日本の税法では、財産をもらった場合には、贈与税が課税されます。もらった側は、財産の金額に応じて税金を納める必要があります。

贈与税は、相続税を補完する性質を持つと考えられています。もし贈与税がなければ、相続税が課税されそうであれば、どんどん財産を贈与することで相続税の課税から逃れるというケ-スが多くなるので、それを防ぐという役割があります。

今日書く内容は、贈与税と判例についてです。

そもそも??
最高裁昭和53年2月16日の判決において贈与税を課税するのは正当という判例があります。

その内容は、夫が妻名義の家屋について増改築費用を出して工事をした場合について争われたものです。

原告側は、この増改築は妻と夫の間で、妻が償還義務を負うとの前提で行ったものであるとの主張を行っています。

しかし判例では、① 妻は無職で夫の収入で生活している ② 増改築の変更登記が妻名義でされていること などから夫から妻への経済的利益の贈与があったと判断しています。

条文は??
その考え方の基となる条文に、相続税法9条があります。

その内容は「対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で利益を受けた場合においては、当該利益を受けた時において、当該利益を受けた者が、当該利益を受けた時における当該利益の価額に相当する金額を当該利益を受けさせた者から贈与により取得したものとみなす」としています。

したがって不動産であっても当然その資金の出所と名義が一致するかどうかにより贈与の有無を判定するケ-スもあります。また上の判例であれば、専業主婦で他からの収入源の有無など状況も勘案して判断が下されています。