まるで最後の手紙のような
サンタクロースからのメッセージ


あれから3年になるが
りくのもとには、まだ



こんなラインが届く。

愛情深いサンタ なのか
メル変なサンタ なのか
暇なサンタ なのか 
しつこいサンタ なのか


どれでもかまわない。
見たくなければ見なければいい。


こういう場合はシンプルにただ
それだけのことである。








21歳のりくが ついに
サンタに手紙を書いた。

サンタは言った。





まもなく力作が届いた。




3年前
「誰からもらったの?」
母親のわざとらしい問いかけに

低い声で答えた「サンタ」


そこに、敬意はあるのか?
そう思ったが

いまは、丁寧語である。


しかし、母親は思った。


このスニーカー
ちょっと地味


その心に応じるように
サンタは問うた。





濃いグレーでもいいらしい。





サンタは、なかなか慎重らしい。

自分の好みを取り入れつつ
りくの好みを打診しているようだ。







いいらしい。





サイズは26センチ
さすが21歳

サイズまで指定するとは 
そのへんの子どもにはない
取り計らいである。

サンタはたずねた。






大丈夫
それは肯定と自信



 






心に余裕をもつために
急な依頼も
可能なシッター

いつかはあなたの住む街に
ぜひ呼んでください。

空の巣から手土産を持って
参上します。








令和を生きる若者へ



新しいバランス感覚

深い理解