無題 | うそつきの手記

今更に、何で俺は死ぬほど悩んで苦しんでいるのだろうか?と考えた。

女の体で生まれて女として育てられてきたはずなのにどうして違和感という漠然としたものに取り憑かれているのか。

世の一般的な女性達はこんな悩みを抱かなかったのだろうか。

どんなことがきっかけで今の思考に至っているのだろうか。


親のせいではない。環境のせいでもない。自らの意思で選択していったらこうなってしまった。だけどそれも自分のせいではない。

人生は自己責任だが趣味嗜好は本能の中にあって、それは自分自身でもどうにもできないものではないか。

いくら他人に勘違いだと言われても、自分で勘違いだと言い聞かせても気味の悪いどろどろしたものが頭にこびりついていつの間にかできた傷口にいつまでも膿を溜め続ける。

センセーショナルだからとかファッションだとかいうものじゃない。

一生親に謝り続けて、女としても男としても生きられない自分は人間ではないし生きる意味も価値もないのだと死ぬまで思うだろう。


自分はトランスジェンダーではないか?と悩んでいる少年少女達に一つ言いたい。

性転換やホルモン注射は成人してからにしてほしい。君達は今とても心が柔らかい状態で、揺れ動きが激しい時期だ。これだけはどうしても理解してもらいたい。君達には未来がある。喜びも悲しみも嫌というほど押し寄せてくる。だがそれはいわば経験値だ。レベル途上の今よりも経験を積んだ未来の自分に答えを託してみてはどうだろうか?

とにかく今はインプットだけをしてほしい。先駆者はたくさんいるし君達の方が賢くネットを利用できるだろう。

個人的にはトランスジェンダーであることのデメリットを知ってもらいたい。性転換にどれだけの費用がかかってどれだけの危険があってどういう見方をされるのか。先にデメリットを知っていればいざというときに覚悟もできる。

俺なんてもうすぐ三十路だが未だに悩み苦しみ続けてる。

性転換手術は体にメスを入れる立派な外科手術だし、ホルモン注射も自らホルモンバランスを崩す行為で、体が女性の子達は特につらさが分かりやすいかもしれない。

性の多様化は何も体だけの話じゃない。

悪用さえしなければ女が短髪にしたりヒゲ生やしたり(俺の場合鼻の下の産毛をなんとか伸ばしてヒゲと言い張ってるw)、男がスカート穿いたり化粧しても自由だ。ただし賛否両論あるのが当たり前で、誰しもが認めてくれるわけじゃないが完全に否定されることもない。

だから無理に体を作り替える必要もない。だから今の内はもう少しだけ待ってほしい。

苦しいよな、めっちゃつらいよな。

だが安易なカミングアウトは現状を支えてくれている人達を裏切ることにもなる。

説教くさくてごめんなさい。


俺はもう一人で死ぬ覚悟ができている。

これから先、もし性転換手術を受けるときがきたとしてもそこで自分の人生が終わるものと思うし、ことに恋愛においてはこんな精神じゃ誰のことも守れるとはとても思えないので天涯孤独でいるつもりだ。


ここまで読んでくれてありがとう。

全て俺の持論だからどう捉えてもらっても構わない。

君達が笑顔でいられる未来がくることを願っています。

もちろん同じ苦しみを抱える大人達にも。

うそつきだってたまにはキザなこと言わせておくれ。