安倍首相に政権交代し、法人税の減税が報道されることが多くなった気がします。

 
法人税減税の報道の一方で、セットでよく報道されるのが財源はどうなるのか??であったり税収はどうなる??といった話から財政再建の話へと進んでいく記事や報道を目にすることがあります。

 
話は変わりますが、大学の教授の先生はそれぞれ専門の研究分野があります。自分が学んだ大学には、租税法を研究している教授と財政学を研究している教授がいました。それぞれ同じ領域を研究しているように感じますが、専門として研究するというカテゴリ-の中では違う分野なのだと思います。

 
今日書く内容は、法人税の税率と税収についてです。

 
法人税のパラドクスとは??

これは法人税の税率を下げたのに税収が伸びるという現象を指しています。

経済産業省では、欧州主要15か国の1997年から2007年の10年間に法人実効税率が平均で10%下がったのに対して名目GDPに占める法人課税の税収比率が2.9%から3.2%に上がったとのデ-タを示しています。

 
なぜ法人税のパラドクスが報道に??

新聞報道によると、国税と地方税を合わせた法人実効税率を下げて成長を促せば、企業収益が改善し結果的に税収が増える好循環が浮かぶというもので、現在の日本の法人税減税の議論において、減税推進派にとってはかなり魅力的な現象と思います。

 
政府税調の考え方は??

政府税調2010年度の専門家委員会会議資料P.18によると、「先進国について各国別に見た場合、法人実効税率が下がっていない国も下がっている国も2003年以降法人税収の対GDP比が伸びている。すなわち世界的に経済状態が良かったことが増収をもたらしており、法人実効税率を引き下げれば増収になるとの関係は見られない」としています。

 
現実として実現可能かどうかは別として、学説の中には法人税を廃止することも可能という考え方を持つ人も存在します。

 
つまり法人税は個人所得税の前払いとして位置づけられており、法人税と個人所得税を完全に統合し、配当だけでなく、法人の内部留保も個人株主の段階で課税するというものです。

 
ただし上記の考え方に対して、内部留保を個人株主に割り当てることが難しく、徴税コストもかかるなどの問題があると言われています。

 
ただ復興特別税について法人は廃止し、個人は存続させるなど最近の税制改正は上の流れを汲む改正が多い気が個人的にはします。したがって今回の報道などをみても、法人税軽課税の流れは続くのかなという気がしています。