今邑彩さんの作品はサクサク読めるけど、どこかほの暗い何かがあるって感じの作品が多いですね。

この作品は職場の先輩にお借りしました。

いつもの朝に (上) (いつもの朝に) (集英社文庫)/集英社
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いつもの朝に (下) (いつもの朝に) (集英社文庫)/集英社
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上下巻でしたがサクサク読めて、最後はぼうっとしちゃいました。


あらすじ

成績優秀でスポーツマン、中学でミラクルボーイと呼ばれる桐人。そんな兄とは正反対で勉強が苦手の弟・優太。三年前に最愛の父を事故で失い、画家の母・沙羅と三人暮らし。ある日、優太は、父の形見のぬいぐるみ“ユータン”の中から、手紙を見つける。そこには、父から優太への謎のメッセージが書かれていた。優太は、父の言葉に従い行動を起こすが…。家族の愛と絆をミステリアスに描く感動巨編。

内容(「BOOK」データベースより)

兄弟間によくある嫉妬やねたみ、そして尊敬や助け合い。

よくあるし、共感が持てる感情と同時並行にミステリーが折混ざってゆく感じが作品を読みやすくしているのではないかと感じます。

出生の秘密や犯罪者の遺伝子のくだりは著者の腕の見せ所。

妙に重苦しく感じません。でもそれが気持ち悪さに変化して作品全体を不気味に靄をかけています。

でも、終盤の家族の絆、母を想う子達の子供らしい表現は読んでいて心穏やかになりました。

最後のエピローグ部分が物語をさらにひきこませている感じで上々です。

彼らはその絆をもって長年の呪縛を解いたのだ。

これもおすすめ。

ルームメイト (中公文庫)/中央公論新社
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今邑さんの代表作ではないでしょうか?
ミステリーなのかよくわからなくなりますが(笑)引きこまれます。