄さんがボソッと発言。
「はぁ?あんたが教えた?」
「ん?カインさん?モデルもやってるの?」
うわ!ちょっと敦賀さん!正体バレしそうな話しないで~。
「む、昔少し、俳優になる前にバイトでやってた事があるの。その時に私も兄さんの仕事に付いてってウォーキングを習った事があるのよ。」
村雨さん同様に、何とかこじつけ話を出してみた。
「なんだ、そう言うことか。」
「ほんのちょっと習っただけで、あんな綺麗な歩き方できるの?凄いね。」
何か二人と普通に話してるけど、私はともかくこんなに近くにいてカイン兄さんが、日本の芸能界で抱かれたい俳優No.1『敦賀蓮』だと気付かれないって、やはり敦賀さんって凄い役者なんだなってライトアップされたプールの方を眺めていた横顔を見て、改めて思った。
『何だセツ。眠くなってきたのか?そろそろ部屋に戻るか?』
確かにちょっと眠気が出てきていた事に気付いて、少しウトウトし始めていた私。
『ん…。ちょっと眠くなってきたかも。』
目を擦って話していたら、急に浮遊感を感じた。
いつの間にか、抱き抱えられて所謂お子さま抱き状態の私を抱きつつテーブルから離れ歩き出した敦賀さん。
『ふえ!?兄さん?歩けるわよ。』
『眠いんだろ?無理するな、部屋まで運んでやる。』
周囲の人達の視線を感じながらも、超ブラコン甘えん坊な妹セツらしく。
『乱暴に運ばないでね。』首に手を回して、目を点にして口をパクパクさせていた、村雨さんと愛華さんにサヨナラを告げて別れた。
村雨さんは、またフラフラしてヨロヨロとしたと思ったら…。
バッシャーン!
すぐ近くのプールへと落っこちた…。
だから皆何で新喜劇みたいな行動とるんだろう?
プールから頭を出した村雨さんの放ったセリフにも気づかなかった振りをした。
「あんの変態兄妹め!」
ハイハイ、私達はヤンマガ兄妹です。ほっといて下さいませ。
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今回は、ちょっとギャグテイストを入れてみました。
キョーコも村雨くんも関西出身という事で、新喜劇ネタを入れてみようと試みた次第です(笑)
ショータローは、お笑い好きなので幼い頃から一緒に新喜劇を見ていた可能性大。
なのでキョーコも知っているんでしょうね(笑)
オチが完結ッポイですけど、まだ続く予定です。