物品庫に用があった。


アチコチの電気をつけて歩き
アチコチの電気を消して戻るのは

面倒

なので
そのまま歩けば
やがて、目が慣れる。


手間なしブライト


霊感が皆無の私は
暗闇は全く怖くないが




あれは、なんだ???

と、不思議に思いながら
歩いていたら


「ヒェッ」と突然
守衛のイケオジが現れた。

施錠確認をしていたのだという。

「驚かせてしまいましたね。」
私は、謝罪をして

「物品庫に用があるんです。
10分程度で戻ります。
私、暗闇は怖くないんですよ。
電気を消し忘れそうなので、このまま行きますね」

と事情と心情を説明した。

「あ、あ〜。そうでしたか。」

驚きを隠さず、イケオジはそう言った。


注意深く階段を上がった。
足元はまずまず見えた。

すっかり目が慣れたのだろう。


物品庫内の電気をつけ
目あてのものを手にして
消灯した。


再び足元に注意し
階段を降りた。

足元はまずまず見えた。
すっかり目が慣れたのだろう。



また



火の玉が宙を
彷徨っていた。

やっぱり、イケオジだった。


ずっと、足元を照らして
くれていたのだ。


守衛のイケオジ



若い子たちの間で
イケオジと呼ばれていると
聞きつけてきたのは

やはり
みえさんだった。 

私の職場のみえさんを
知らない人もいるかもしれないので
一応、紹介しておく。
 




我が支社の守衛はイケオジ

高身長のロマンスグレー
「シュッとしてる」というやつなのだと思う。


外見の不備は

結婚できるか、できないか
それを予測する因子としては
片羽根と思うが

イケオジになれるか、なれないか

それとは、もしかすると
極めて高い相関係数を示すのかもしれない。




 

最近同年代のおっさんと話しとったんやけど、そのおっさんは仕事で若い女の子とよく関わるらしくてこんなこと言うとった。


 

 「若い女の子に優しくされて

ワンチャンいけるかもっていう

キモイ気持ちを殺したい」


 

ほんまにわかるわそれ。



でもな


ワンチャンとかないねんそんなもん。


むこうはおっさんとしか思ってないんやから。

自分が若い時のことを思い出せや。


20の時に40のおばはんに誘われたらほんまびびるで。



60過ぎても、50のオバハン暗闇歩いてるの見たら

ほんまびびるで。


怖くないのはおまえだけや。


懐中電灯で照らされたオバハンの顔、ほんま怖いで。


しかもな



転んで怪我でもしたらどないするねん。


介抱するの だれや。



 

メディアも悪いわな。

イケオジだのオジサン好き女子だのあおりよる。


ただな、イケオジもおじさん好き女子もなそんなもん存在せえへんねん。


だってわし会ったことないもん。

少なくともわしの世界にはおらん。



イケオジもおじさん好き女子もな

暗闇の幽霊みたいなもんや。


見える人にしか見えん。


そんなもん存在せえへんねん。



 

異性として見るな。

恋愛感情なんかもってのほかや。



一人の人間として、未来ある若者として敬意をもって接しろ。


そう思って接してたら少なくとも

キモイ言動はしないんちゃうか。



一人の人間として、過去ある年配者として敬意をもって接しろ。


そう思って接してたら少なくとも

お互い、泥試合はしないんちゃうか。