2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」では、世界最古の女性文学と呼ばれる源氏物語を生んだ紫式部の生涯が描かれています。
源氏物語は千年を超えるベストセラーとなり、物語の中では、様々な平安貴族たちの恋愛や結婚事情が描かれています。
私はこれを見たとき、いわゆる「ポリティカル・コレクトネス」が改変の理由かなと思っていました。
しかし、今回のさわを見て、さわのキャラにより統一感を出すための改変だったのではないかと、考えを改めました。
「才気」なら、
文を書き写すことで少しは
近づけるかもしれません。
しかし、
「見た目」がコンプレックスでは そんなことをしても無駄です。
※ポリティカルコレクトネス(Political Correctness)
人種や性別をはじめとしたあらゆる差別的な表現をなくそう、とする考え方のことです。頭文字をとって「PC」と略されたり「ポリコレ」と呼ばれたりすることもあります。
差別表現や固定観念からくるステレオタイプな表現を見直し、より多くの人が幸せを感じて過ごせる社会を目指す考え方です。
現代ではエンタメ作品に様々な影響を与えている側面があり、議論が勃発する場面も見かけます。
このような背景から、ポリティカルコレクトネスがネガティブな意味合いで使われることもあります。
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日本はいったいどういった国なのかということを、最も深く考えた江戸時代の国学者に本居宣長という人物がいます。
本居宣長が源氏物語を研究するなかから取り出した「もののあはれ」は、日本人の幸せを考える上で非常に大切なものになっています。
「もののあはれ」とは、
男女や親子・友人などの間に生じる
様々な情緒や気分を
あらわす言葉です。
こういった何千年もの間、
人間の中に脈々と流れている
感情のようなものは、
恋愛がどれだけ
効率的でスピーディーになった
としても
変わらないのでしょう。
選択肢があまり多くなかった100年近く前のお見合いでは、
自由度が少ない分、限られた制約の中で、小さなお互いの良いところを見つけやすかったのでしょう。
紫式部が生きた平安時代は、当然
恋愛も結婚も自分で選べず、
それどころか、
男女の関係は政治に大きな影響を与えました。
源氏物語は
平安時代に繰り広げられる恋愛や、そこから生まれる憎しみや悲しみが赤裸々に描かれていますが、
むしろ、
こういった
ドロドロした人間関係の中にこそ、
本当の意味での純愛を感じ取れるのかもしれません。
恋愛を通じた憎しみや悲しみも、
後で振り返ってみれば、
人生で必要な経験であり、自身を成長させてくれる大切な要素なのでしょう。
ドロドロした人間関係がないのは
良いことかもしれませんが、
自由過ぎるからこそ、どうしようもなく人を突き動かす感情のようなものも生まれにくいのかもしれません。
恋愛は人生で
一番楽しいものの一つです。