やれやれやっとのこさオーディション編に入れそうですね。
久しぶりにキョーコsideから見たお話です。
⚠️「」→日本語。『』→英語。《》→ロシア語。
〖〗→フランス語。〔〕→中国語。となります。
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昨夜のパーティーから一夜明け、私は今バーテックス・ピクチャーズスタジオにいる。
映画『Route(ルート)』の撮影が行われてる、映画スタジオだ。
一緒に久遠さん姿の悠人さんが来ていて、ルートの撮影を見学に来ている体で演技をしている。日本人キャストの皆さんへの差し入れも兼ねていた。
「おお~~美味しそうな、いなり寿司!」(村雨秦来)
「凄ーい、これって花音ちゃんが作ったの?」(恵エミリア)
「こんなに沢山大変だったんじゃない?」(古賀弘宗)
「日本食作れるんだな。感心したよ。」(力也)
「私も一緒に作ったんで皆さんどうぞ。」(京子/レイカ)
皆さんが喜んでくれて、誉めてくれ私も嬉しかった。
「うんまい!唐揚げも最高!2人とも料理センス抜群!どっちかお嫁さんに来ない?なーんて😁」
村雨さんが私達に冗談めいて言うと、敦賀さんと久遠(悠人)さんが笑顔だけど怒りを込めたような感情を出してきて……
「「誰が嫁にやるか!」」(蓮&悠人)
「2人ともシスコンかい!」(村雨秦来)
ノリツッコミをしている3人を見て、爆笑が起き和気あいあいとしてるとモー子さんが小声で耳打ちしてきた。
「あんた良くこんなこと出来るわね。私ですら分からなかったわよ。あんなにそっくりな親戚がいたなんてビックリよ。」
そう実は、昨夜パーティーを終えてヒズリ家に帰宅すると共に、モー子さんと社さんも一緒に映画の撮影が終わるまでヒズリ家に滞在した方がいいと言われて連れてきたのよね。
そこで私が、キョーコであることを教えてプリンス・セディを貶める作戦も教えた。モー子さんにも協力して貰うことになったんだ。
それと私に扮してるレイカさんは、地毛のロングヘアーのまま私を演じている。服装も、ピンクツナギからカジュアルワークなファッションへと変えた。
ツナギ姿だと、嘗められたり小中学生に間違えられる事が多いから大人っぽい姿にイメチェンしたと言う設定にしたのだ。
「2人とも朝早く起きて、台所で何してるかと思ったら大量のいなり寿司と唐揚げがあったから俺も驚いたよ。最初、叔父さんの朝食かと思ったし。実際につまみ食いしようとして怒られてたものな😅」
昨夜は、本来の姿の久遠さんとしてパーティーに参加していた敦賀さんが話していると、撮影所にアメリカ人キャストの皆さんが入ってきた。
結局、撮影スケジュールの都合で双方の共演シーンの撮影をする事になってしまいキャスト全員集まった次第だ。
するとプリンス・セディが私達に気付いて近寄ってきた。
『久しぶりだなクオン。いつの間に帰ってきたんだか、ハリウッドから逃げて何処にいたんだ?今さら戻ってきても、お前の居場所なんて何処にもないぞ。』
ニヤニヤしながら久遠(悠人)さんに、嫌味を放ってきた。
すると振り返り笑顔で返した久遠(悠人)さん。
『やあ久しぶりセディ、相変わらず小さいな。』
『んなっ💢何だと!お前がデカ過ぎるんだ、僕は標準だ!』
彼が気にしてるのだろう、確かにセディは他のアメリカ人男性よりかは背が低めだ。しかも日本人のショータローよりも背が低いっぽい。それでも175cmくらいはありそうだけど?
『それと俺は、俳優業に戻るつもりはないよ。今は、別の仕事をしているし。それなりに稼いでもいる。ハリウッドヒルズで豪邸の一軒家を買える程にな。』
確か、悠人さんは作家(小説家)として成功を治めたって聞いてるけどどんだけ稼いでるんだろ?どんな作品書いてるのかな?
『ふん……そんな戯れ言誰が信じるって言うんだ。日本人の血を引いたお前は底辺を這いつくばってればいいんだよ。そこにいる日本人キャスト達もな。事務所に甘えて、自ら仕事を獲りにいかない甘えん坊どもが。
お前らに、ハリウッドの映画に出る資格はない。さっさと全員降板して日本に帰れ。この映画は、アメリカ人だけで撮る。』
セディがとんでもないことを言ってきて、その事に日本人キャスト達全員に怒りを買ってしまった。
『お前は本当にいい加減にしろよ!何でそんなに日本人を嫌うんだ!!だったら言わせて貰うけどな、ここにいる日本人キャスト全員実力でこの映画への出演件を得たんだぞ!俺だってデビューしてから何十回とオーディション受けてるし!』
村雨さんが、大声で手をふり説明すると他の皆も放ってきた。
『そうだ!俺達は、レナード監督と呉前Pの前で演技テストを受けて最終的に実力を認められて、キャスティングに迎えられたんだ。中には自らアピールしてきた役者もいる!』
『欧米と日本やアジアでは、芸能事情が異なるのよ。他でもハリウッドとは異なる芸能システムを取り入れてる国もあるし、ハリウッドが世界のスタンダードだと思うのが間違えてるわ。
それに日本でも少ないけど、事務所に入らず完全にフリーランスで芸能活動している人もいるしね。』
皆がそれぞれの意見を言うと、ジェネラルコバートのコスプレをしたレナード監督と呉前Pがやって来た。
『彼らの言うとおりです。あなた達アメリカ人キャストから見ると日本人キャスト全員が事務所任せの甘えん坊だと勘違いしてるみたいですけど、きちんと我々が演技力を見定めて決定した役者達ですよ。』
『これ以上文句があるなら、若手役者の君達全員を降板させるがいいか?他にも候補者はいるしな。特にセディ、君はハッキリ言って話題作りのためのキャスティングにすぎない。
映画作りには、金がかかるのは分かってるだろう?スポンサーを集めるため君を起用したまでだ。私としては、不本意ではあったんだが。Mr.Dがこの映画に携わる手前、君を起用しないと業界がうるさいからな。』
レナード監督がセディを起用したリアルな理由を話すと、彼はしかめっ面をして怒ってしまいスタジオを出ていってしまった。
スタジオを出る前に後ろに振り向き、何だか私の方を見つめてきたような気がするけど……気のせいかな?
『あのう……レオ監督?今の話って本当なんですか?』
敦賀さんが、レナード監督に聞くと黙って頷いた。
「やっぱり話題作りの為のキャスティングだったんですね。」
社さんが、呉前Pに聞くとそちらも頷いた。
「はい私としても不本意でしたけど、どうしても映画作りには金がかかりますからね。こればっかりは避けられませんでした。まぁ、あそこまで言われれば彼も少しは反省するでしょう。取り敢えず、主演抜きのシーンから撮りましょうか。」
呉前Pと皆の言葉に、流石のアメリカ人キャスト達(特に若手役者達)も少しは納得したみたいでセディみたいにスタジオから逃げ出すことはなかった。
再度、撮影がスタートしたのである。
私と久遠(悠人)さんは、暫くするとスタジオを後にしたのである。
「花音は、この後ジュリ叔母さんとモデルレッスンだっけ?」
「うんオーディションまで3日しかないから。早く戻らないと。」
そう私は、例のアパレルブランドのオーディションを受ける為にジュリママにレッスンをして貰うことにしたのよね。
この後、ジュリママが予約したと言うレンタルスタジオでの猛特訓が待っている。一体どんなレッスンするんだろうか?
タクシーに乗ってやって来た、レンタルスタジオ。
かなり大きなスタジオで、私達は扉を開けるとそこにはジュリママが仁王立ちになって待ちかねていた。
「遅いわよ花音!さっさとコレに着替えてきなさい!」
私に、レッスン用のシンプルなワンピースとパンプスを渡してきて、更衣室に押し込められた。
直ぐに着替えてレッスン室に戻ると何故か久遠(悠人)さんまでシンプルなレッスン着に着替えており冷や汗をかいて、頭に分厚い本を置かれて鏡の前に立たされていた。
「ジュリママ…何で久遠さんにまで、レッスンしてるの😅?」
「徹底して久遠に成り済ましてもらうには、この子にもレッスンした方がいいと思ってね。ほら!もう少し足に力入れなさい!」
そう言って、悠人さんの両足のふくらはぎをひっぱたいた。
「いでっ!叔母さん~そこまでやらんでも😞。」
「こらっ!お母さんでしょ!私達以外に誰もいないからって油断しない!」
これってかなりのスパルタレッスンになるのかも……😅
私は、3日後のオーディションに向けてジュリママのスパルタレッスンを受け始めたのである。
そして3日間の詰め込みスパルタレッスンを受けた私は、オーディション会場へとやって来た。場所は、先日パーティー会場となったアルマンディホテルのイベントフロアとなっていた。
しかも店舗からも丸見え状態でのオーディション。買い物客もいる中で行われることに。
ある意味公開オーディション状態だ。
私が受けるオーディションは、アルマンディの兄妹ブランドである『Anju(アンジュ)』から新発売される香水の広告&CMのイメージモデルを決める物だった。
ジュリママと久遠さんと共に、オーディション会場の隣に用意された控え室に入った私は、既に入室している他のオーディション参加者から注目を浴びてしまった。
良く見ると、私だけでなく同世代くらいの女の子達と共に母親らしき人が付き添っているのがちらほら見えた。
「やっぱり案の定、親が付いてきてる子達が多いわね。」
「アメリカにもステージママっていたんだ……😅」
そんなことを2人で話してると、ひそひそ話も聞こえてきた。
『あれってジュリエナ・デュリスよね?』
『この前ニュースで見たわよ、娘のカノンだわ。』
『何よあれ、完全に親のネームバリューで受けようとしてない?』
『あんな子に負けるんじゃないわよ。しょせんコネよあれは。』
色んなやっかみが聞こえてきてる。こう言うところは、日本と変わらない。万国共通なのね。
「あんなやっかみ聞き流せばいいのよ。花音、貴女の実力を皆に見せてやんなさい!」
「頑張れ、花音!」
→⑩へと続く。
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漸くオーディションが始まります!
さーてどうなるのかな?
それとセディとの一触即発な雰囲気も出てきましたね。
本誌(原作)より進んだ話を妄想して書いてしまってますが……😅
本当に、どうにかならんもんかなぁ?
仲村先生は、何であんな話にしちゃったんだろ?今の世の中のコンポリ的にヤバいストーリーになりつつありますよね?
一応、女性の黒人キャラも出てるけど名前が分からん😵🌀
ベテラン組にも1人いましたね。ヴィラン役で出るのかな?