今日は子供の日。
亀田兄弟のボクシングの試合と、PRIDEグランプリが一日に行われるとい
うゴージャスな日である。最後のバイトを終え、さっさと帰宅。缶ビールを開
け早速テレビをつける。
・・・・・・亀田兄弟の試合はしょーもなかったな・・・・。
引っ張るだけ引っ張ってあの内容じゃ・・・・・・。
とっとと世界チャンピオンとやってもらいたいもんだ。
一向にテンションが上がらないまま、虚しくビールを煽った。
午後9時、プライドGP第一試合「マーク・ハントvs高阪」の試合が始まる。
この試合、マーク・ハントがだいぶ優位であろう。体重が30キロ近く重い
上に、打撃はピカイチ。おまけに体が柔らかく、寝技への適応力にも優れ
ている。
一方の高阪も、早くからUFCのリングに上がり世界のトップファイターと戦
ってきた猛者で、日本格闘技界のパイオニア的存在である。しかし、肉体
的なピークはとうに過ぎているだろう。
試合は予想通りの展開である。高阪が一度腕関節を取りかけた以外は、
マーク・ハントのペースであった。
次第に高阪の顔は、鼻血で真っ赤に染まっていく。ハントは少し離れた距
離からコツコツとパンチを当てる。ハントにとってはこの試合は通過点でし
かない。冒険する必要はないのだ。
高阪がタックルにくれば、それを切る。パンチを打ってくれば、カウンターを
合わせる。並の選手なら倒れるようなパンチが何発も入る。打撃で大きく
上回るハントがこの作戦に徹すると、高阪はかなり苦しくなる。
もはや打つ手なしか・・・・・・?
しかしながら、高阪は前に出て行くことを止めない。顔面は血まみれで、足
元もフラフラである。目だけが爛々と光っている。
高阪はこの試合を最後に引退するつもりでいる。この試合に全てぶつける
、死ぬ気でこの試合に臨む、試合前にそう語っていた。彼にとって試合で負
ける事は、死を意味するらしい。
マーク・ハントは、金の為に戦うと言い切る男である。彼からは戦う男の悲壮
感や、気高さが感じられない。ミルコやシウバを倒すのだから、実力は圧倒
的である。しかし僕は、あまりハントを好きになれない。
マーク・ハントは高阪の鬼気迫る表情に恐怖を覚えただろう。試合は自分の
ペースで進めているのに、威力あるパンチを当てているのに、高阪の前進が
止まらないのだ。
高阪のど根性は、ハントの理解の範疇を超えていたのではないか?
高阪の前進も、2ラウンド途中に止まった。全て燃え尽きた、というような終
わりであった。KO負けであった。ハントが勝ち名乗りを上げる中、高阪はリ
ングの隅でボロボロ泣いていた。それを見て、僕もボロボロ泣いた。
こういう試合があるから、格闘技を観ていて良かったと思える。
高阪はこの試合に命を懸けていた。自分の格闘技人生に対するPRIDEを
見せ付けた。負けたのは残念だったが、心の中でMVPは圧倒的に高阪で
ある。
もう一つ、ど根性系で感動した後は、やはりトップクラスの技術のぶつかり
合いである。「アレキサンダーvsバーネット」、こちらは違う意味で感動した。
「こいつら、なんて強いんだ!!!」
である。先ほどの試合のような悲壮感はなく、ひたすら早くて重いパンチが
交錯するスリリングなものであった。アレキサンダーのパンチの早いこと早
いこと!さすがはヒョードルの弟。バーネットもボコボコ殴られてるのに、負
けないくらい早いパンチで反撃する。
・・・・化け物だこいつら。日本人じゃ敵わないわ・・・・・・・。
試合はバーネットが関節技で一本勝ち。何とも密度の濃い試合であった。
今日のPRIDEは内容が良かったなぁ・・・・・。
見に行けた人は幸せだ。
7月の準々決勝が早くも楽しみである。