金の価格が10年くらい上昇を続けてきており、昔に金を買っていた!!という人は、利益が出ている人も結構いるのではないかなと思います。また最近では、他の株式などの相場状況が活況であることなどから金相場が、一時期に比べて下落してきており、もうそろそろここらへんで利益確定させてもいいかな~という人もいるのではないかなと思います。金を持っていて利益が出ている場合、もちろんその利益に対しては、課税が行われます。その金の課税について書きたいと思います。



そもそも金地金の課税状況は??

課税庁の方も、昨今の金価格の上昇を受けて、金地金の課税状況の整備を行っています。これは財務省のHPの「所得税法等の改正」によると、金地金等の譲渡所得の申告漏れが多数把握されている状況を踏まえ、金地金等の譲渡による所得を税務当局が把握できる制度を整備する観点から以下の2つの法整備がなされたとされています。

なので「金は申告しなくて大丈夫!!」とかいう噂を聞いたことがあっても、あくまで都市伝説的なもので、申告しなかったという人がいたとしても、上に書いた申告漏れにたまたま該当していただけということかもしれません。

2つの法整備として、「金地金等の譲渡対価の受領者の告知制度」及び「支払調書制度」です。名前は難しそうな名前がついていますが、中身はそんなに難しいというものではありません。



「金地金等の譲渡対価の受領者の告知制度」とは??

これは、所得税法224条の6に規定されているものです。その条文は、「金地金等の譲渡対価の支払を受けるものは、その支払を受けるべき時までの、その者の氏名又は住所をその金地金等の譲渡を受けた者に告知しなければならない」と書かれています。

つまり、「金を売った人は、代金を受け取る時までに、自分の氏名又は住所を、売った業者に告知しなければならない」と書かれています。そして、氏名又は住所を告知する際の書類として、住民票の写し等の提示が必要であると規定されています。

ただし、細かい話として所得税法施行令350の8②において、購入の際に、これらの氏名及び住所を告知しているときは、告知をしたものとみなすとされており、必ずしもどのケ-スでも住民票等を提示の手続きが必要という訳ではありません。



「支払調書制度」とは??

これは、所得税法225条①14に規定されています。その条文は、「金地金等の譲渡の対価の支払をする支払者は、その対価の支払を受ける者の各人別に、支払調書を、その支払の確定した日の属する月の翌月末日までに、所轄税務署長に提出しなければならない」と書かれています。

つまり、「金地金等の買取等をした業者は、売った人別に、その売った人の氏名及び住所や金地金等の重量及び数などを記載した調書を、税務書に提出する」とされています。イメ-ジでいくと、Aさんが、○○貴金属㈱に、金1キロ400万円で売却した場合に、○○貴金属㈱は、Aさんの名前や住所、さらにはAさんは金1キロを400万円で売りましたという報告を税務署にしないといけないという話です。なので報告を受けた税務署では、Aさんという人は金1キロ400万円で売ったという申告が行われるかのチェックを従来より容易にすることができます。




この2つが金地金の大きな2つの税制改正の内容となっています。また次に金地金を売った際は、所得税法の10種類の所得のうち、何所得になるのか??という点などを書きたいと思います。