この表紙だとどうも『チャーリーとチョコレート工場』を思い出してしまうのは気のせい?
最初の場面でチョコレート工場らしきものが登場するのは監督が同じだからかな。
ロンドンのどこかに秘密のチョコレート工場があって、
その中にはお菓子の森とチョコレートの川がある。
ベースはご存知ルイス・キャロル著の『不思議の国のアリス』、『鏡の国のアリス』。
両方のパーツが随所に登場するが、オリジナルのエピソードも盛り込まれ、原作とは全く異なるものとも言える。
そもそも児童書ではないね。
アリスの年齢は19歳。
ということは成人になってしまったということになる。
原作では男女の区別がアリス以外にほぼつけられていないようなのに、
ここでの設定は結構細かく設定されて動物にもある。
不可能なことを成し遂げる唯一の方法はそれが可能だと信じることなのです
ここにいる女性たちがみんなズボンをはいて、男性たちがドレスを着ている―。
大人だけれども子供の頃の突然、空想するあべこべな部分はまだのこっているものの、
社会の常識に捉われて始めている。子供からレディへと変わっている。
アリスに惹かれるアスコット家のヘイミッシュの母親はこんなことを言う。
赤いバラを植えるようにちゃんと命じたというのに、
あの庭師と来たら白いバラなど植えて!
これは『不思議の~』のハートの女王から。
不思議の国に入り込んだアリスが謎の液体やケーキを食べるシーンでは、
体のサイズが変化するものの、服のサイズまでは変わらない。
どこか夢の中と決めつけているアリスだが、リアリティを感じた。
言葉遊びが巧みに盛り込まれているのが通例だけど、
ハッターとアリスのやり取りより、
・・・・・今の韻踏んでた?
―全然踏んでない。
っていうテンポのずれが思わず、笑っちゃった。
道筋なら私が作る。
クロッケーに興じている女王。
勿論、マレットはフラミンゴ、ボールはハリネズミ。
ディズニーのアリスは面白おかしく描かれていたものの、
ここではフラミンゴの悲鳴、手足を縛られたハリネズミ。
この描写が痛々しくって普通ならゲームなどする気になれないね。
そしてここで白うさぎとの再会なんだけど、
どうしてか、始終あわてていたはずなのに、以外に冷静なヤツ。
世の中のすばらしい人たちというのは、実はみんな。どこかおかしいものよ
6歳の頃、父チャールズの言葉が記憶が甦ることで
少しずつアリスも少女だった頃の心を取り戻しつつあるような気がした。
帽子合わせに登場する、赤の女王の特注鏡。
頭でっかちの女王が表面をゆがめさせて作られた鏡に映る自分に見入り、
つまりは鏡の世界に行ってしまっているようにも見える。
このことでアリスは気づかれずにピンチを切り抜ける。
原作のキーアイテムが登場し、重要な役割を果たしていく。
最後の赤の女王が追い込まれる場面。
ジャブジャブ鳥を放ち、それは人や動物をさらっては空高くから落とし始める。
恐怖が広まっているのに、トカゲのビルが放り落とされ、一言。
なんでいつもおれ?
ワンテンポ、いつも笑が含まれる流れがいい。
涙によって何かが成し遂げられたためしなどないのだぞ。
そしていくつもの対峙するもの。
アリスの髪。6歳:シルクのように柔らかな娘の金髪
⇔19歳:うねうねと波打った金色のほつれ毛
赤の女王(トランプ騎士団)⇔白の女王(チェス騎士団)
アリスの迫られる決断
ヘイミッシュに求婚を迫られる(現実)⇔預言の書の戦士を名乗り出ること(ワンダーランド)
そしてマッドハッターとの恋らしき雰囲気。
アリスが現実に戻るであろう事は決まりごとであるから発展しないのだけれどね。
それぞれのキャラクターに過去だったり、性格や特徴を複雑に加えているから
各々が存在感を増していき、より魅力的になっていて、ワンダーランドへ引き込まれる。
おもしろかったぁ。
でも、ちょっと白の女王と、赤のジャックが謎。