やれやれやっとのこさオーディション編に入れそうですね。

久しぶりにキョーコsideから見たお話です。

⚠️「」→日本語。『』→英語。《》→ロシア語。

〖〗→フランス語。〔〕→中国語。となります。

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昨夜のパーティーから一夜明け、私は今バーテックス・ピクチャーズスタジオにいる。

映画『Route(ルート)』の撮影が行われてる、映画スタジオだ。


一緒に久遠さん姿の悠人さんが来ていて、ルートの撮影を見学に来ている体で演技をしている。日本人キャストの皆さんへの差し入れも兼ねていた。


「おお~~美味しそうな、いなり寿司!」(村雨秦来)

「凄ーい、これって花音ちゃんが作ったの?」(恵エミリア)

「こんなに沢山大変だったんじゃない?」(古賀弘宗)

「日本食作れるんだな。感心したよ。」(力也)

「私も一緒に作ったんで皆さんどうぞ。」(京子/レイカ)


皆さんが喜んでくれて、誉めてくれ私も嬉しかった。


「うんまい!唐揚げも最高!2人とも料理センス抜群!どっちかお嫁さんに来ない?なーんて😁」


村雨さんが私達に冗談めいて言うと、敦賀さんと久遠(悠人)さんが笑顔だけど怒りを込めたような感情を出してきて……


「「誰が嫁にやるか!」」(蓮&悠人)

「2人ともシスコンかい!」(村雨秦来)


ノリツッコミをしている3人を見て、爆笑が起き和気あいあいとしてるとモー子さんが小声で耳打ちしてきた。


「あんた良くこんなこと出来るわね。私ですら分からなかったわよ。あんなにそっくりな親戚がいたなんてビックリよ。」


そう実は、昨夜パーティーを終えてヒズリ家に帰宅すると共に、モー子さんと社さんも一緒に映画の撮影が終わるまでヒズリ家に滞在した方がいいと言われて連れてきたのよね。


そこで私が、キョーコであることを教えてプリンス・セディを貶める作戦も教えた。モー子さんにも協力して貰うことになったんだ。


それと私に扮してるレイカさんは、地毛のロングヘアーのまま私を演じている。服装も、ピンクツナギからカジュアルワークなファッションへと変えた。

ツナギ姿だと、嘗められたり小中学生に間違えられる事が多いから大人っぽい姿にイメチェンしたと言う設定にしたのだ。


「2人とも朝早く起きて、台所で何してるかと思ったら大量のいなり寿司と唐揚げがあったから俺も驚いたよ。最初、叔父さんの朝食かと思ったし。実際につまみ食いしようとして怒られてたものな😅」


昨夜は、本来の姿の久遠さんとしてパーティーに参加していた敦賀さんが話していると、撮影所にアメリカ人キャストの皆さんが入ってきた。

結局、撮影スケジュールの都合で双方の共演シーンの撮影をする事になってしまいキャスト全員集まった次第だ。


するとプリンス・セディが私達に気付いて近寄ってきた。


『久しぶりだなクオン。いつの間に帰ってきたんだか、ハリウッドから逃げて何処にいたんだ?今さら戻ってきても、お前の居場所なんて何処にもないぞ。』


ニヤニヤしながら久遠(悠人)さんに、嫌味を放ってきた。

すると振り返り笑顔で返した久遠(悠人)さん。


『やあ久しぶりセディ、相変わらず小さいな。』

『んなっ💢何だと!お前がデカ過ぎるんだ、僕は標準だ!』


彼が気にしてるのだろう、確かにセディは他のアメリカ人男性よりかは背が低めだ。しかも日本人のショータローよりも背が低いっぽい。それでも175cmくらいはありそうだけど?


『それと俺は、俳優業に戻るつもりはないよ。今は、別の仕事をしているし。それなりに稼いでもいる。ハリウッドヒルズで豪邸の一軒家を買える程にな。』


確か、悠人さんは作家(小説家)として成功を治めたって聞いてるけどどんだけ稼いでるんだろ?どんな作品書いてるのかな?


『ふん……そんな戯れ言誰が信じるって言うんだ。日本人の血を引いたお前は底辺を這いつくばってればいいんだよ。そこにいる日本人キャスト達もな。事務所に甘えて、自ら仕事を獲りにいかない甘えん坊どもが。

お前らに、ハリウッドの映画に出る資格はない。さっさと全員降板して日本に帰れ。この映画は、アメリカ人だけで撮る。』


セディがとんでもないことを言ってきて、その事に日本人キャスト達全員に怒りを買ってしまった。


『お前は本当にいい加減にしろよ!何でそんなに日本人を嫌うんだ!!だったら言わせて貰うけどな、ここにいる日本人キャスト全員実力でこの映画への出演件を得たんだぞ!俺だってデビューしてから何十回とオーディション受けてるし!』


村雨さんが、大声で手をふり説明すると他の皆も放ってきた。


『そうだ!俺達は、レナード監督と呉前Pの前で演技テストを受けて最終的に実力を認められて、キャスティングに迎えられたんだ。中には自らアピールしてきた役者もいる!』


『欧米と日本やアジアでは、芸能事情が異なるのよ。他でもハリウッドとは異なる芸能システムを取り入れてる国もあるし、ハリウッドが世界のスタンダードだと思うのが間違えてるわ。

それに日本でも少ないけど、事務所に入らず完全にフリーランスで芸能活動している人もいるしね。』


皆がそれぞれの意見を言うと、ジェネラルコバートのコスプレをしたレナード監督と呉前Pがやって来た。


『彼らの言うとおりです。あなた達アメリカ人キャストから見ると日本人キャスト全員が事務所任せの甘えん坊だと勘違いしてるみたいですけど、きちんと我々が演技力を見定めて決定した役者達ですよ。』


『これ以上文句があるなら、若手役者の君達全員を降板させるがいいか?他にも候補者はいるしな。特にセディ、君はハッキリ言って話題作りのためのキャスティングにすぎない。

映画作りには、金がかかるのは分かってるだろう?スポンサーを集めるため君を起用したまでだ。私としては、不本意ではあったんだが。Mr.Dがこの映画に携わる手前、君を起用しないと業界がうるさいからな。』


レナード監督がセディを起用したリアルな理由を話すと、彼はしかめっ面をして怒ってしまいスタジオを出ていってしまった。

スタジオを出る前に後ろに振り向き、何だか私の方を見つめてきたような気がするけど……気のせいかな?


『あのう……レオ監督?今の話って本当なんですか?』


敦賀さんが、レナード監督に聞くと黙って頷いた。


「やっぱり話題作りの為のキャスティングだったんですね。」


社さんが、呉前Pに聞くとそちらも頷いた。


「はい私としても不本意でしたけど、どうしても映画作りには金がかかりますからね。こればっかりは避けられませんでした。まぁ、あそこまで言われれば彼も少しは反省するでしょう。取り敢えず、主演抜きのシーンから撮りましょうか。」


呉前Pと皆の言葉に、流石のアメリカ人キャスト達(特に若手役者達)も少しは納得したみたいでセディみたいにスタジオから逃げ出すことはなかった。

再度、撮影がスタートしたのである。

私と久遠(悠人)さんは、暫くするとスタジオを後にしたのである。


「花音は、この後ジュリ叔母さんとモデルレッスンだっけ?」

「うんオーディションまで3日しかないから。早く戻らないと。」


そう私は、例のアパレルブランドのオーディションを受ける為にジュリママにレッスンをして貰うことにしたのよね。

この後、ジュリママが予約したと言うレンタルスタジオでの猛特訓が待っている。一体どんなレッスンするんだろうか?


タクシーに乗ってやって来た、レンタルスタジオ。

かなり大きなスタジオで、私達は扉を開けるとそこにはジュリママが仁王立ちになって待ちかねていた。


「遅いわよ花音!さっさとコレに着替えてきなさい!」


私に、レッスン用のシンプルなワンピースとパンプスを渡してきて、更衣室に押し込められた。

直ぐに着替えてレッスン室に戻ると何故か久遠(悠人)さんまでシンプルなレッスン着に着替えており冷や汗をかいて、頭に分厚い本を置かれて鏡の前に立たされていた。


「ジュリママ…何で久遠さんにまで、レッスンしてるの😅?」


「徹底して久遠に成り済ましてもらうには、この子にもレッスンした方がいいと思ってね。ほら!もう少し足に力入れなさい!」


そう言って、悠人さんの両足のふくらはぎをひっぱたいた。


「いでっ!叔母さん~そこまでやらんでも😞。」

「こらっ!お母さんでしょ!私達以外に誰もいないからって油断しない!」


これってかなりのスパルタレッスンになるのかも……😅

私は、3日後のオーディションに向けてジュリママのスパルタレッスンを受け始めたのである。


そして3日間の詰め込みスパルタレッスンを受けた私は、オーディション会場へとやって来た。場所は、先日パーティー会場となったアルマンディホテルのイベントフロアとなっていた。

しかも店舗からも丸見え状態でのオーディション。買い物客もいる中で行われることに。

ある意味公開オーディション状態だ。


私が受けるオーディションは、アルマンディの兄妹ブランドである『Anju(アンジュ)』から新発売される香水の広告&CMのイメージモデルを決める物だった。


ジュリママと久遠さんと共に、オーディション会場の隣に用意された控え室に入った私は、既に入室している他のオーディション参加者から注目を浴びてしまった。

良く見ると、私だけでなく同世代くらいの女の子達と共に母親らしき人が付き添っているのがちらほら見えた。


「やっぱり案の定、親が付いてきてる子達が多いわね。」

「アメリカにもステージママっていたんだ……😅」


そんなことを2人で話してると、ひそひそ話も聞こえてきた。


『あれってジュリエナ・デュリスよね?』

『この前ニュースで見たわよ、娘のカノンだわ。』

『何よあれ、完全に親のネームバリューで受けようとしてない?』

『あんな子に負けるんじゃないわよ。しょせんコネよあれは。』


色んなやっかみが聞こえてきてる。こう言うところは、日本と変わらない。万国共通なのね。


「あんなやっかみ聞き流せばいいのよ。花音、貴女の実力を皆に見せてやんなさい!」

「頑張れ、花音!」


→⑩へと続く。

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漸くオーディションが始まります!

さーてどうなるのかな?

それとセディとの一触即発な雰囲気も出てきましたね。

本誌(原作)より進んだ話を妄想して書いてしまってますが……😅


本当に、どうにかならんもんかなぁ?

仲村先生は、何であんな話にしちゃったんだろ?今の世の中のコンポリ的にヤバいストーリーになりつつありますよね?

一応、女性の黒人キャラも出てるけど名前が分からん😵🌀

ベテラン組にも1人いましたね。ヴィラン役で出るのかな?










さてさて今回は、蓮sideからみたお話になりますね。

2人とも皆に素性バレずに演技できるのかな?ドキドキハラハラな展開になっていきます。

⚠️「」→日本語。『』→英語。《》→ロシア語。

〖〗→フランス語。〔〕→中国語。となります。

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母のジュリエナから、紹介された俺達は父にも促され皆の前に歩みよった。


「皆さん初めまして、クー・ヒズリとジュリエナ・デュリスの息子で長男の久遠・ヒズリです。21歳になります。そしてこちらが先日、我が家の新たに家族として迎えた妹の花音です。先程は、ちゃんと挨拶出来なくてすみません。」


「初めまして皆様、花音・ヒズリです。17歳になります。宜しくお願い致します。」


俺が、花音(キョーコ)を紹介すると彼女は日本式の挨拶である、お辞儀をし丁寧な姿勢に皆が感嘆な溜め息を出していた。

すると、村雨君が花音(キョーコ)の顔をじーっと見つめていることに気づいた。


「何か……花音ちゃんって、京子ちゃんと似てない?ほら、不破尚のプリズナーのPVに出た時の天使姿に良く似てるような気がするんだけど?」


「確かに、似てるね。ねぇねぇ京子ちゃんとレイカさんだっけ?花音ちゃんの両隣に立ってみてよ。」


今度は、恵さんがキョーコちゃん(レイカ)とレイカさん(レイト)を呼んで花音(キョーコ)を真ん中にして並ばせると周囲にいる人達が3人を見比べておお~~と声を挙げた。



『あの金髪美少女、美人双子と不思議と似てるな。』

『あの2人ってやっぱり双子?』


〔髪と瞳の色が違うだけで背丈や顔も良く似てるわね。〕


〖何?あの3人どういう関係かしら。〗


他の様々な国の招待客も、3人に注目していてスマホ片手に写真を撮ってる人も多くいた。


すると今度は、父さんが説明を始めた。


「似ててもおかしくはないのかもな。実は、俺のおふくろと花音の父親が遠い親戚なんだけど、花音から見たら母方の方で3人は血縁上又従姉妹になるんだよ。3人には、共通の曽祖父がいるぞ。」


また取って付けたような、設定で説明するし…😓

しかしこの話しが全くのデタラメではないことが後で知って驚く事になろうとはこの時は思わなかった。


「成る程そう言うことでしたか。通りで3人が似てるわけですね。しかもまさかの総理大臣ともご親戚だったとは驚きですよ。敦賀君は、現総理のお孫さんだったんですね。素性を隠していたのはそれもあったと言うことですか?」


「まぁ…それもありますね。総理になる前にも、厚労大臣もしてましたから。身内に政治家がいると何かとヤバい連中に狙われる可能性もあるし。」


俺に扮した悠人が呉前Pと話していると、後ろの方から見知った人物が走ってきて現れた。


「おい~~キョーコ!また何でそんなカッコしてんだよ。それと何で同じ顔してるのが2人もいるんだ!?誰だそいつらは!」


そう現れたのは、キョーコちゃんと幼馴染みのミュージシャンの不破尚だった。

彼もまた、渡米しておりこちらでプロモーション活動をしているらしい。

すると、キョーコちゃんに扮したレイカさんがこめかみがピクピク動いてることに気付き暫くすると……


「あんた……いきなりやって来て何言うとるんや……って言うか、私のハトコのお姉さんを忘れたんかい!!昔会っとるやろ!」


レイカさんが不破にとってかかって服を掴んで喧嘩をおっ始めてしまい、周囲の人達が驚いてしまった。

やっぱり顔だけでなく性格も2人とも似てるな…😅


「アメリカに来てまで私にちょっかいかけんやないわ!ええ加減にさらせ!ショータロー!!」


ヘッドロックをかけながら、不破に説教垂れるレイカさん。


「んだと~~!キョーコのくせにハイブランドのドレスなんか着てんじゃねーよ、しかも何で京都弁になっとるんだ!」


「うっさいわ!あんただってお国言葉出とるやんけ!!」


その様子に、花音(キョーコ)が肩をプルプル振るわせてる事に気付いたが別人成り済ましてる手前、アイツに立ち向かうことは出来ない。我慢してる様子だ。

そうこうしてると、父さんが動いた。


「おいおい!2人ともやめろや!松太郎もやめんかい!!」


「2人とも俺の事、本名で呼ぶな~~!ってゆうか何で知ってんだ!?」


「知ってて当たり前やろ!お前の父親である、光太郎(こうたろう)さんは俺と幼馴染みだっちゅーの!今回の事、光太郎さんに言うぞ!!しかも2人の事皆撮ってんぞ、世界中に恥さらしてええんか!?」


京都弁で捲し立てる3人を他所に、日本人キャスト達は少し呆れていた。


「やっと思い出したわ。そういやあのガキんちょもいたな。

他にも何人か同世代の子供もいなかったけ?外国から来てた子達もいたよな?確か2人くらい金髪の兄妹がいた記憶あるけど…あれって悠人のイトコの久遠君と花音ちゃんじゃないのか?違う?名前もそんな感じだったような?」


村雨君が俺達の事を見て、聞いてきたけどそれはあり得ないな。

キョーコちゃんはともかく俺はその親睦会に参加してないんだから。


「あ~~あの2人は、違うよ。久遠達じゃない。イギリスの近くにある某王国からやって来た兄妹だ。俺達の母方の曾祖母さんの方の親戚になる、ハトコよりも遠い関係だけど日本に興味あるからって両親に許可貰って特別に参加してたんだよな。」


そう言うと、不破から引き離されたキョーコちゃん(レイカ)が悠人の元にプンスカしながら戻ってきた。


「キョーコちゃん、本当にもう不破との喧嘩は駄目だよ。穏便にしないとね。」


社さんが、すっかり京子として扱って話していて隣にいたレイカさんに扮した双子の弟のレイト君もあきれ顔になっていた。


「本当にもう…少しは、落ち着かないと。仮にも日本の総理大臣との親戚でもあるんだから下手したらお祖父様に迷惑かけることになるんだからね。」(レイト)


「う……ごめんなさい。つい…アイツの顔見たら我慢出来なくなっちゃって。」(レイカ)


「気持ちは分かるけど、ここは我慢しよう。今度またアイツが来たら俺が何とかするから。」(悠人)


ポンポンと優しく笑顔で彼女の頭を撫でると、心なしか顔が赤らんでいることに俺は気づいた。

あれ……もしかしてレイカさんって、悠人の事を異性として想ってるのでは?と。

アメリカでの州法では、イトコ同士の恋愛や結婚は許されてないが日本やイギリスではOKだ。


「おや?これは~敦賀君と京子ちゃん、いつの間にか良い仲になってません?香凪さんの事もあるのに二股かよ。」(力也)


「っな……ちょっと力也さん、楠さんとの熱愛報道はデマですからね。あのキス写真だって彼女が酔っぱらってて不意を突かれただけだし。」


俺は悠人に楠香凪さんとのスクープの裏話を話してあったので、慌てて訂正してきたのである。


「あらあら?いつの間にか皆良い仲になってるみたいね。今後の展開が楽しみだわ( *´艸`)」


隣にいた母が含み笑いをして、俺達を見てニコニコしている。


「あの…母さん、変な事考えてないよね?」

「あら何の事かしら?」

「ジュリママ…穏便にお願いします。」


俺と花音(キョーコ)は、一抹の不安を抱えたままこの日のパーティーを終えて実家へと帰宅した。


久しぶりに帰ってきた実家。15歳の時に、出てから6年の歳月が経っている。

扉を開けて、家に入ると懐かしい匂いがした。

俺は、自分の部屋へと6年ぶりに入った。綺麗に整理されており昔のまま、掃除もこまめにしている様子だった。


因みに花音(キョーコ)は、俺の部屋の隣室に案内されると歓喜の声を挙げた。

母さんが、選びに選んだ彼女好みの家具や装飾が施された部屋になっていたからだ。大きな天蓋ベッドの置かれたお姫様が住んでるような部屋になっていた。

ウォークインクローゼットの中にはこれもまた沢山の服や靴にバッグも用意されていた。


「ここは更に徹底させなきゃと思ってな。キョーコの趣味や好みをボスから聞いてリサーチさせて貰った次第だ。」


「今日からこの部屋が、花音の部屋よ。それにあなた達の部屋も用意されてるから、皆自由に使ってね✨」


その場には、俺と花音(キョーコ)の他にも悠人にレイカさんとレイト君。社さんに琴南さんまでいた。


に続く。

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長くなるなぁ……😅

早く、オーディション編書きたいのに。

さてさて今後の展開どうなるのかな?


それと村雨君の記憶にある、謎の金髪兄妹とは?

またまた別の話からオリジナル設定引っ張ってきてます(笑)










さて漸くパーティー編が始まります。今回は、三人称スタイルで展開が進みます。では、どーぞ!

⚠️そしてここからは色んな言葉が登場致しますので混乱しないようにカッコを更に増やしました。

「」→日本語。『』→英語。《》→ロシア語。

〖〗→フランス語。〔〕→中国語。となります。

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ビバリーヒルズのロデオ ドライブの一角にある、新たに建てられた大手アパレルブランド『Arumandy(アルマンディ)』の新店舗兼ホテルの前には、世界各国のマスコミが来てごった返していた。


今回のパーティーは、ブランド創立50周年と新店舗兼ホテルの開店記念を祝ってのパーティーでもあった。


先程から、パーティーに招待された大物ハリウッド俳優・女優や人気モデルにタレント、世界的アーティスト、大物プロデューサー・世界的映画監督に文化人や政治家と様々な職種に人種が集まりレッドカーペットに参上しマスコミも注目していた。


そんな中に、映画『ROUTE(ルート)』のキャスト&スタッフ勢も招待されて用意された高級バスから降りると、日本のマスコミが沸き立ち一斉にカメラを向けると日本人キャスト達が気付き、大きく手を振ったりインタビューに答えながらパーティー会場へと入っていったのである。


新店舗は、アルマンディと兄妹ブランドである『JEANNE D'ARC(ジャンヌダルク)』と『Anju(アンジュ)』の合同店舗でもあり店舗は3階まであり一部は吹き抜けとなっており、3階にイベントエリアが併設。


ランウェイステージまで常設されており、ファッションショーまで出来るようになっている。今回のパーティー会場にもなっている。4階~最上階(12階)が、レストラン&ホテルとなっているらしい。


そしてパーティー会場に、『ROUTE(ルート)』のキャスト達が到着した。



「うわっスゲー、錚々たる人物が沢山いるぞ!」(村雨泰来)

「見て!真ん中にランウェイまであるわよ。」(恵エミリア)

「こんな規模のパーティーなんて俺も初めてだよ。」(力也)

「流石ハリウッドのパーティーだな。」(古賀弘宗)

「…………………………………料理も豪華ね…(小声)。」(琴南奏江)


日本人キャストのメインキャスト達が、パーティーの規模に驚いてると、アメリカ人キャスト達も遅れて会場へとやって来ていた。


その中のビル・ネルソンが村雨泰来に気付き、ニヤニヤとしており近づいてきたのである。


『何だ?そこのサムライども、ハリウッドのパーティーの規模に驚いてるのかよ。小さい島国じゃ、狭いパーティー会場しか用意出来ないからか?(笑)』


その言葉に、またしても村雨泰来がしかめっ面を受け取り一触即発な雰囲気に。

しかし一緒に来ていた、マネージャーが止めに入ったのである。


「泰来君💦ここは穏便に。会場にも、マスコミカメラ入ってるんだから。下手すると世界中に報道されちゃうよ!」


更に、アメリカ人キャスト勢とは別に会場入りした、プリンス・セディこと、セドリック・D・ベネットが祖父であるMr.D(エルトラ)とビルの元に歩いてきた。


『何してるんだ、ビル?そんな奴らほっとおけよ。日本人は、日本猿みたいに群がってればいいんだ、隅っこで黙っとけ。』


『セディ、そんなこと言うものではないよ。すみません、皆さん。孫は、少し甘やかされて育ったものでね、少々我が儘でして…後でキチンと反省させますので、ここは穏便にお願いします。』


と日本式にお辞儀をして謝ってきたのである。そんな祖父の素振り等気にせずビルと共に謝罪もせず去っていくセディ。


『いやいや大丈夫ですから、Mr.Dが謝罪することではありませんよ。ったくあれ程言ったのに、村雨君少しは我慢してください。』


呉前Pが村雨泰来を叱咤していると、ざわめきが起きパーティー会場にいた人たちが設置されている大型モニターに注目した。

日本人キャスト&スタッフ勢もそれに釣られてモニターの方に目線を向けると、超高級車で知られるリンカーンタウンカーストレッチリムジンがレッドカーペットの前に停車したのである。


「どうやらあのモニターには、招待客が会場入りするのを撮ってこちらに中継してるみたいですね。」


「おいおいどんなセレブなゲストがやって来たんだ?」(村雨)

「スッゴい長いリムジン~どっかの王族とか来たの?」(恵)


皆が色々と模索していると、リムジンのドアがスタッフによって開かれある人物が下りてきた。

現れた人物に誰もが注目、マスコミのカメラも一斉に撮り出した。


「あ、あれクー・ヒズリさんじゃね?奥さんのジュリエナさんも一緒に下りてきた!おお~やっぱり招待されてたか~。」


村雨泰来が興奮していると、同じリムジンから2組目のカップル(?)が下りてきた。


「え?敦賀君と……あれって京子ちゃん!?」

「あ、あの子またヘアチェンして大人美人に変身してる😓」


今度は、古賀弘宗と奏江が驚いていた。因みに、京子に扮したレイカは肩出しの水色のマーメイドドレスを着ており、キョーコから借りたプリンセスローザのネックレスを首に掛けていた。


「しかも京子ちゃん、敦賀君の腕に自分の腕絡ませて互いに顔合わせて笑顔になってるよ。あの後どうしたんだろ?ちゃんと親戚だって説明して納得したってことなのかな?あの様子だと。」


そして3組目のカップル(?)も現れた。それは、敦賀蓮と京子のマネージャーである社倖一と、誰もが驚いた人物。

京子とは色違いの同じデザインの濃紺のマーメイドドレスに身を包んでいて同じ色のバックリボンチョーカーを付けていた。こちらは軽く手を繋いでいる程度だ。

しかし同じ顔が続けて現れたのもあって、マスコミもかなり注目している。双子ではないか?と言ってる者も多かった。



「はい!?京子ちゃんにそっくり?どーいうこと?誰あれ?何で社さんと仲良く手つないでんの?」


「ん?皆さん良く見てください、ゲストの名前が下にクレジットされてますよ。」


呉前Pが、その事に気付き皆が名前を見るとそこには、

『Yukihito Yashiro / Reika Kamijo  社倖一/神条レイカ』

と英語と日本語の両方で表記されていた。


「神条レイカ…?どっかで聞いた事のあるような…はて?」


村雨泰来が首を傾げていると、恵エミリアがハッとして放ってきた。


「あれ?確か神条総理のお孫さんの名前ってレイカじゃなかったっけ?SNSでバレて拡散されてたよね?」


実は、神条総理のお孫さんがかなりの美人だと言う噂が流れ、一部のパパラッチが調べ上げ名前が知られてしまった経緯があったのだ。

しかし何とか出版社に圧力をかけて顔写真と双子の弟の存在と名前は、流れない様にしたと言う話があったりする。

日本ではなく、海外に住んでいるためにテロリストの標的にされないための苦肉の策だったらしい。


「確かに同姓同名だけど……はぁ?まさかの孫本人?だとしても何で社さんとパートナーになってるんだろ?」


泰来のマネージャーが不思議がってると、またしてもリムジンから誰かが下りてきた。

オフホワイトの3ピーススーツのロングタキシードを着ており、インナーシャツはダークグリーンのシャツでスーツと同じ色のネクタイ。

金髪・緑の瞳の長身の超絶イケメン青年が現れたのである。


そして彼がリムジンに振り向いて手を差し出すと、その手を取りもう一人下りてきた。

その人物が現れると、一瞬あれ程ざわめいていたマスコミがシーンとなりその場に静寂が訪れたのである。


「スッゲー美少女………っつーか髪なげーな。」(泰来)

「まるで本物のお姫様みたい✨」(恵)

「何だあの無駄にイケメンな金髪は。」(古賀)


『あの2人は何者だ?』

『クー夫妻と同じリムジンに乗ってたよな?』


暫くすると、またざわめき出して2人は手を取り合ってレッドカーペットの上を歩き始めた。

因みに美少女の方は、パステルブルーのオフショルダードレスを着ており長い金髪の髪は頭頂部の両脇を編み込んで後ろでパールと白いバラが施されたエレガントなフラワーヘッドバンドで留められていた。


その姿と洗練された歩き方や姿勢に、誰もが丸で何処かの国のお姫様のようにしか見えないとも言わしめたのである。


すると会場内のモニターに2人の名前がクレジットされた。


『Kuon Hizuri / Kanon Hizuri  久遠・ヒズリ/花音・ヒズリ』


その名前に、プリンス・セディが目を見開いて驚いていた。


『クオンだと!?いつの間に帰ってきてたんだアイツ。カノン?誰だあの子は、アイツは一人っ子のはず。まさか……結婚したのか?』


『いや違うよ。あの子は、ジュリとクーが養女として迎えたんだよ。久遠とは義理の兄妹だ。だからセディとは、義理ではあるが従妹になるね。私の新しい孫娘になるよ。クオンは、留学先の大学をスキップで卒業して少し前に帰ってきたんだよ。』


祖父である、Mr.Dもまた計画を知る人物の1人だ。

セディに花音の事を教えると彼の容貌にギョッとしてしまった。まるで獲物を見つけたかのような、獣のような顔をしていたからだ。するとセディは、何処かへと去ってしまった。


一抹の不安を抱えてしまったMr.Dだったが、ここで荒立ててもマスコミがいる手前何も出来なかった事を後で後悔することとなるとは知るよしも無かったであろう。


暫くすると、パーティー会場にヒズリファミリーと、敦賀蓮&京子に社倖一&神条レイカが現れた。


そして映画『ROUTE』の日本人キャスト勢の元にやって来て合流すると、蓮(悠人)と京子(レイカ)は全員から突っ込まれてしまった。


「敦賀蓮君~~?京子ちゃんにちゃんと謝ったのかな?」(村雨泰来)

「何で、又従兄妹ってこと黙ってたの?」(古賀弘宗)

「しかもまさかのクーさんの甥っ子の悠人君だったなんて驚いたよ。」(力也)


皆が2人を敦賀蓮と京子だと信じて疑わない、その様子にホッと安心したのか蓮に扮した悠人が要らぬことを村雨泰来に言ってしまった。


「ちゃんと謝ったよ。昔から本当に疑り深いよな泰来って。」

「はい?いきなり何で呼び捨て?しかも昔からって…………。」


村雨泰来がカチンときてしまい、思わず悠人はしまったと口を手で覆ってしまった。


「あのぅ……村雨さん忘れちゃってます?私達、昔会ってるんですよ。覚えてませんか?確か8~9年くらい前だったかな、私が小学生の時に滋賀県のご親戚の家で他の親戚の子供達と、親睦を兼ねて一夏過ごしてて、お隣のお家にも村雨さんがお母様と一緒に帰省してて、村雨さんのお祖父さんと親戚のお祖母さんが仲良かったから紹介されて、仲良くなって一緒に遊びましたよね?

次いでに私がお世話になっていた養父母の息子で幼馴染みでもある、ミュージシャンの不破尚こと松太郎(ショータロー)君も一緒に来てましたけど…覚えてませんか?

私もあの後説明受けて、悠人お兄ちゃんにその話し聞いて、思い出したんです。」


京子(レイカ)が説明すると、村雨泰来がアッと何かを思い出しかのようにハッとしたのである。


「はれ?確かに、そんなこと中坊の時にあったような…?あれあれあれ~って事は、そんときに俺って敦賀君と会ってる?」


「まぁ…そうだね。俺もちょっと忘れてたんだけど、村雨君と打ち合わせの時に会った時に思い出したんだよ。

でもキョーコちゃんと同じく中々タイミングがつかなくて、話せなかったんだ。だから黙ってて本当にごめん。」


蓮(悠人)が謝ると、続けてクー・ヒズリが突っ込んできた。


「ホントにこいつは、俺の甥っ子って知られるとコネだとか七光りだとかネームバリューで仕事を得てるって言われたくなくて、素性隠してたから中々言えなかったんだよ。久遠のこともあったからな。」


すると今度は、呉前Pがクー&ジュリ夫妻の後ろにいる2人に目線が行った。


「成る程そう言うことでしたか。それでそちらがお二人のお子さんである息子さんの久遠さんと……娘さんの花音さんですか?」


「ええ、皆とは初めましてになるわね。紹介するわ、息子の久遠と娘の花音よ。2人とも皆に挨拶しなさい。


ジュリエナ・デュリスの紹介で皆の前に並んで佇む2人。

本物の敦賀蓮と京子とバレないか、2人ともヒヤヒヤしつつも演技を始めたのである。


に続く。

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意外と長く続いちゃうかも?なfairyシリーズ。

うう~~ん……この後どうしようかな?

本誌読んでみると、何かハリウッドで変な事件起きてるっぽいんですよね。

その話しを組み込んでみようか悩み中です。


それと蓮が専属モデルをしているアパレルブランドの『アルマンディ』とマリアちゃんが好きなブランドの『ジャンヌダルク』ってもしかしたらグループ会社なんじゃないかな?って推察があって私の中では兄妹ブランドにしちゃってます。

それとアルマンディの女性版ブランドの『アンジュ』は、オリジナル設定で作ったものです。

原作には、登場しておりません。


⚠️2024.7.5 一部修正・加筆

























怒涛の如く続きます。ifストーリーなfairyシリーズ。

今回も蓮sideからみたお話です。

⚠️「」→日本語。『』→英語。〈〉→ロシア語です。

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ビューティサロンへとやって来た俺達は、ティールームでのやり取りの後テンさんのいる特別室へと来ていた。

ついでに花音も一緒に付いてきていた。


するとテンさんは、ため息をつき……


「あんた達ね、そんなに将来禿げたいの!?一晩だけ染めてまた直ぐに戻すって頭皮がバカになっちゃうわよ!」


「やっぱり駄目ですか……。」


「ここはやっぱりカツラでもええんちゃう?俺も最近染め直したばかりやからな。俺も禿げたかないわ。」


「絶対にいや~2人の禿げた姿なんて想像もしたくない~😭」


キョーコちゃんが泣いて訴えてきて、悠人もそう言うので2人ともウィッグで我慢することにした。

テンさんがカインの時に作った予備の俺のウィッグがあったので悠人には、それを着けさせた。


そして俺は、金髪の精巧に作られたウィッグを頭に着けた。

どちらのウィッグも、特殊なタイプで簡単には取れない仕掛けがあるので大きな仕草をしても安心な物でもある。


少しメイクをして眉毛にはウォータープルーフのゴールドのリキッドアイブロウで何とか誤魔化した。

悠人にも、ブラウンのリキッドアイブロウで整えた。まさか眉毛までブリーチしてたから驚いた。


そして社さんが一旦ホテルに戻って、俺のスーツを持ってまたビューティサロンへと持ってきてくれて『敦賀蓮』に扮した悠人に渡して着替えて、俺は『久遠』に用意されていたスーツに着替えたのである。


しかしここでもう1つ問題が発生してしまった。


「あのさ……このパーティー、キョーコちゃんも招待状貰ってるんだよね。どうしよう花音がいるからキョーコちゃんがいないと不振がられるよ😱💦

花音姿のキョーコちゃんって、不破のPVに出た時の天使姿に良く似てるし。日本人キャストの中には天使役やってたこと知ってる人いるんだよ。

更に言えば、小耳に挟んだんだけど不破尚も招待されてるらしいんだよ。」


「そう言えばそうやったわ、どないしよ😱💦」


社さんとキョーコちゃんが不安な顔をして指摘してきた。確かにそうだ、彼女も招待されているいないと不自然だ。

それに曲がり仮にも、彼女の幼馴染みである不破には不振がられてしまう可能性もある。


「それなら大丈夫や!実は、最強の助っ人があと2人いるんや。もう少ししたらここに来るで。」


グーサインをして悠人が話していると、扉がバーンと開き誰かが走って入ってきた。


「呼ばれて飛び出てジャーン!はるばるハワイから参上つかまつり~~キョーコの母方の又従姉妹の神条レイカ(かみじょう・れいか)18歳でーす!」


いきなり現れて仁王立ちでVサインをする少女(?)……顔がキョーコちゃんにソックリだった。

正確に言うと、ダークムーンの打ち上げパーティーの時にドレスアップした時の姿に瓜二つ。背丈もほぼ一緒だ。声もそっくり。

まるで双子のようだ。


キョーコちゃんは、目を丸くして驚いていた。


「ほえ……何でうちがおるんや?は?神条レイカ…………はて何処かで会ったことがあるような無いような?」


ズコッと前のめりになりつつも花音となってるキョーコちゃんの前に歩いていきいきなり両頬をつねった。


「こら~ハトコの姉ちゃん忘れてるんじゃないわよ!昔会ってるでしょ、滋賀県の親戚の家でそこにいる悠人も一緒だったじゃない!他にも別の親戚の子や、近所に住む地元の子供達とも一夏過ごしてるでしょうが!」


レイカと名乗る女の子が、悠人を指差して説明ししばらくするとキョーコちゃんは何かを思い出したのか大声を出した。


「ああ~思い出したわ!レイカお姉ちゃん!」


「思い出した?良かった~ホントに久しぶりね🎵綺麗になっちゃって~もう💓まるで西洋のビスクドールみたい~やだもう可愛い~❤️」


レイカさんは、花音に思わず抱きついている。


「あ、あのうレイカさん?悠人もかなり幼い頃だけじゃなかったんですか会ってたのって。」


「あ~そういやそんな事もあったな。すまんノートに書き忘れてたわ。後でまた書き加えるからノート返して貰えるか?」


おい……大事な事忘れるなよ。しっかりとしてほしいもんだ。


「ほぇ~ホントにキョーコちゃんにソックリね。瞳の色に背丈や体格に、声まで殆ど同じよ。あれ?でもキョーコちゃんと名字違うわね。母方って言ってたけどキョーコのちゃんのお母様ってシングルマザーだって教えて貰ったけど?」



「私は、キョーコちゃんのお祖母様の姉の孫なんです。

三姉妹の長女で、キョーコちゃんのお祖母様が次女になります。

だから悠人とは、母方のイトコになりますね。母親同士が姉妹ですから。

最上家には、女の子しか産まれなかったんでキョーコちゃんのお祖母様が結婚するときにお婿さん貰ってるんです。

確か~同じ京都市内に住む、藤原氏の子孫のお家の男性と恋愛結婚してるって母から聞きました。

因みにそのお家は、悠人の実家である繁縷家とも遠戚関係になるらしいんです。

だから私達って遠いご先祖が同じで、因みに顔がソックリなのは、母も伯母も母親である祖母似で私もその娘だから。キョーコちゃんも隔世遺伝でお祖母様に似てるからなんですよ。」



テンさんとレイカさんの話で納得した。成る程、母系筋の血が2人とも強く出てるんだ。

それに全くの赤の他人じゃなかったのにも驚いた。姻戚関係の親族かと思っていたら、先祖が一緒だったんだ。


確かTVで見た彼女のお母さんは、キョーコちゃんとはあまり似てないものな。お母さんは、父親似ってことなのかな?


それと、少し開いている扉に人の手があることに気付いた。

外にもう一人いるみたいで何だか入るのを躊躇ってる様子の人物がいる模様。


「ん?もう一人誰かいるんですかレイカさん?」

「え?ああ、ったく何躊躇ってるのよ。早く入ってきなさいよ!」


そう言って手を引っ張ってもう一人無理やり、連れ込んだ。

その人物は、レイカさんに瓜二つの人物…。


「え?レイカお姉ちゃんがもう一人?」(キョーコ・花音)

「は?双子なんですか!?」(久遠・蓮)

「へ?お前まさか……レイトか?」(悠人)

「うわっ、またしてもキョーコちゃんにソックリ!」(社)

「あらま~~まさかのそっくりさんが2人?」(テン)



しかし、悠人が呼んだ名前に違和感があった……😒


「ん?レイト……って…………、あのうまさかその子って😓」

「そのまさかよ、これは私の双子の弟のレイトでーす!」


やっぱり男の子だった……😅何で女装させてんだ?


「おいレイカまさか、レイトにキョーコのふりさせる気かいな😅?」


悠人がレイト君(?)を指差して呆れ顔で聞いてきた。


「ううん、流石に声変わりしちゃってるからそれは無理よ。その代わりに私のふりしてもらうわ。だってレイトって私と一緒でお母さんやお祖母ちゃんに似ちゃってるし。声変わりしてるけど、男性にしては高い方なのよね。だから女性のふりしてても大丈夫だから、女装させてみました。

因みに、キョーコちゃんが一旦元の姿に戻っても、双子の妹って事にしちゃうから名前もレイコって呼んであげてね。テヘッ😄」


テヘペロっと、今時な女の子って感じのレイカさん。それにそっくりな双子の弟のレイト君、何だかさっきからずっと黙り込んでるけど…暫くしてたら肩を震わせてきた。そして……



「だ~~!!何で僕がこんなカッコしなきゃいけないんだよ!レイカと一緒にロスに住む親戚の家に遊びに行くって言うから楽しみにして来たのに!」



ぶちギレて大声を上げて、はぁはぁと息を荒立て捲し立てるレイト君……😥

確かに男にしては、高い声だ。2人より少し低い感じではあるけれど、レイカさんとキョーコちゃんとはやはり若干差異がある。


「まぁまぁ落ち着けやレイト💦でも意外と似合っとるやんけ。」

「はぁ?悠人兄ちゃん、本気で言ってるのかよ!」

「でしょ?ヘアメイクしてっていったら盛り上がっちゃってこんなんなりました~(*´∀`)♪」


3人がギャアギャアしてると、いつの間にか隣にいた花音(キョーコちゃん)が眉間に皺を寄せて怪訝な顔をしていた。


「あのう……私の記憶に、レイトさんの名前が出てこないんですけど?」


「あれ?さっきレイカさんが幼い頃に会ってるって言ってなかったっけ?」


「いや、レイトはあん時いなかったんや。実は、夏休みに親戚の子供達を集めて親睦しよう!って滋賀県の親戚の家に集まったんやげとな、レイトはその直前に急性盲腸炎になってもうたんや。だからハワイから来たのはレイカだけ、コイツは入院して退院後も自宅療養しとったから来なかったんよ。」


悠人が詳しく説明してると、レイカさんも隣でウンウン頷いていた。


「僕だって、日本に行きたかったのに……腹膜炎も起きてたから、退院後も母さんが家で寝てろー!って止められたんだよ😭」


昔の事を思い出したのか、涙ぐんでいるレイト君。難儀だな、彼も女装までさせられて。


「素顔見てみたいな、メイクとってもキョーコちゃんに似てるのかな?」


社さんは、別の意味で興味津々のようだし😅


「それと、キョーコちゃんが花音になってる時は私がキョーコちゃんに成り済まして、琴南奏江さんのPAするから安心してね😉今夜のパーティーも敦賀蓮さんに成り済ました悠人とコンビになって参加するから。んで、これに私のふりさせるんで。しっかり私を演じなさいよ!」


「これって言うなよ……😥」


レイト君がすっかり項垂れてしまっていた。


「うーんでも1つだけ困ってる事があるのよね。」


頭を抱えながら難儀な顔してるレイカさん。


「何に困ってるんですか?」


「私に扮する、レイコ(レイト)のエスコート役の男性がいないのよ。ほら、私は京子として敦賀蓮に扮した悠人と参加すればいいし。花音は、久遠さんがエスコートするでしょ?クーおじさんは、奥さまのジュリさんがいるし。1人余っちゃってるのよ。どうしようかしら?」


「そもそも神条レイカさんがパーティーに参加するってのもどうなのかと。一般人に招待状は、送ってないはずですけど?」


「それなら大丈夫。私もある人の代理で招待状貰ってるのよ。ちょっとしたツテがあってね。その人が事情があって出れないものだから代理で参加してくれって頼まれたのよ。」


成る程そう言うことか。でもさっきから気になってはいた『神条』と言う名字に。

今年、新たに就任した日本の総理大臣と同じなんだよな……。

確か新・総理大臣は京都出身。娘が2人いて、次女が婿養子をとって結婚しており、その夫婦家族がハワイに住んでいるとワイドショーで言ってた記憶がある。まさかな……😅


それと確かに、こう言った大きなパーティーって欧米ではカップルやパートナー同伴で招待される事が多い。

今回、俺が専属モデルを務めるアルマンディの50周年記念パーティーには、アルマンディがスポンサー企業になっている映画『ROUTE(ルート)』に出演するキャスト&スタッフ勢も招待されている。


キャスト&スタッフ勢は、団体客として招待されてるので同伴者は必要としない。でも俺は、専属モデルと言うこともあり別個で招待状を受け取っている。

パートナーがいない人は、マネージャーやPAだったり時には家族やその他の身内や、もしくは友人を連れ立って参加するのが通例だ。


俺は、今回本来の姿の久遠に戻ってるので花音と一緒に、クー・ヒズリ&ジュリエナ・デュリス夫妻の息子&娘と言う家族での参加となる。


俺と同様皆も黙り込んで、思案中の模様だった。すると、全員がある人物に気付きバッと振り返った。その目線の先には、社さんがいた。


へと続く。

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まさかの社さんを全員指名(笑)

男の娘(笑)をエスコートするはめに🤣


そして新たに登場した、親戚キャラ(オリキャラ)のレイカ&レイコ(レイト)の双子姉妹(笑)

この世界における、日本の内閣総理大臣の孫姉弟でございます。父親の仕事の関係で、2人ともハワイで産まれて育ってます。

日本語・英語共にネイティブに話せます。


2人とも日本語を話すとき普段は標準語ですが、お母様影響を受けて時々京都弁になることもシバシバ(笑)

特に、レイカちゃんが影響受けてます。レイト君は、あまり京都弁使いません。


両親とも日本人(母親は、日英クォータ)なるので、キョーコ同様アメリカとの二重国籍ホルダーです。


小学生の時に、一夏を過ごした親戚や田舎の地元の子供達とのお話は他のストーリーにも使っており、その中に村雨君も含まれてるので、ここでも過去に知り合ってます。


更に言えば、このストーリーでのキョーコのお祖母さんもお婿さん貰ってますけどヒズリ家の人間ではありません。

確かに蓮(久遠)とはハトコではありませんが、かーなり離れた遠戚ではあるので全くの赤の他人と言うわけではないと言う設定です。クーさんもその事を知ってますが、殆ど赤の他人に等しい程の遠縁なので説明がメンドクサイから赤の他人として説明したしだいです。


続柄名もないような、ものすごーく離れた遠戚関係。

でも、共通のご先祖様を持っているんです。明治以前の幕末辺りに共通のご先祖がいると言う設定を作りました。


んでもって、平安時代に最上家のご先祖様に当たる人物の元に安倍晴明の子供(娘)が嫁いでる裏設定あり(笑)

キョコちゃんの怨霊(怨キョ)&怨力は、そこからきております。

クーパパある意味、キョコちゃんのご先祖様を当ててしまっております。























殆どキョーコsideで書いているこのストーリー。5話目は、久しぶりに連sideからストーリーが展開されます。

では、どーぞ!

⚠️「」→日本語。『』→英語。《》→電話通話になります。

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両親がキョーコちゃんを連れてってしまい、俺は悠人と社さんの3人でこれからの事を話し合うことにした。


「よし…トレーラーハウスの近くに人はいないな…。」


キョロキョロと周りを見返した社さんは、再び扉を閉めて鍵をしっかりとかけた。


「取り敢えず2人の立場を入れ換える為には、互いの情報交換をしないとな。蓮、お前のアメリカでの久遠時代の事をもっと詳しく教えてくれないか?」


「確かに、久遠の子役時代のこと俺は全く知らへんからな。知り合いだって沢山いるやろ。あとそれと俺が通ってたイギリスの大学の関係もあるから、それだけは教えとくわ。

久遠も一応知らされてるから、分かっとると思うけど…俺は、中学校からイギリスの学校に留学して卒業する前になスキップ試験受けたんや。

見事合格して、高校すっ飛ばしてロンドン大学に入学したんよ。」


「え!?そんな難関な試験に受かってたのか?」

「うそっ!まじで?凄い!!」


俺は驚いた…父さんから日本にいるイコトの悠人(いつの間にか呼び捨てになってます😅)が、かなり頭が良いらしいと聞かされた事があったけど、そこまでとは思わなかったからだ。



「でも実は、入学したの通信制の方でな。オンラインで自宅教育受けてたんや。どうしても昔からの夢だった小説家になりたいって気持ちも高くて、兎に角色んな作品書いては英国内と母国である日本の沢山の小説大賞に送りまくっとんたんや。

オンライン授業以外の時間は、小説書き巻くっとった。だからほぼ家の外に出てへんかったんや。


まぁでもホームステイしてたお袋のばあちゃんの実家には、トレーニングルームや室内プールとかあったし。

家がやたらと広かったからなぁ、庭もだたっ広いから外での運動もしてた。流石英国貴族の家やな、だから健康面では全く心配なし!

そんな生活してたら3年生の時に、今までの苦労が実ったのか、英国内のとある小説大賞に見事受賞したんや。それで作家デビューして通信制学部を卒業した。

んなもんだから大学での友達は、全くおらん。初書籍の時に金髪にして、家出て独り暮らし始めて本名隠して、ペンネームで生活しとった。


だから繁縷悠人(ひずり・ゆうと)が4年間イギリスに住んでなくても、オンラインで東京に住んで芸能活動しながら大学に通ってたってことにしとけばなんとかアリバイが作れる!

実際に、オンライン留学制度だってあんやし。」



とドヤ顔して笑いながら力説する悠人。それを聞いて、俺と社さんは項垂れてしまった。


「んな説明皆信じるか?無理ないか😥?」

「俺もちょっと無理あるかも…って、いやなんとかなるかな?」


社さんがトンでもないこと言ってきた。


「いや、だってさ実際に蓮だって日本の通信制高校通ってたんだろ?芸能活動しながら。社長に一応聞いたんだ、お前が17歳の時に紹介受けてマネージャーに付いてくれって頼まれた時に。」


確かに俺は、15歳の時に来日して本来の姿を封印して『敦賀蓮』として芸能活動を始めた。


その際に、社長に言われてせめて高校だけは卒業しろと言われて、仕事にあまり支障のない通信制高校なら素性を何とか隠せるからって社長の知り合いが理事長をしていると言う、通信制学科がある私立高校を受験した。


受験日には、特別配慮をしてもらい別室で1人のみで受けさせて貰った経緯がある(監督教師はいたけれど)。


実は一部の教師と、理事長だけは俺の素性を知ってるけどそのことを漏洩させないために秘匿することを誓約書まで書かせたらしい。


因みに、日本での運転免許を取得する時も警察署での一発試験を受けて合格して(1回で受かった)取得することで教習所での素性バレを回避している。


その時に担当した警察官と一部の警察関係者も素性を知ってるが警察官には守秘義務があるためバレる事はないと安心して受けたのもある。


そう言えば、あの時担当した警察官…俺の本名見て驚いてたものな😅

実力で日本の芸能界で頑張りたいって説明したら納得してくれたし、応援するとも言っていたのも覚えてる。あの時は、嬉しかったな。


実は、キョーコちゃんが通ってる芸能学科のある私立高校には、通信制学科もある。そこに俺は通ってたのだ。

それらの事を、悠人にも話した。


「お前も難儀なことしてたんやな、でもそれなら何とかなりそうやな。叔父さんも表向きには久遠は、海外に留学してるって事にしてるってゆうてたし。慎重に事を進めてれば立場入れ換えても気付かれへんかも。」


「まぁ…少し無理はあるけどな。ここはアメリカだしわざわざ日本やイギリスまで取材に行くパパラッチもいないと祈ろう!」


そして、俺と悠人は互いの過去の他の話しも共有して、交友関係の情報交換等を続けた。


「それでもか分からんかったら、取り敢えずこれ見て覚えろ。」


そう言って、一冊のノートを差し出した。


「俺のあらゆるデータやプロフィールを書いたノートや。」

「おい…最初から出してくれれば良かったのに😥」


とにもかくにも全て話し終えると、すっかり時間が経っていることに気付いた。


「あれ?もう3時間も経ってる!もしかしたらもうキョーコちゃん変身終わってるんじゃないかな?」


社さんが指摘すると、もう午後3時になっていた。両親が来たときはまだお昼前だったのに。

すると俺のスマホに着信が来た。社長からだ。


《そろそろ話しが終わる頃だと思ってな。こっちも変身終わったところだぞ。今夜、クーとジュリが招待されてるとあるパーティーに彼女も参加させる事にした。勿論、久遠もな。》


「え?パーティーに行くんですか?」


《ああマスメディアも集まってるし御披露目には丁度良い。それでなんだがな、お前が久遠として行くか?それとも悠人に久遠として行くか話し合え。そのパーティーは、呉前Pが言ってた例のパーティーでもあるからな。》


俺は深く考えて答えた。


「一晩だけ久遠に戻らせて下さい。俺が久遠として行きます。悠人には、ウィッグ被らせますから。俺たちもそっちに行きますいいですね?テンさんのいる例のビューティサロンですよね?」


《ああ、お前の母親が会員になってるアンジェリア(Angers)だ。》


「え?おい久遠?一晩だけ戻るって…パーティーってなんや?教えろ!」


俺は悠人にお願いしてパーティーの事と一晩だけ久遠に戻る事を許して貰った。

そしてタクシーを拾って、彼女のいる高級美容室アンジェリアへとやってきた。


すると受付ロビーの隣に併設してるティールームに、両親と社長とプラチナブロンドの女性と金髪の若い女の子がいるのに気付いた。

皆同じテーブルを囲み、和気あいあいとアフタヌーンティーを楽しんでいた。


他にも近くの席に座ってる人達とも楽しく話している。


「社長!ここにいたんですか。テンさんは?どこにいます?」


「おお蓮に久遠やっと来たか。」


「何ゆったりとアフタヌーンティーを楽しんでるんですか😒って……そこにいる女の子は…。」

「まぁまぁ悠人、そんなに怒らなくても…って花音もいたのか。」


ここにくるまでにタクシーの中で社長からのメールで、変身後のキョーコちゃんの名前と画像に、詳しい設定プロフィールが送られてきていた。

既に姿と名前は、分かっていたけれど…改めて本人を見ると目を奪われてしまった。


流れるような長い金髪に薄いブルーがかった琥珀色。パステルブルーのワンピースドレスに身を包んだ美少女がそこに座っていた。


「こ…久遠!それにイトコの悠人さんよね?写真で見たことがあるわ。始めまして花音です宜しくお願い致します。」


キョーコちゃん…いえ花音は、笑顔でそう言って握手を求めてきた。自然な演技で、俺を悠人として扱っている。

俺もハッとして咄嗟に演技をして返した。


「そうか君が花音だね?叔父や久遠から話は聞いてたよ。これからは俺が従兄になるから、呼び方はお兄ちゃんでもいいよ。」


握手をしてついでに変な願望まで言ってしまった俺😅


「早速シスコンっぷりを見せてどーする!ボケ!しかも兄貴じゃなくて従兄が先に言うか?」


と俺の額にデコピンを放ってきた父親がそこにいた…。


に続く。


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思ったより長い話になっちゃうかも?

書き始めたら止まらなくなっちゃいました(笑)


それと蓮って、日本での自動車免許ってどうやって取得したんだろ?って思ってたんですよね。

18歳の時には、もう既にそれなりの人気俳優になっていたらしいし、そんな時期に教習所通いなんかしてたら注目されるのは間違いない。


そしたら本名が、教官や受付・事務員にも知られてしまうし、下手したら素性がそこから世間にバレてしまう可能性が高い。


ってことは~警察署での一発試験しかないかな?と思った次第です。警察官には、守秘義務がありますので担当した警察官も素性を知ってもバレる事はないと判断してこう言った展開にしました。






























さてさてまさかのモデルへのスカウトされちゃった花音(キョーコ)ちゃん。一体どーなるのかな?

⚠️「」→日本語版。『』→英語 。〈〉→ロシア語となっております。

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まさかのモデルへのスカウト。

私は驚いてしまった。実は、私は正確に言うと日本生まれじゃないのよね……。


以前パスポート申請する時に、藤道先生にお願いして母に手紙送った時の返信に委任状と共に古いパスポートが送られてきてハワイで産まれてる事が書いてあって驚いた経緯がある。


産まれて直ぐに日本に私を連れて帰国したらしい。ハワイにいたのは1歳になる直前迄の約1年間だったとも手紙には書いてあった。

何故、遠く離れたハワイで産んだのかは知らされてない。いつか話すからとしか手紙には書かれてなかったのである。


その為私は、アメリカとの二重国籍だと言うことが判明している。だから仕事用の興業ビザの申請はしなくても良かった。

なのでアメリカでも働く事ができる…勿論、芸能活動もしかりだ。でもその事を皆には隠して渡米した。


その事は、社長も知ってる。

それと…アメリカ国籍のパスポートの方には、ミドルネームまで記載されてたもんだから更にビックリ。

二重国籍の場合、日本への出生届には、記載せずとも大丈夫らしい。


ハワイ州への出生届には、記載したのでアメリカのパスポートにはミドルネームが入ってたのだ。


そのミドルネームは、Kanon(カノン)と記載されていた。

私の正式なアメリカ人名は、

Kyoko Kanon Mogami(キョーコ・カノン・モガミ)。


そう偶然にも、この変身後の姿に付けられた名前と一緒だった。漢字があるのかは分からないけど。


『どうかしら?カノン。貴女の仕草を見てね気に入っちゃったのよ。もしかして英国式かもしくは日本でもレディ教育受けてない?』


母の手紙を思い出していたら、アマンダさんが私の瞳をジーっと見つめてきた。


『綺麗な瞳ね、不思議と光の加減で薄いブルーが見える時があるわ。そう言った所はジュリと似てる所あるわね、貴女の場合はグリーンだけど。ん?でもよく見ると、肌の色は少し白人とは少し違うような……でも綺麗な肌してるわね。

日本人の血も入ってるってさっき言ってたけど、パッと見は殆ど欧米人ね。』


『そうでしょ。私も花音の瞳は気に入ってるのよ名前もね。』


その様子をライアンさんに説教していた、クーパパと宝田社長も聞いていた。


『花音をモデルにスカウトするつもりか?それなら俺の許可が必要になるが?一応、日本にある俺の芸能事務所に所属させてるんだけどな。』


社長が真っ正直に言ってしまい、ちょっと慌てたクーパパとジュリママ。


『ぼ、ボス!それはまだ言わなくても💦』


『何言ってるんだ。お前がお願いしてきたんだろうが。もしかしたら色んな所から声がかかるかもしれないから、安心出来るエージェントに入れときゃ大丈夫だろって、俺の所に連絡よこしたくせに。』


社長までもが、即興で即席設定作って演技に参戦してきた。


『あら?そうなの?もう日本のエージェントに所属してるのね。』


『ああ、元々日本産まれの英国育ちだから二重国籍の持ち主だったからな、日本での芸能活動が可能な子だったんだ。それもあって俺の事務所に入れた次第だ。今は2人の娘になったからアメリカ国籍に変更してるぞ。

なのでつい先日、アメリカにある関連エージェントに転属させた次第だ。日本の事務所とは、業務提携として登録は残してあるがな。でもまだ正式デビューはしていない。』


う~ん社長も色々と考えてたのね。何だか楽しそうに見えるけど、他にも何か企んでそうなのは気のせいかしらね😅


『一応エージェントには、入ってるのね……分かったわそれじゃ諦めるしかないわね。

是非ともカノンにオススメしたい仕事があったものだから。とある大手アパレルブランドの新商品の広告仕事でね、一応オーディションもあるんだけど、カノンだったら絶対に獲れると思うのよね!チャレンジしてみない?

うちに所属してるモデルも何人か受ける予定ではあるの。でも皆あんまりイメージに合ってないのよね、だから探してたのよイメージに合うモデルを。』


アマンダさんが目をギラギラして、少し興奮して提案してきた。大手企業の広告オーディションって~そんなの受けて大丈夫なの~😵💦


『確かに、まだ1つも仕事してないからな。花音のデビューにはいいかもしれんな。よし!花音、オーディション受けてみろ!』


『え?社長宜しいのですか?私は、モデルの仕事なんて全く未知の世界で未経験だし……演技レッスンは受けてますけど。』


『何事も経験だ、やってみなきゃ分からないだろう。不安ならPA(パーソナル・アシスタント)も付けてやってもいいぞ。クーにジュリ、娘にオーディション受けさせてやれ。』


社長が2人に言うと、クーパパとジュリママは顔を合わせて頷いた。


『そうね花音、社長の言うとおり何事も経験よ。オーディション受けてみなさい私達も応援するわ。何なら私が一流のモデルレッスンしてあげてもいいわ。』


『おっしゃあ!花音がオーディション勝ち取ったら盛大なパーティーするぞ!』


『おっそれ俺たちも参加していいか?クー。』

『2人の娘なら、いけるんじゃないか?話題性も出るだろうし。』


クーパパやライアンさん(一緒にいた男性も)がもうオーディションを勝ち取ったかの様にいるけど……本当にいいんだろうか?と言うか、オーディションにもし受かっちゃったら『花音』として全米デビュー(?)することになっちゃうけど!?

そもそもPAとして来てたのに、モー子さんのPAどうしよう……😓


私が困っていると、社長がコソッと耳打ちしてきた。


「琴南君の事なら安心しろ、社が君の代わりをしてくれている。後で交代要員も来る予定だ。」


「ほんまですか?」

私は思わず日本語(しかも京都弁)で大きく喋ってしまい、周囲の人達を驚かせてしまった。つい口を手で隠し照れてしまう仕草を見せると皆が注目。


『ほら今の見たでしょ、日本語喋ると京都弁になっちゃうのよ。』


『あら可愛い❤️意外なしぐさね😄あ、そうだわ。もう1つ聞くの忘れてたわ。カノンって歌は歌えるのかしら?』


『歌ですか?いえ……学校の授業と日本の事務所の養成所で少しトレーニングを受けたくらいですかね?』


実は、BOX"R"の打ち上げパーティーの時に、監督がカラオケボックスのパーティールームを貸しきってくれて、カラオケしながら打ち上げしたけれど…その時くらいしか私は人前で歌ったことがない。

しかも演歌歌っちゃったし…でも異様に盛り上がったのは覚えてる。


『そうなの?名前からしてもしかしたら歌や音楽関係もいけるのかしら?って思ったのよね。パッヘルバルのカノン(Canon)から取ったんじゃないかって。』


ああ、そう言えばカノンって色んな漢字で書けちゃうものね。そっちのカノンと勘違いしちゃったんだ。


『いや花音の名前は、英語で flower melody って意味だ。頭文字もCじゃなくてKになる。』


あれ?私のアメリカ国籍のパスポートにも、カノンはKから始まってたけど…普通は、欧米人からするとやっぱりCから始めるCanon(カノン)が一般的よね?


私にミドルネームが付いてることを知ってるのは、母と私以外だと片桐先生と藤道先生、そして実はショータローの両親も知っていたらしい。

今年の4月終わり頃に、女将さんと久しぶりに会ったときに教えてくれた。

ショータローは、知らない。アイツにアメリカとの二重国籍であることも教えてない。女将さんも教えていないとの事。


渡米する前に、母にも一応連絡は入れてある。その時に、ミドルネームの事を何と無しに聞いてみた。

その時に、ミドルネームを名付けたのは私ではないと。

誰が名付け親なのかはまだ教えられないと言われてしまったからだ。


私のミドルネームの『カノン』……誰が付けたんだろ?


に続く。


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サブタイトルにもある、『花の音』の意味は色々と考えて決めました。

最初は、こちらをメインタイトルにしようかと悩んだんですよね。

いくつかタイトル案はありました。


①『花の音~fairy princess~』

②『flower melody』

③『Fairy princess~花の音~』

④『flower princess & fairy prince』


④は、ちょっと違うかな?と思って直ぐに却下。

②は、単純すぎ。

最終的に、①か③に悩み③に決定しました。


それとキョーコの二重国籍設定は、別のifストーリーから引っ張ってきました(笑)

ただこちらでは、ハワイ滞在歴を1年に変更。

ミドルネームの名付け親の設定も同じ人です。もしかしたらこっちにも出てくるかも?







続けてもキョーコsideから見たお話です。

さてどんな姿に変身するのかな?

⚠️「」は、日本語。『』は、英語。〈〉は、ロシア語です。

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リムジンに乗せられてやってきたのは、ハリウッドでもかなりのセレブ御用達だと言う会員制の高級美容室(ビューティーサロン)だった。


全面大理石の床にシャンデリア、いい匂いが漂う正にセレブリティな装いに私は呆けてしまっていた。


完全に、こんなピンクつなぎを着てる私が場違いな事に気付き今更ながら恥ずかしがってると……


『さあこっちよ最高の美容師が待ってるわ。予約したジュリエナ・デュリス・ヒズリだけど案内して貰えるかしら?』


受付の女性に英語で丁寧に受付すると、奥からまた洗練されたお洒落なスーツを着た女性がやって来て案内してくれた。

受付の際、芸名で尚且つ旧姓のデュリスだけではなく、ヒズリも名乗っていたのは、そちらがフルネーム(本名)だからだ。

クーお父さんと結婚した時、旧姓はミドルネームへと移行したらしい。普段は、ジュリエナ・D・ヒズリと簡略化してるとのこと。


「あのう…私、会員じゃないのにいいんですか?」


「いいのよ、ここは会員の家族や身内も利用出来るのよ。それに紹介状があっても使えるし、キョーコ貴女は親戚でもあるのよ。私が連れてきたんだからOKよ😉✨」


歩きながら日本語でコソコソ話していると、案内人(エスコーター)が大きな扉を開けてとある部屋へと招いてくれた。

するとそこにいたのは、ミューズ様ことミス・ジュリーウッズだった。


「はーいキョーコちゃん。久しぶり👋😆今日はヨロシクね!ミセス・ジュリエナの注文通りに欧米人美少女に変身させてあげるわよ!」


「ええ!?ミューズ様がやってくれるんですか?魔法のヘアメイクを?」


「勿論😉!誰もがヒズリ夫妻の娘だと言っても相応しい姿にね。」


私は、歓喜のあまりその場でプリマドンナ如く舞い踊ってしまい、社長とクーお父さんを呆れさせてしまっていた…でも……


〈あら素敵、キョーコ踊れるのね~私もバレエ経験あるのよ~~🎶〉


ローザ様(すっかり定着しております😅)が別の外国語(ロシア語)で、喋りだして一緒に踊り出した。


「おいおい2人とも踊ってないで、さっさと始めろよ😓」


「キョーコちゃーん、踊ってないでこっちいらっしゃい。早く始めないとブリーチしなきゃいけないんだし。それと殿方達は、出ていてくれると助かるんだけど?変身後の姿を楽しみに待っててくれるかしら?」


ミューズ様が社長とクーお父さんをホラホラと、扉の方へと押し出して扉を閉めた。


「ええ?俺だって変身途中見てみたいのに~😵💦」

「諦めろクー、数時間後を楽しみにしてようじゃないか。」


「さて始めましょうか、この椅子に座ってくれるキョーコちゃん?」


私は、内心ドキドキしながら椅子に座った。そしてクロスが首にかけられて目の前にある大きな鏡を見てから眼を瞑んだ。

完成するまで成るべく見ないようにしたんだ。楽しみにしてようって。


「さて私は、どんな風に仕上がってくか見させて貰うわね。仕上がり次第でどんなファッションにしようか決めたいのよ。一流モデルの審美眼センスが問われる所だし。」


そんな話を聞きながら、ミューズ様が私の髪を洗ってブリーチを着けて染め始めた。

途中で、人が何人か増えておそらくエクステンションを着けてるのだろう作業が急ピッチになった。

眉毛迄にも、染め薬がそんなに強くない物が使われてるらしい塗られていく。

まぁ、眉毛だけ黒いと変だものね😅


そんなこんなで約2時間かけて、私の髪の毛のチェンジが終わり次はメイクが始まった。

その時は、目を開けていたがローザ様が私の気持ちを汲み取ってくれたのか前の鏡には布が掛けられていたのである。


そして次に、同じ部屋内にある着替え室に案内されて、ローザ様が用意してくれた服に着替えた。

その服は、肩紐がレース錠になってる肩出しの薄いパステルブルーのノースリーブワンピースだった。

腰元は、後ろでリボンで纏められてる。

靴も、同じ色の可愛らしいレースが施されてるミュールサンダル。


両手と両足の爪を整えてこちらもまた水色のネイルが塗られて最後にローズヒップの香水が軽く吹き掛けられた。

アクセサリーは、華美にいか過ぎず元々着けていたプリンセスローザのネックレスを掛けている。


耳には、似た色の宝石が付いた小さなイヤリング。

左手首には、金のブレスレットが填められていた。白い花の形をしたチャームが付いていた。


髪の毛もかなり長くなってる事に気付いた。腰元まであるロングストレートで肩から下は、少しウェーブかかっている金髪だ。


「うん……イメージピッタリね。髪も似合うわ、瞳にはカラコンはいらないわね。そのままでも構わないわ。」


ローザ様は、私の姿に何故か涙を浮かべて嬉しそうな顔をしていた。

すると優しく私を抱きしめて来たのだ。


〈やっと会えたわ……花音😂〉


またロシア語(?)で何か言っている。私、ロシア語は分からないのよね。何て言ってるんだろ?


「あらごめんなさいね。ついちょっと感慨深くなっちゃって。私ずっと娘が欲しかったのよ……でももう子供は産めないし。実は昔ね、久遠が3歳の時に2度目の妊娠してたんだけどね、お腹の中で上手く育つことが出来なくて死産しちゃったのよ。産まれてたら女の子だったの。

名前も決めていたのよ。花音(カノン)か、花蓮(カレン)の二候補あったんだけど、知り合いのご夫婦に産まれた女の子がカレンて名付けられたから、花音にしようって。」


ロー……いやジュリエナさんが少し悲しい顔をして、昔の話をしてくれた。


「そうだったんですね…だからあんなに私の変身姿を楽しみにしてたんですね。」


「最近出たばかりの、スマホの写真アプリに面白いのがあってね、私とクーの顔を合わせてAIが判断してどんな子供が産まれてくるかって言うシミュレーションのを一度やってみたことがあったの。

男の子に設定してみたら、久遠にそっくりだったから、次は女の子でやってみたのよね。

後日、貴女の事をクーに教えられて知って、日本人ミュージシャンのPVに出てるって言うから公式動画があって見てみたのよ。

そしたらビックリ!若干の違いはあったけどよく似てたのよ。不思議ね、貴女とクーには血縁関係はないのに。」


すっかり笑顔に戻って私の手を取って、今度は大きな姿見の前に私を連れてきた。そこにも布が掛けられている。

私は、おずおずと待っていた。


「じゃあ…行くわよ!キョーコちゃん、お待たせ!これが花音になった貴女の姿よ!!」


ミューズ様が布をガバッと外すと、そこには完全に欧米人にしか見えない美少女が立っていた。


「え……?コレが私!?嘘……ショータローのPVの時の天使と似てるけど、でも雰囲気ちょっと違う?」


「どうかしら?気に入ってくれた?」


「どう?私の渾身のヘアメイクは?」


私は、本当に嬉しくて涙が出てしまっていた。


「嬉しいです~こんなに変身出きるなんて、やっぱりミューズ様は魔法使いですよ😂!」


「魔法使いって、大袈裟よ。ハッキリ言ってそんなに厚化粧してないのよ、やっぱりキョーコちゃんって髪型やメイクだけでもかなりイメージ変わるのね。

ダーリンから聞いたんだけど、曾お祖母さんが英国人らしいわね。その遺伝じゃないかしら?」


「え?そうなの?キョーコったらブリティッシュの血を引いてたのね……あら?確かクーのお母様も英国系アメリカ人のはず…………似てるのってもしかして……いや流石にないわね。でもそれなら、クーの親戚筋って設定活かせるわ。」


ジュリエナさんが何かブツブツ言ってたけどよく聞こえなかった。


「さぁ行きましょう。殿方達にもお披露目しましょうか。花音。」


「はい……ま、ママ😳💦」

そう言うとキョトンとされてしまった。


「ごめんなさい💦娘に成りきるならママの方がいいかな?って欧米人の方だとこの呼び方の方が無難ですよね?それともお母様の方がいいですか?」


「いえ、ママの方がいいかしらね。急に言われたからちょっとビックリしちゃったのよ。」


クスクスと笑いながら、嬉しそうに話し掛けてくれるジュリエナさん。暫くは、この人が私の母となる。

親子を見事に演じて見せようと、改めて決意した。


そして扉を開いて高級ビューティーサロンのロビーに2人して並び歩いていくと、立ち行く人達と数人出会ったが皆が私達を振り返って見ていた。


ロビーに着くと、隣に備えられているティールームに社長とクーお父さんが座ってアフタヌーンティーを舌つつんでいたのである。


他にも数人、いかにもセレブな人達がコーヒータイムや同じく談話しながらアフタヌーンティーを楽しんでいた。


『貴方お待たせ💓どう?花音の出来映えは?』


そう言って私は、2人の前に寄ってまるで貴族のお嬢様の様にスカートを少し積まんで軽く無言で挨拶をした。


するとその場にいた人達全てがシーンとなり、私に注目してきたのである。


『えっと……きょ、いや花音だよな?いやビックリしたよ。うん…綺麗だ俺の娘に相応しいな。俺達の娘になってくれてありがとう。これからは俺達が両親だからな、遠慮なくパパママって呼んでくれな。』


席を立って私の側にきて英語で、早速即興演技を始めたクーお父さん。私もそれに答えた。


『はい、ありがとうクーパパ。家族を相次いで病気で亡くした私を引き取ってくれて。感謝しきれません。』



私は、クイーンズイングリッシュを意識して話し始めた。


2人が考えた設定は、クーさんのお母様の英国に住む遠戚のご夫婦の元に産まれた女の子で、花音の母親もまた日本人とのハーフで父親は、英国人。


相次いで、重い病気にかかり亡くしてしまい母方の祖母が住んでる日本にやって来たけど、その祖母も、高齢で亡くなってしまい困っているところに、クーさんのお母様が葬式に来てくれて一時期にヒズリ家でお世話になることに。

その事をアメリカにいる息子のクーさんに相談したら、養女にしても構わない。と言う話になったと言う架空のストーリーをでっち上げたのである。


ちょっと無理があるんじゃないかな?とも思ったけど、最初は交通事故を想定したらしいけど、それだと事故の証拠が残ってないからってんでやめたらしい。

アメリカのパパラッチの情報網はかなりの捜査力を持ってる人もいるらしいので病死にしたと言う。



『ほう…かなりの美少女じゃないか?』

『あれはハリウッド俳優のクー・ヒズリだよな。』

『妻のジュリエナ・デュリスも一緒だけど、あのド派手な東洋人は何者だ😅?』


『俺メチャクチャ好みなんだけど。』

『ライアン、お前また悪い癖出てるぞ。』


『あら…綺麗で洗練された姿勢ね。かなりのレディ教育受けてるわよ彼女。間違いないわね。』


あちこちから、色んな話が聞こえてくる😳💦。

するとレディ教育がどうのと言っていた、女性が歩み寄ってきた。

背は高く、ジュリママと同じくらいありプラチナブロンドの髪の毛を綺麗にまとめてアップスタイルにしている、かなりの美女だった。

着てる服も明らかにハイブランドだ。


『はーいジュリエナ。久しぶりね。』

『あらアマンダじゃない、フランスに行ってたんじゃないの?』


どうやら2人とも顔見知りみたいだ。


『先日帰ってきたばかりよ。沢山のファッションショーで色んな新人モデル見定めてきたわ。疲れたわよ、久しぶりにリフレッシュしてくてここに来たの。クーも久しぶり。』


『ああ久しぶりだな、元気してたか?』


『まあね…で?こちらのお嬢さんは?お二人の娘さんになるって聞こえてきたけれど?もしかして養女に迎えるの?』


『おら抜け目ないわね。でもお察しの通りよ、この子の名前は花音(カノン)私達の娘よ。』


『へぇ……近くで見るとなんと無くだけどジュリにも似てるわね。もしかして親戚とか?初めましてカノン、私はモデル専門のエージェントを経営してるアマンダ・フェリスよ。因みに既婚者よ😉』


親切に既婚者だと言って握手を求めてきた。


『こちらこそ初めまして、Mrs.アマンダ。カノンと申します。』


『へぇ綺麗な英語ね。クイーンズイングリッシュに近いけどアメリカ人じゃないの?』


『この子は、日本で産まれて英国で育ったの。残念ながら私じゃなくてクーの親戚筋に当たるのよね。

少し前までは、日本にも住んでたわ。実のお母様が、日英ハーフでもあるのよ。だから日本語も喋れるわ、ちょっと癖あるけどねクーと同じく京都弁なのよ。』


ちょっと苦笑いしながら話していると、他にも数人寄ってきた。


『ミス・カノン、初めまして。』


私のすぐ側に、かなり背の高い体格の良い青年が寄って握手を求めてきた。

思わずギョッとしてしまい、ジュリママの腕にしがみついてしまった。

その様子を見て、クーパパが直ぐに動いた。


『おい!ライアン、俺の娘に近寄るんじゃねーよ。ロリコンかテメーは。カノンは、17歳だぞ!』


メンチ切ってるんですけど……その人は、クーパパと何度か共演したことのある人気俳優さんで、ライアン・バードさんと言って歳は30歳らしい。

確かに30歳では、17歳の私から見ればおじさんよね😅


『なら後1年経てば大丈夫だろ?18歳になれば合法だ。なーに芸能界なんて10~20歳違いのカップルなんてざらにいるじゃねーか。』


『そう言う問題か!!』


『ったく、男ってのはどうしてこうなのかしらね?それはそうとジュリ、カノンを私のエージェントに入れてみない?モデルに興味あるかしら?カノン。』


まさかの予想だにしなかったスカウトだった。


に続く。


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あらあら?あまりの美少女っぷりに本気モードのスカウトが来ちゃいましたね。

さてさて、どうするのかな?


それとジュリママがロシア語を話してるのは、コミックスを読み返してたら久遠(コーン)がグアムで日本人観光客相手にロシア語を話してたから、もしかしたらお母さんから習ったのかな?と思いましてロシア語が話せるんだろうと推測。


なので時たまロシア語が出てしまうと言う設定にしてみました。

日本語がペラペラなのって、どういう理由なんでしょうね?

元々、日本での暮らしも経験してるのかな?


⚠️2024.7.5 一部修正・加筆


















さてさて第2話も、キョーコsideから見たお話です。

突拍子もなしないきなりのクーパパさんの提案に2人はどう決意するのかな?

⚠️「」は、日本語。『』は、英語。〈〉は、ロシア語になります。

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「2人の立場を入れ換えるって……。」


私は、思わず敦賀さんと悠人さんの両方を指差してしまった。


「おいこらキョーコ人を指差すんやない😥」


金髪姿で京都弁で話す、コーンじゃなくて…悠人さん。何だか違和感が大きい。

悠人さんは、私に何だかお兄さん面って言うのかな?そんな感じでフランクに京都弁で話してくる。


「だってなコイツら髪と瞳の色が違うだけで、顔立ちや体格に身長に服のサイズから靴のサイズまで殆ど一緒だからな。声もそっくりんこ。どっちも欧米人の血を引いてるし、髪と瞳の色合わせても双子にしか見えんわ。

日米や日英ハーフの二卵性双生児って言っても何とか通じるぞ。」


私は改めて2人を見比べてみた。

確かに2人ってイトコって言うより、髪の毛と瞳の色を同じにしたら兄弟か双子にしか見えないかも😅


「そこで考えたのよ。ユートと久遠の立場を入れ換えて、セディを欺こうって。」


「それと今映画の撮影も中々捗ってないらしいじゃねーか。ボスから話し聞いてな、俺がちょっと手助けしてやろうと思い付いたんだ。同じ日本人が嫌がらせ受けてんのもな何かイヤだし、でもそれでへこたれるような役者だったらさっさと日本に帰れってのもあるしな。

ならどっちも解決出来るような、計画立ててみようって気になって考えてみたんだよ。それでキョーコもPAとして来てるってんで協力して貰おうと思ってな。俺たちの養女として娘役を演じて欲しいんだ。」


「え?養女?」


「ええそうよ。ほら私たちには息子しかいないのはアメリカの芸能界や芸能好きな一般人も周知だし、だから養女を引き取ったって言う設定でキョーコに私達の娘を演じて欲しいの。どうかしら?ちゃんと私達に合わせて、見事に変身させてあげるわ😉

因みに、夫のクーの母方の親族って事にするから金髪に髪の毛と眉毛も若干茶色く染めて、エクステンション付けて長くしなきゃね✨

用心のためにウィッグじゃ、直ぐにバレちゃう可能性があるから。大丈夫よ、最高の美容師がいるからヘアケアも安心して頂戴。

メイクも色々と試してみて~服はどうしようかしら?カジュアルも良いけど~~お嬢様なファッションも良いし~少し冒険してパンクッぽいのも良いかしら?

いやいやゴスロリも捨てがたいわね~~困っちゃうわ、いやんどれも似合いそう✨😄」


ローザ様……怒涛のごとく色んな姿の私を想像してるみたいで、独り言が止まらない様子に皆が少し引いていた😅


「と、取り敢えずジュリの事はほっといて。どうだ?2人とも俺の提案に乗らないか?」


「そもそも何で俺が悠人さんと立場入れ換えなきゃならないんですか?」


私もそれは、気になった。何でハトコの悠人さんがアメリカにいるんだろうって。


「あーそれはなぁ……おいユートお前から説明しろ。こんなことになったのは、お前にも原因あんだからな。」


少し怒った様子で悠人さんに詰めよい掛けるクーお父さん。

一体何があったんだろ?



「えっと~~実は、金髪にしたのってイギリスにいた時からなんや。イギリスに留学してた最初の頃は、地毛のかなり黒髪に近い茶色い毛してたんやけどな。

大学在学中に運良く夢やった作家デビューすることが出来て、ペンネーム作って活動してたんやけど初めての書籍出版する時に、著者近影写真載せなきゃいけなくて一度撮ったら……やっぱり日本にいる俳優の敦賀蓮にソックリだから、色々と検索されるんやないかな?って英国在住の日本人作家って言うのでちょっとした話題にもなって、日本語訳でも出版することが決まってたし、だったら金髪にすりゃ分からんやろ!って染めたんや。

んで卒業後もロンドン市内に住んで拠点にして、作家活動してたんや。それでな、次回作はハリウッドを舞台に小説書こうと思って取材旅行に来てたんよ。」


その説明を受けて、はぁっとタメ息をつくクーお父さん。


「それでなコイツがカメラ片手にハリウッド市内を観光してる時に、偶然俺が今出演中のドラマの撮影が街中でやってて、その撮影を見てる野次馬の中に何だか見覚えのある顔があったもんだから…思わず駆け寄って久遠!?って大声で呼んじまったんだよ。

そしたら、周囲が騒然しちまって慌ててそのままトレーラーハウスに連れ込んだんだ。」


ハハハと苦笑いする、悠人さん。


「流石に俺もビックリしてもうて、最初ハテナ?状態やったけど、直ぐに叔父さんって言ったら俺が悠人やって気付いてくれたんや。」


「俺と勘違いするなんて…😥」

「その姿じゃ、間違えるのも無理ないですよ。」


「私も驚いたわよ。夜クーが帰ってきたら、久遠まで一緒にいたものだから漸く帰ってきてくれたんだと思って、泣いて抱きついちゃったのよ。」


私もその場の映像が、難なく想像出来てしまった。


「ジュリ叔母さんまで俺を久遠と間違えるし、少し前にビデオレター送られて来たってゆーから見せて貰ったら、本当におれそっくりんこ。そしたら今度アメリカで映画の撮影があるんで帰ってくるって聞いてな、計画に協力しろって!言われたんや。

最初は渋ってたんやけど、キョーコの事もいるぞって、久しぶりに会える!ってラッキーて思うてな、いっちょ協力したろ!って。決めたんや。」


悠人さんがその説明に加えて、その日の夜には金髪姿の写真とクーお父さんとのツーショット写真が幾つも既に撮られてしまい、TwitterやInstagramにまで載って拡散されてしまったのもあったらしい。


「分かりました…そう言うことなら協力します!なんでもします。死んだフリだって出来ますよ~何だったら幽霊演じてもええわ😈👻」


「いやそこまでやらんでええから……😅」


するとトレーラーハウスの扉をドンドンとノックする音がして、クーお父さんが扉のガラス部分から覗くとそこには社さんが立っていたらしい。


「ちょっと!蓮!開けてくれ、皆でこそこそ何話してるんだよ!ちゃんと説明しろ!キョーコちゃんと本当に親戚なのか?ハトコなんかよ?今まで彼女を騙してたんか!?さっきハウスが揺れてたけど一体何があったんだ!?」


「ヤバい……どうするんですか?社さん心配してるみたいだし、ちゃんと説明した方がいいんじゃ?一応私のマネージャーもしてるし…。」


私が慌てて、扉のカギを開けて社さんと目が合うと……


「キョーコちゃん?どうしたの目が腫れてるよ。何があったの?泣かされたの?」


私の両腕を思わず握りしめ聞いてきた。するとクーお父さんが社さんの腕をとりハウス内に招き入れた。

扉を閉めてカギをまた占めると説明しだした。


「社マネージャー安心しろ。もう大丈夫だキョーコにはちゃんと親戚だって説明した。蓮は、俺の甥っ子の悠人なんだよ。訳あって素性隠してたんだ、それで久遠とも幼い頃に会ってるんだ。息子とは赤ん坊の時だけじゃなくて、小学生の時にも会っててな所謂幼なじみ的な関係でもあるんだよ。」


「ええ!?そうなのキョーコちゃん?」


「は、はい……私も気付かなかったんですけど、コーン…いや久遠さんとは互いに親戚だとは知らずに私が6歳の時に会ってたんです。私は、勘違いして久遠さんのことを妖精の王子様だと信じきってしまって…。まさかこんなに近い人だなんて知りませんでした😳💦」


するとコーンに成りきった悠人さんが話を続けてくれた。いつの間にか、2人ともカラコンを入れ直していて緑色の瞳と濃茶色の瞳に戻っていた。


「本当にすみませんでした。いきなり現れて驚かせてしまって。久しぶりにキョーコちゃんに会えると思ったら体が早く動いちゃったんですよね。」


と満面の笑顔で敦賀さんと同じくエンジェルラダーを放ってきた。悠人さん……貴方も俳優出来ますよ。


「マジでか…蓮お前知ってて、血の繋がった又従兄妹にモーションかけてたんかい!しかも歳までサバ読んでたのか!?2歳って本当は、6歳違いじゃねーか!バレたら流石にロリコンやシスコンと思われるぞ!」


そう言って敦賀さんを指差す社さん……その話に、クーお父さんとローザ様に悠人さんがシラーっとした目付きで見てきた。


「ふーん……まさか、コイツがキョーコにねぇ😏まぁでも日本と英国の法律ならアメリカでもだけど、ハトコ同士の恋愛や結婚はOKだしな😄いいんじゃね?ダハハハ!!」


クーお父さんがからかってきて思わず照れてしまった私なのです😳💦


「イトコに取られるとはね…俺だって狙ってたのにな。せっかく留学先から帰ってきたのに。」


ボソッとコーン(面倒くさいのでコーン呼びになってます)に成り済ました悠人さんからも言われてしまった。


「あらキョーコモテモテね🎵😉✨私はどちらでも構わないわよ。姪っ子になるのも、娘になるのも。どっちにしても暫く娘を演じて貰うんだから、久遠とは暫く仲の良い兄妹を見せて頂戴ね😉✨」


「はい?兄妹って……どういう事ですか?何か企んでませんお二人とも?説明してくれませんかねぇ……でなければこれがどうなるか分かってるよな?蓮。」


社さんがテーブルの上に置いてあった、敦賀さんのスマホをいつの間にか奪っていた。しかも素手で……。


「あー😱💦社さんそれは!返してください!」

「社さん、返して上げて下さい!早く!!」


何とかスマホを返して貰うと、クーお父さんが全て説明。

敦賀さんの素性も外に聞こえないように告白すると、あっけらかんとした顔をしまっていた。


「マジかよ……んな事がお前の過去にあったなんて、信じられないな😓」


「まぁそんな事だから、ヤッシーにも手伝って貰うぞ。セディの天狗鼻な鼻っ柱折って横柄な態度を改める作戦。あの偽物プリンスには、他にも煮え湯飲まされた連中が沢山いるからな。俺の信頼のおける何人かの同業者にも協力してもらうつもりだ。」


いつの間にか、ヤッシー呼ばわりされてた社さん……次いでにかなり大がかりな凝った作戦である事にも気付いた私。


「さて、そうとなったら早速!キョーコには、変身して貰わなくちゃね。行きましょ!キョーコ!」


ローザ様が私の手を取って、鍵を開けてトレーラーハウスから飛び足すと続けてクーお父さんが追いかけてきた。

けどコーンになってる悠人さんは、その場に残ったみたいだ。


「楽しみだわ~どんな娘になるのかしら?」


サーカスを抜けて撮影所の外に出ると、大きな白いリムジンが停車しておりその中に殆ど無理やり押し込まれたのである。


慌てて追いかけてきたクーお父さんも乗り込むと、そこには宝田社長もいた。


「やっと話が終わったか。さて始めるとするか偽物プリンスを欺く作戦計画を。」


ニヤリと企みような顔をしてきた社長。


「名前も決めてるのよ。花の音と書いて"カノン"と言うの。久遠(クオン)と花音(カノン)なんと無く似てる感じもするでしょ😉✨?」


一体どうなるんだろうか……一抹の不安を抱えて私は、何処かへと連れていかれてしまった。


へと続く。


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サブタイトルの『花の音』は、キョーコの変身後の名前から取ってます。


メインタイトルの『Fairy princess』は、妖精の女王様なジュリママさんの娘と言う事から付けました。


さて次回話は、キョーコの変身ストーリーです!














またしても書き始めてしまった、ハリウッド編のifストーリーです😅

別のカテゴリの『if storys』とは、別にしました。

実は随分前から予想展開していたお話でもありますが……もしかしたら原作者先生も同じ事考えてるかも?と危惧して今まで書かなかったお話です。

でも中々ストーリーが進まないので、モヤモヤしてしまい我慢できなくて書き始めた次第です。他のifストーリーと同様オリキャラ(親戚キャラ)出ます。

そしてある人の言動がキッカケで、蓮との関係性が一気に変わる展開が起きます。

まずは、キョーコsideから見たお話になります。

⚠️「」は、日本語。『』は、英語。〈〉は、ロシア語になります。

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私が、モー子さんのPAとして一緒にハリウッドに渡米してから2週間が経った。


最初、撮影に入る前にアメリカ人キャストからの嫌がらせが続き村雨さんが、ビル・ネルソンと言う若手俳優と喧嘩騒動を起こしてしまい一触即発になるところを敦賀さんが何とか止めてくれたのと、流石にやり過ぎだとレナード監督も指摘してくれたお陰で今のところ表だった問題は起きていない。


まぁ相変わらず、アメリカ人キャストとの共演シーンが終わると、ビルは直ぐに離れてアメリカ人キャストの仲間の所に行ってしまい全く話すこともない。


「ったく、相変わらずね。ビルって何考えてるのかしら?」


モー子さんもイライラしているし。先程まで、モー子さんと共演シーンを撮影していたんだけど、何か嫌々演じてたって感じが見えていたので何度もNGを食らってた。


「私もそう思う。ちゃんと映画を完成させようって気持ちないんかい💢」


私は思わず、京都弁が出てしまった。何故かアメリカに来てからイライラが募ると京都弁が出るようになっていた。

ショータローのお母さんである、女将さんの影響だろうか?


私は、幼い頃から母から京都弁を使うな。なるべく標準語で話すようにと何故か教育を受けていたのだけど…やはり周りの人間が京都弁を話しているせいか、やはり影響を受けていたらしくてたまにだけど京都弁が出ることがある。


「あんた…また、お国言葉出てるわよ。その般若顔で京都弁やめなさいよ、別の意味で怖いわ。」


モー子さんも指摘してくるし。


「え?また出てた?何でかしらね、最近どうも京都弁が出るようになっちゃって…何でやろ?」


「京都弁と言えば、去年あんたがお世話係したクー・ヒズリさんも京都出身よね?もしかして、幼い頃会ってたりするの?出身地域って嵐山町らしいわよ。あんたも嵐山だって言ってたわよね?」


モー子さんが私とクー先生の事を聞いてきて、あれ?と私も思った事がある。去年、先生のお世話係した時になんと無く不思議な既視感を覚えたのよね。

頭を撫でられた時も、何だかホンワカする気持ちも起きたし。

ん~~お母さんに電話して聞いてみようかな?


「日本人キャスト並びにスタッフとマネージャーの皆さん、ちょっと集まって下さい。」


私が深く考えていると、呉前Pが私達を呼び集めた。


「何かあったんすか?」(村雨)

「また、セディのワガママ炸裂?」(古賀)

「ええ~またぁ?」(エミリア)


村雨さん達が、愚痴を言ってると各々のマネージャーさんたちが宥めていた。これも良く見るようになった光景だ。


「ちょっと流石に若手キャスト達の仲が悪すぎると、ベテラン組からの指摘がありましてね。何とかならないかと。

そこで、監督と演出家の方達と話し合いまして、アメリカ人キャストだけのシーンと日本人キャストだけのシーンを先撮りすることにしました。双方の共演シーンは、後撮りとなります。

それまでの間に、仲違いを解決して欲しいんです。取り敢えず、アメリカ人キャストのみのシーンから撮りますので、皆さん話し合って何とかして下さい。

それに今夜は、映画のスポンサーの1つであるアルマンディの創立50周年記念パーティーがあることをお忘れですか?専属モデルである敦賀君は、当然招待されてますし日本人キャストの皆さんも招待されてるんですから、世界各国からマスコミも沢山来るのは間違いありません。

そんなメディアの前で仲が悪いところ撮られたいですか?」


呉前Pからの、お願いに私達は困ってしまった。

その後、日本人キャスト並びにスタッフ(マネージャー・PA含む)全員は、撮影所から出るように言われてしまい撮影所内に設けられてる日本人キャストが使用してる、マリアちゃんのお父さんが社長をしている会社が経営してる飲食店へとやって来た。


因みに、そのパーティーにはマネージャーも含まれており、PAである私も招待状を受け取っていた。

アメリカでは、芸能人のPAは憧れの職業の1つになってるらしい。一緒にパーティーに参加することでメディアに取り上げられてそこからスターダムにのしあがる可能性もあるんだって。


「ったく、仲違いをやめろってもさぁ、どうしろっつうんだよ。特に、ビルとは俺相性悪すぎだし。ざけんなってんの!」


村雨さんがかなり腹が立ってるみたいで、テーブルに拳を立ててその場にいた全員を驚かせた。


「落ち着けって、村雨君。俺もどうにかしたいけどさ、こればっかりは君がキッカケ作っちまったのもあるだろうが。」


力也さんが村雨さんを宥めていると、私の後方から気配を感じた瞬間、周囲の人達がシーンとなり目を大きくしてあんぐりした表情(?)を見せてきた。

すると、私の左肩にトントンと指が差しのべられてる事に気付き後ろをばっと振り向いたら……


「よっ!元気にしてたか?息子よ!いやこの場合、娘って言った方がいいか?」


ニカッと笑い、私を息子いや娘呼ばわりする日本を代表するハリウッド俳優クー・ヒズリさんの姿があった。

そして隣には、妖精の女王様の如く金髪キラキラ・光の加減で赤銅色に変わる緑色のミスティックアイズの持ち主であられる奥様のジュリエナ・デュリスさんこと、フェアリークィーンなロザリンド・ベス・ローザ様(※キョーコが考えた大人になったプリンセス・ローザ様の名前)がおられたのである。


「初めましてキョーコ。嬉しいわ~~娘に会えて😊」


流暢な日本語で、私に抱きついてきたローザ様(勝手にそう呼んでます)。


「ふにゃあああ~~何ですか~~いきなり!ふがっ、豊満なお胸様が~~😳💦」


「んなななな!何でクー・ヒズリさんが京子ちゃんとこに来てんの?ってゆーか、娘ってどーゆーっこっちゃ!?」


村雨さんがかなり驚いている様子だったけど、私は余裕がなくて周囲がどうなってるか分からなかった。


「よう力也さんも久しぶり!他のベテラン組も懐かしい面々が何人かいるな。」


「おいおい、周平…じゃねー!クーじゃねーか。何でこんなところにいるんだよ。」


漸くローザ様の豊満なお胸様から解放されると、ベテラン組キャストの皆さんと和気ワイワイと話していたクー先生。

若手組は、ビックリしたままだった。敦賀さんに至っては、ボケーっとしていた。

それ程までに、驚いたのであろうか。思わず私は、敦賀さんのもとに駆けつけて手を振ると…


「敦賀さん?何ボケーっとしてるんですか?」


やっと私に気が付いたのか、私の方に顔を向けた。


「え、ああ…ちょっとビックリしちゃってね。思いもかけない人が現れたもんだから。」


すると今度は、古賀さんが私に聞いてきた。


「京子ちゃん?クー・ヒズリさんが娘って言ってたけど、どう言うこと?まさか…京子ちゃんって、クー・ヒズリさんの隠し子だったの!?」


どてっ!!


私は思わず、前のめりにズッコケてしまい。慌てて訂正した。


「ち、ちちちち違います~たまたま去年、ラブミー部の依頼で来日した時にお世話係をしたんです。その時に、演技指導受けて息子さん役を演じて、そんときに私は父親がいないからクー先生がお父さんと思って構わないって、親子の杯交わしてやるって言われたんですわ!それで、先生は私にとって芸能界のお父さんになったんどす!だから実の親子ちゃうわい!」


私は、息せききって京都弁になってしまい説明すると、先生が私のところにやって来ていきなりデコピンをかました。


「何すんねん~~いきなり~😭」


額に手を当てて涙ながら言うと……


「こら!キョーコ、俺の事は"父さん"と呼べと言ったやろ、忘れたんかい!」


先生までもが京都弁になって話してきた。


「だって~こんなところで"父さん"なんて呼んだら、皆勘違いしてまうし……。」


「いや何だか2人とも京都弁で話してると、父娘っぽいぞ(笑)京子ちゃんってなんと無くだけど雰囲気がクーに似てるところあるし。同郷なら親戚の可能性もあるんじゃ?そこんとこどうなの?」


力也さんが笑いながら指摘してきて、私達は皆の注目を浴びてしまった。


「そう言えば前からちょっと気になってはいたんです。先…クーお父さんは、私の母の事知ってますか?最上冴菜って名前で弁護士やってるんですけど……。一応、戦国時代かな?最上家は、その辺りから先祖代々嵐山に住んでるらしくて、最上氏って言う武士の家系でもあります。

昔、祖父母が生存してた頃は、剣道道場も開いていました。母が、成人する前に2人とも亡くなってしまったので今は開いてません。」


私は、同郷なら親戚でなくとも少なくとも母とは顔は知ってるかな?と気になってはいたので思いって聞いてみた。

すると……暫く無言になってしまい、ふぅっとタメ息をついて口を開いた。


「ああ…知ってる。幼馴染みの近所のお姉さんだ。お前んちの道場にも幼い頃から中学生まで通ってた事もある。お前のじい様は、俺にとっちゃ剣の師匠でもあるな。

俺の祖父母とも交流があった。俺との血縁関係はねぇが…実は、兄貴の嫁さんがお前の母ちゃんと母方の従姉(イトコ)に当たるんで、姻戚関係での親族にはなる。

兄貴の息子つまり俺の甥っ子は、お前の母方のハトコになる。昔ちっこい頃に会ってるハズだけど、覚えてねーか?悠人(ユート)ってんだけど。」


その話しに、その場にいた全員がシーンとなった。

するとクーお父さんがジャケットの内ポケットをゴソゴソして何かを私の前にピラピラと差し出した。


「ほれ、兄貴にお願いして何体か写真寄越してくれたわ。俺が抱いてる赤ん坊、これお前だ。それと甥っ子のユートと息子の久遠とのツーショットも何枚かあるぞ。」


私の前に差し出した写真の視線が行き……良く見ると確かに今より若いクーお父さんが黒髪の女の子ッポイ赤ん坊を抱いてる写真と、何だか敦賀さんを幼くしたような可愛らしい5~6歳くらいの男の子と1歳くらいの私(?)と手を繋いで立って寄り添って撮られた写真とその男の子と一緒にお布団で寝ている写真。


それとコーンをちっちゃくしたような金髪キラキラの幼い男の子が赤ん坊の私を抱えて一緒に和室で座ってる写真と、子供用プールで遊んでる写真もあった。


「はい……これって、私なん?ここに映ってる男の子がハトコのお兄さん?お母さんのイトコのお姉さんがクーお父さんのお兄さんに嫁いでる……ってそんなん聞いたことあらへんわ!親戚って……何でそんな大切なこと教えてくれんかったんや!」


最終的に私は怒りだしてしまい、テーブルに手を掛けて上げようとしてしまったので慌てて周囲にいた人達が止めてきた。


「京子ちゃん!落ち着いて!!テーブル置こう😵💦」


「そうそう!何か事情でもあったんだろう、君のお母さんがヒズリ家と親戚関係にあること。そーだよな?クーさんよ。」


力也さんが私の両肩に手を置いて宥めてきた。


「ああ、ちょっと訳アリでな。今まで隠してたんだ。俺と親戚って分かるとキョーコにコネだとか七光りとか言われるってものあったけどな。特に甥っ子のユートが芸能人ってのもあったし。俳優とモデルやってんだよ。」


と言って、何故か敦賀さんの方に顔を向けて説明してきた。

クーお父さんのその素振りと目線に私達も釣られてしまい、同じ目線に。

目線の先にいる、敦賀さんはまたしてもボケーっとしてるより何か驚いた目付きをして不動にせず黙り込んでいた。

そして、私はクーお父さんから渡された内の1枚の写真を持って敦賀さんの前に歩いていって、その写真の男の子と敦賀さんの顔を何回も見比べた。

やはり、男の子の顔と敦賀さんの顔には面影がある、似ている、大きくなったらこんな感じになりそうと言うイメージがある。


「悠人さん……なの…?敦賀さん?」


そう言うと、敦賀さんがやっとハッとして私に顔を上げて口を開いた。


「あ……えっと……その…ち……。」


何か言い欠けた瞬間、後ろからまた別の声が聞こえた。


「そうだよキョーコちゃん。彼は、俺のイトコのユートだよ2歳年上だけどね。本当は23歳、2歳サバ読んでたんだよ。」


その声に私は振り向いたら、そこには金髪・緑色の瞳を持つ青年が立っていた。顔立ちは、敦賀さんにソックリだけど瞳と髪の色が違うだけの人物が。


「え、コーン!?どうしてここにいるの?妖精界に戻ったんじゃなかったの?」


そのセリフにいきなり敦賀さんが椅子から立ち上がって、コーンと私の手を取ってその場から走り出した。


「2人ともこっちに!話は俺のトレーラーハウスでしよう💦」


「つ、敦賀さん?いや悠人さん?どうしたんですか~~😵💦!?」


「おーいユート!なんなんだよ!!」


「ちょっと待て~おーいユート!久遠とキョーコ何処に連れてくきだ~~!!」


「あなた~待ってー!久遠を連れてかないで~💦」


コーンまでもが、敦賀さんの事をユート呼びしている。やっぱり敦賀さんがハトコのお兄さんなの?

クーお父さんとローザ様が走って追いかけてきたけど、クーお父さんまでもがコーンの事を久遠と呼んでいた。どー言うこと!?


走ってるとサーカスにやってきて、敦賀さんが使用しているトレーラーハウス内に私達4人は押し込まれた。

鍵を閉めた事を確かめると、エアコンのスイッチを入れて冷蔵庫から水を出して一気飲みもした。

いつものクールな敦賀さんらしからない行動に唖然としてまって驚いてしまった。


「一体何を考えてるんですか!?2人とも!それにこの金髪男は?もしかして悠人さん!?何でこんなことするんですか!?」


「あら、やっぱりバレちゃった😅やっぱり身内は騙せないわね。」


ローザ様がテヘペロなんて、行動するもんだからワケわかんなくなってる私に、コーンに向かって話し出すと……


「ねぇコーンどう言うことなの?コーンは、妖精の王子様なんだよね?」


「はい!?妖精の王子様?なんやそりゃ?おいおい久遠これってどういうわけなん?キョーコは、まだかなり幼かったから覚えてへんの分かるけど…」


今度は、コーンが敦賀さん向かって『久遠』呼びをしている。なおさら良く分からなくなった私。


「何どういうことやねん?敦賀さんが悠人さんやのうて、コーンで久遠さんで……あれ?でも久遠さんは亡くなってるやなかったっけ?」


「おい!キョーコ、俺の息子を亡き者にすんやない!」

とまたしてもデコピンしてきた。


「だって~前に、大人になった息子の姿を見ることが出来ないって言ってたやないか!」


「それは、コイツが日本で俳優活動するために金髪・緑色の瞳じゃ日本人に見えないから、本来の姿を封印して黒髪に染めて普段はカラコンしてるからだよ。敦賀蓮は、芸名なんだ!本名は、久遠・ヒズリ。俺たち夫婦の一人息子。

んでこっちの金髪が俺の甥っ子で、お前の本当のハトコの悠人だ。ある事情から、久遠のふりさせるために金髪に染めさせて緑のカラコン入れさせてる。因みに、コイツの本来の瞳の色はキョーコと一緒のかなり薄く青みがかった琥珀色だよ。」


「はい?敦賀さんがお二人の息子さんの久遠さん?どういう訳や?」


「ゴメン!キョーコちゃん今まで隠してて、俺がコーンなんだよ……妖精の王子様を演じてたんだ。」


そう言いながら、敦賀さんが左目に指を差しのべて有るものを取り出した。それは、濃茶色のカラーコンタクトだった。

そして外した本来の瞳は、ローザ様と同じ光の加減で赤銅色から緑色に変わるミスティックアイズ……。


「え……?コーンと同じ…ローザ様とも同じ?」


すると私の手を取って、ソファーに座るように言われたので黙って座ると敦賀さんは右目のカラコンも外して両目を前髪を上げてちゃんと見せてくれた。


「やっぱり同じだ……何で?コーンと一緒って…だってここにいる悠人さんだって言ってるコーンにソックリな人も緑色の瞳してるし。」


「だ・か・ら!さっきからゆーてるやろ。ほれ、この通り俺もカラコン入れてんねん。」


コーン(?)も左目に指を入れてカラコン外して本来の瞳の色を見せてきた。

するとそこには私と同じ琥珀色の瞳が。色加減で、本の少し青みがかった色も見え隠れしている。

実は、私も日本人にしてはかなり薄い茶色い瞳をしていて、所謂『琥珀色』と呼ばれる瞳をしている。尚且つ、普段は気付かないが本の少し青みがかった色がたまに見える事があるのだ。


母が、青みがかった茶色い瞳をしてるのでその遺伝だと女将さんからは聞かされていた。

何でもご先祖様に外国人がいるらしくその影響らしいと、でも詳しくは聞かされていない。


「久遠?妖精の王子様ってのはどう言うことなんだ?皆に分かるように説明しろ。」


クーお父さんが、敦賀さんに聞くと深呼吸をして何かを決意したかのように言ってきた。


「分かりました。全て話します。キョーコちゃん、本当にごめんね。実は俺は、さっきクー・ヒズリさんが言った通りでこの2人の息子の久遠なんだよ。素性を隠していたのは、他にも理由があるんだ聞いてくれるかな?」


「はい……。」


私は、そう頷くと敦賀さんは話を始めた。

アメリカで生まれ育って、クー・ヒズリさんとジュリエナ・デュリス夫妻の一人息子として知られ、子役をしていたこと。

両親のネームバリューで仕事を獲ってると揶揄されたり、生意気だと色んな作品で降板させられたり。


母方のイトコである、セドリック・D・ベネットさんからの度重なる嫌がらせや取り巻きからの暴力行為に耐えながら芸能活動していたけど、とうとう耐えられなくなって反撃に出たら兄のように慕っていた人物が自分の行為がキッカケで事故で亡くなってしまったこと。


もうアメリカでは俳優活動は、出来ないと判断してクーお父さんが昔お世話になった、LMEプロダクションの宝田社長に誘われて日本に行くことを決意したこと。


そして、子供の頃に父親と共に京都の実家にやって来て、近くの森の中で私と出会った事を話してくれた。

その中で、私とコーンしか知り得ないことを話してくれたので敦賀さんがコーンであることを私は確信したんだ。

私は、思いっきり泣いてしまってその場にいた皆を狼狽えさせてしまった。


「ひ、ヒドイ…何でそんなことに😭」


「本当にごめんねキョーコちゃん、俺は君の純粋な気持ちを汚したくなくて妖精の王子様を演じきることにしたんだよ。おそらくこれからは会うこともないだろうって思ってたもんだから…。

でもこうして再会して、まさか親戚だと言うことも知らなかったし。騙し続けるのも君に悪いし、状況的にこれはもう話した方が言いと思って決意したんだ。」


敦賀さんが私の両肩に優しく手を置いて、意を決して話してくれたことを告白。

その話し内容に、改めて敦賀さんのご両親が涙ぐんでいたのにも気付いていた。


「俺たちももっと早く気付いてやればよかったんだよな…。」

「そこまでの嫌がらせ受けてたなんて、初めて聞いた話しもあったわよ!何で話してくれなかったの?」

「トンでもねー奴やな、セディって。胸くそ立ってきたわ。」


私も、素性の告白もさることながら、改めてセディのワガママ王子様に対して憤慨し始めていた。


「セドリック・D・ベネット……許すまじ……末代まで祟ってやるわ~~😈!!」


その般若のごとくな悪鬼な雰囲気を出し始めた私の影響か、皆に差し出していたお茶の入ったグラスが割れ、トレーラーハウス自体も揺れ始め皆が私から仰け反った。


「おい!またかよ💦コイツハンパなく怒ると怪奇現象起こすんだけど!何なんだ!?武士だけじゃなくて陰陽師の血も引いてねーか😅?」←※クーパパ経験済みです(笑)


「あらファンタスティック💕キョーコ面白い特技持ってるわね。」


「そー言う問題やないと思うんやけど……😅」


「しかし、キョーコもこう言う気持ちあんなら俺の提案気に入るかも知れんな。どうだ?2人とも、セディの鼻っ柱をおる計画に参加しねーか?」


「「はい?」」

私と敦賀さんが思わずハモってしまった。


「何簡単な事だよ。久遠と悠人の立場を入れ換えるんだ。ほれこの通り金髪に緑目にすりゃ、久遠と瓜二つになるだろ。それと~キョーコには俺たちの娘になってもらう!どうだ?」


に続く。


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ははは~~😅またやっちゃいました。

でも今回は、悠人くんだけで蓮とは血が繋がってません。

どうしても私は、キョーコと蓮との親戚関係にしちゃう癖あるんですよね。

でもキョーコの実家の地域的にあり得るからなぁ。

さてさて、こちらのifストーリーではどんな展開が起きるでしょう?

やっぱりショータローも出しちゃおうかな?

次回話も楽しみにしてくださいね( ̄∇ ̄*)ゞ


⚠️2024.6.26  一部加筆&修正