修繕費なのか資本的支出なのか??は税金の計算を行う上で、大きな影響を与えることがあります。
つまり、例えば、マンションの改修を行ったり、外壁の防水や塗り替えなどは、何百万単位からの費用がかかることが多く、これが修繕費なのか資本的支出どちらなのかということが、税額の計算に大きな影響を与えるということです。
なぜ大きな影響を与えるか??どういう区分により修繕費・資本的支出の判断をするのか??を中心に書きたいと思います。
【 そもそも修繕費と資本的支出とは?? 】
① 修繕費
法人税法基本通達7-8-2によると、「法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の通常の維持管理のため、又はき損した固定資産につきその原状を回復するために要したと認められる部分の金額」とされています。
簡単なイメージでは、もともとあった物が壊れたので元に戻すことや不具合を直すための費用というイメージだと思います。
② 資本的支出
法人税法基本通達7-8-1によると、「法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額」とされています。
簡単なイメージでは、もともとあった物が壊れた際にバージョンアップさせた費用というイメージだと思います、
【 修繕費と資本的支出の区分を考える 】
資本的支出について、法人税法施行令132条によると、
「内国法人が、修理、改良その他いずれの名義をもつてするかを問わず、その有する固定資産について支出する金額で次に掲げる金額に該当するもの(そのいずれにも該当する場合には、いずれか多い金額)は、その内国法人のその支出する日の属する事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
(1) 当該支出する金額のうち、その支出により、当該資産の取得の時において当該資産につき通常の管理又は修理をするものとした場合に予測される当該資産の使用可能期間を延長させる部分に対応する金額
(2) 当該支出する金額のうち、その支出により、当該資産の取得の時において当該資産につき通常の管理又は修理をするものとした場合に予測されるその支出の時における当該資産の価額を増加させる部分に対応する金額」
修繕費について、法人税法基本通達において様々な説示がされています。
例えば、先の法人税法基本通達7-8-2においては、修繕費に含まれる費用が説示されています。その他でも、法人税法基本通達7-8-4では、形式基準による修繕費の判定が説示されています。その内容は、
「一の修理、改良等のために要した費用の額のうちに資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない金額がある場合において、その金額が次のいずれかに該当するときは、修繕費として損金経理をすることができるものとする。
(1) その金額が60万円に満たない場合
(2) その金額がその修理、改良等に係る固定資産の前期末における取得価額のおおむね10%相当額以下である場合」とされています。
【 修繕費と資本的支出の区分について 】
実務上判断に迷う部分が多くあり、具体的にこれはという規定や通達もないため、一律に判定はできないと思いますが、以下の点がポイントとなるのかなと思います。
つまり、資本的支出は、「使用期間の延長又は価値の増加」であり、修繕費は「通常の維持管理又は現状の回復」となります。
平成元年の10月6日裁決では、「資本的支出と修繕費の区分は、支出金額の多寡によるのではなく、その実質によって判定する」と判断し、「塗装工事等は建物の通常の維持または管理に必要な修繕そのものか、その範疇に属するものである」と判断しています。したがって、例えば支出金額大きくなる壁の塗装費用なども、一般的にはその実質から判断すると修繕費として一括して、費用として計上することができると考えられます。