わからんでもないけどなぁ。


長男がこう言ったとき



私の脳内では、この長男のセリフの解釈が

できず


わからんでもないけどなぁ。

圭太の母親の言うことも?

と、補足した。




「圭太くんのお母さんが、反対する気持ちもわかる。」


「圭太くんのお母さんが、就職先に口を出したくなる気持ちもわかる。」


「圭太くんとお母さんが、意見が合わないだろうことがわかる。」


「圭太くんが、お母さんの意見を無視できずに、本来の自立を目的・目標とした就職活動に専念しきれない状況になっていることは、理解できる。」

  


このあたりの、どれかなのだろうと

私は、ひとり想像を働かせていた。


改めて長男に

その意味を聞き返すことは


長男の思考を邪魔することになる。


そんな気がしていた。




圭太くんが、長男に話したいことの本質は、就職のことではないし


長男が、私に話したいことの本質も

そこではないし


私が、長男の話を聞くのは

圭太くんの「就職」に関心があるからではない。






22歳の青年が、就職までの「活動」について、母親の意見や思いを聞くことにエネルギーと時間を使うのは


「もったいない。」

と、私は思っていた。


それはまるで、どの問題集がよいかと悩みながら、勉強するに至らない。


そんな時間ではないだろうか。




圭太も、やりたい仕事があるとは

言っとったけど。



公務員試験は不合格だった。


けれども、認めてくれる社員さんたちのもとで、やりがいのある学生バイトをした経験がある。


その「やりたい」は、労働意欲や意思なのか。




やる気はなぁ

大学のときから、ないよ😅


学生時代は、働きたいなんて

誰も思っとらんかったし。


単位ギリギリで

なんとか卒業できたらしいし。


そういう奴は、多いよ。


それでも、「就職活動をする程度」には、発達しているらしい


彼らの心身と社会性




オチついてるようにはみえんけど

オチてるわけでもない。



つまり、彼は公務員試験に落ちただけで

なにひとつ失ってはいない。





息子がどこに就職しているかなんて

地元にいるわけでもあるまいし


私達母親には、わからないよ。

どこに転職したって、気づかないし。




え?どこに転職したって

親は気づかんて??


長男は驚いたあと


しばらく笑って、こう言った。



言われてみれば、たしかにそうやな



お母さんと話し合うとか

説得するような時間って

なんだか、もったいないというか。



22歳


プレゼンは、職場で。



  


あなた達のこれからの人生に対して

私達は、かなり無責任だよ。



いろんな意味で、そう言ったら


そういうもんかね?

と言うので





社会人を育てるのは、

母親ではないから。


と付け加えたら



まぁな。それは、そうなぁ。

と言った。




長男が

高校1年生の頃


「ヤキを入れておきました。」の恩師は、長男の悪事について




「お母さんには、いちいち報告いたしません。」と言った。


それは

「然るべきときには

担任として、勝手にヤキを入れておきます。」という意思表示で


その理由は

「お母さんの言うことを聞くような子であるなら、私がヤキを入れる必要はないわけですから。」


「だから、ことの顛末を、いちいちお母さんに報告する必要はないと思っています。」


というような話だった。


私が、そういうものなのだと

思った日から


早いもので7年がたち

彼らは22歳になったけど


圭太くんだけではなく、長男も

就職にあたり「親は関係ない。」と、思っているわけではないらしいことが、


私にとっては正直、結構意外だった。