息子たちが中学生の頃、定期試験前には、3〜4日間程度の部活休止期間が設けられていた。 


ど田舎の男子中学生たちは、その期間を「学校の体育館が使えない期間」と認識していたようだった。



定期試験前の土日は、学校の体育館が使えないので部活動ができない。


けれども


定期試験を終えて、数日後となる翌週末には大会を控えているというスケジュールになることがある。




そんなときのために

というわけでもないのだけれど


中学校から、徒歩数分のところに、地域の体育館があった。


そこは剣道や少林寺拳法など、連盟系の少年団でも利用されており、子どもから高齢者まで、広く馴染んでいた。


中学生たちは、その貸出の仕組みをよく知っていたから


定期試験と部活動の大会スケジュールの日程を把握したあと、「学校の体育館が使えない期間」の活動場所を確保するために


地域のルールに従って、予約していた。 



もちろん、そこには、学校は介入していないし、顧問の先生もいない。


中学生男子たちの、自主的で主体的な行動であった。





授業参観後の懇談会のときに、そのことが話題になったことがある。

 

「定期試験の前の部活動休止期間は、勉強のためであるはずだけれど、地域の体育館でスポーツをするのは是か否か。」


「先生方は、知っているのだろうか。」





家庭の考え方と中学生男子の行動には、いくつかのパターンがあった。



1.親が良しとして、子どもが参加している


2.親は良しとはしていないが、子どもは参加している


3.親が良しとしていないので、子どもは参加していない




私の印象としては、1と2はspectrum


というのは、我が家もそうであるが、男子中学生たちの多くは、いちいち親に許可をとるわけではないからである。  


体育館側の都合と自分たちの都合が合えば、親の許可等なくても活動はできる。


そんな事情で

「良いかどうかは別として、うちの子は、行ってるよ😅」

というケースは結構多く



3のケースに該当する「うちは行かせていないよ。」と言った母親は、1名しかいなかった。




そんな話を心地悪そうに聞いていた、アラフィフ男性である担任教師は


「学校としてはねぇ。

そうなんですよ。勉強時間を確保するために部活動を休止するんですけど。 それは、学校のルールなんですけどね。」

 

「体育館に移動していたことは、知らないといえば知らないし、知っていたといえば、知っていたんです。」  


と応えながら





「なにか、我々教員から指導したほうがいいのかなぁって思ったこともあるんですけどねぇ(*ノω・*)テヘ。」  


と、半笑いで椅子から半分立ち上がり


「お母さんたちに、怒られちゃうかもしれませんけど。」  


と、その場から逃げるように少し離れ



「なんだかね、放課後に張り切って、みんなで楽しそうに移動していくのを見ていたら」

 

「別に、いいかなぁという気持ちになってしまうんですよ。(*ノω・*)テヘ(*ノω・*)テヘ(*ノω・*)テヘ」


と、本当に笑って誤魔化した。





その雰囲気の中で


ある女子生徒の母親が、

「定期試験前だからといって、一日中勉強しているわけではないのだから、大会のために少しは練習したほうがいいと娘に言った。娘も同意し、女子の友人たちに声をかけたが、誰にも相手にされなかった😅🤣🤭」と話し


「女子も、練習したい子がいるかもしれないから、体育館に男子がいることを教えてあげるように、息子たちに言ったほうがいいね。」というような雑談的結論?で、その懇談会は終了したように思う。




我が家の長男にスポットを戻せば


「そろそろ、定期試験じゃない?」と相応の時期に、突然口にする母親に


「今日で、全部終わったよ〜😃😆」と、

くつろぎの大義を得たように、勝ち誇って答えるような中学生であったし




高校生になると、

仕事が終わって帰宅した母親に


「帰ってきてから、何をしてたの?」と聞かれると



「ついさっきまで、勉強してた!」とテレビを見ながら、いつも自信満々に即答していた。





日々 母親が帰宅する直前まで

熱心に勉強し


どうやってなのか

定らない母親の帰宅時間を見計らって

急いでリビングのソファに寝そべり、テレビをつけて


くつろぎの空間を演出するらしい、気の利く優しい長男




そんな家庭もあっていい。 





母親は女優

子女は名優


母子家庭の母と息子

その信頼関係を、傍から見るなら


それは、たしかに

とてもよくできたコントである。


きっと、時間がたてば たつほどに…