今回は久々に鑑賞したこの作品を
1944年のアメリカ映画、監督はビリー・ワイルダーによる、不倫による生命保険殺人をテーマにしたサスペンス
(深夜の告白)
原作はジェームズ・M・ケインの小説(倍額保険)をもとに、脚本をハードボイルド作家のレイモンド・チャンドラーが担当している、チャンドラーと言えばあの(私立探偵フィリップ・マーロウ)の生みの親、殺人と、それを偽装するトリックや現れた目撃者など(白いドレスの女)をはじめ後々に数多く登場する悪女ミステリーの先駆け
オープニング
深夜のロサンゼルス、フルスピードで走ってきた車がパシフィック保険会社の前で止まり、中から肩を銃により負傷した勧誘員ウォルター・ネフ(フレッド・マクマレイ)がよろめきながら下りてくる
ネフは会社のオフィスに入るとテープレコーダーを取り出し、上司のバートン・キーズ(エドワード・G・ロビンソン)へ宛てた口述を始める
ドラマはネフの口述による回想形式で進行していく
数ヶ月前、ウォルターは会社に自動車保険をかけている顧客のディードリクスン(トム・バワーズ)を訪ねたが彼は不在で、その場に居合わせた夫人のフィリス(バーバラ・スタンウィック)に会う、その翌日フィリスはウォルターのアパートを訪れ、夫を殺してそれを事故死に見せ倍額保険を取る計画をもちかける
最初は当惑するウォルターだったがフィリスの肉体の魅力に負けて計画を手伝う羽目になる、保険に入ろうとしないディードリクスンは足を怪我していて松葉杖をついて歩いていたが、近く開かれるスタンフォード大学の同窓会に出席するため汽車に乗る予定があった
2人は計画を練り、ディードリクスンと同じ服装に変装したウォルターはフィリスの運転する車に忍び込み、乗り込んできたディードリクスンを撲殺する、代わって自ら松葉杖をつきながら汽車に乗り込んで展望車に乗り合わせた男がいなくなった隙をついて汽車から飛び降り、車で先回りしていたフィリスと合流
2人はディードリクスンの死体を線路に運び松葉杖をその場に置いて立ち去る
ここまでの計画は成功し、その後の調査でもディードリクスンは転落による過失死と認められたが、ウォルターの上司キーズは死因を怪しみ独自で調査を始める
そしてディードリクスンの娘ローラ(ジーン・ヘザー)の恋人ニノ・サケッティ(バイロン・バー)に嫌疑がかかり、ローラも行動を監視され、ウォルターは安易にディードリクスン家に近づけなくなるが、密かにフィリスと連絡をとり密会を繰り返すうちに、実は自分は利用されているだけでは? と不安になり始める
そして、ある夜落ち着かない気持ちでフィリスに会うウォルターだが、そこでついにフィリスから本心を打ち明けられフィリスの発砲した銃で肩を負傷する、だが、事態が進行するにつれフィリスはウォルターを真剣に愛しはじめていた、はずみで彼を撃ちはしたものの致命傷にはならなかったが、撃たれたウォルターは彼女から銃を取り上げ逆にフィリスを射殺してしまう
ここまでウォルターの告白が終わったとき、オフィスの扉が開きキーズが入ってくる
彼にとっては信頼する部下のウォルターだったが、殺人の罪は裁かれなければならない……
キーズは受話器をとり警察に電話をいれた……
この手のシチュエーションは後々、多くの作品で見られるが原点はこの作品かも知れない。