お利口さん的な
頭の使い方はしませんけどね。
将来がとても楽しみです。
3月、転勤による別れ際に
そう言った田中先生のことを書いたあとに
芋づる式想起法によって
この近郊の公立小学校の就学前健診は、秋に行われるので
長男のような3月生まれの子どもは
5歳半にして、その会場に出向くことになる。
同じ保育園のお友達と共に
誘導された場所まで、みんなで揃って走るという奇行的移動法を開発し
教育委員会のおじさんから、苦笑い混じりの注意をうけたあと
身長体重、視力、聴力検査を受けて
何らかのペーパー試験も受けた。
賢そうな、揃いの園児服集団とは
異質にみえる保育園児たちは
試験のあと、だれも正しい答えの分からない、答え合わせをしていた。
要するに、「分からない問題の答えのところに、なんと書いたか」という話を、とても楽しそうにしていたのだ。
その帰り道に、長男が言った。
1番目の問題の答えはね
ニワトリなの。
ほかのは、鳥じゃないからね。
犬と猫と馬。
2番目の問題の答えはね
オニゴッコなの。
ほかのはね、ボールを使うやつだからね。野球とサッカーとドッチボール。
みんな、「難しかった。」って言ってたから。
「わかった。」って、言わないほうが
いいと思って。
この世に生を受けた以上
その努めは、なにより
しっかり生きること
空気は吸うものであって、
読むものではない。
そんな気持ちで、子宮内から地球上へ
新生児として送り出したつもりであったが
幼児は、じつは
教えなくても知っている。
空気
それは
人として生きるために
吸うものでもあり
社会で生きぬくために
読むものでもある。
ということを…。