このまま、永遠にいれたら良いと仕事終わりに辰巳町の海浜公園に行ったとき、こーひにえは思ったのだろう。
馬鹿だな。若いなと私は思う。
困るな、大人になってくれなきゃ。
私が腐らせちゃうのかな。辰巳の海浜公園は埋立地でうわっつらだけでペラペラで、好きだ。
仕事は最悪の局面を迎えていた。
赤字に次ぐ、赤字。
「あなたはさ!いつもやれもしないことを言って口挟みたいだけ!!」
それはそうなのかもしれない。
私のプロジェクトは中折れ。
私はつまらなくなると、嫌だ。
倒産の危機。
結局、コガのホームレス支援と出版の商売は、武士の商売といったところで浮世離れしているのだ。
世の中にはふたつの人間がいて社会の中の人間と外の人間だ。
自分で外の人間と言うのだから、社会的成功なんて求めるものではない!
だって、自分で外の人間だと言ってるじゃないか!!!
ふと、父親と近親相姦した娘のカウンセリングを思い出した。父親と愛し合うのは幸福だったが、父に新しい女性ができて再婚していくのが背骨が折れ、にっちもさっちもいかないほど苦しかったと。
抱きしめるこーひにえの体からは子供のように汗の匂いがする。
暗い海は、驚くほど暗く、垂直に立つ。
あまりに暗く、死が透けて見える。